ロペミンカプセル
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
強力な止瀉作用を有するモルヒネやコデインは長期連用による依存性発現が懸念されます。本剤はその中枢に対する作用と腸管に対する作用が分離された強力な止瀉剤として開発され、下痢の主要な原因である「腸管粘膜での水分の吸収・分泌異常」と「腸管の運動異常」の両面を是正します。 腸壁内コリン作動性ニューロン機能の抑制、および腸管の輪状筋方向の伸展により誘発されるアセチルコリンとプロスタグランジンの放出抑制により止瀉作用を示します。 通常、成人に1日1~2mgを1日1~2回投与します。オストメイト(人工肛門造設者)にも便性を調整するために処方されます。 |
Q |
副作用について |
A |
主な副作用は、発疹、腹部膨満、腹部不快感、悪心、腹痛等です。重大な副作用としてイレウスや巨大結腸、ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Steavens-Johnson症候群)の報告があります。 薬理作用により生じる便秘(重症の場合はイレウス)は用量調節で防止できますが、万が一発現した場合は服用を中止します。また痔等の肛門疾患に悪影響を及ぼす恐れがあるため、このような患者さまには注意しながら使用します。 眠気やめまいを起こすことがあるため車の運転等危険を伴う機械操作に従事しないよう伝えます。 |
Q |
投与禁忌は? |
A |
腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等による重篤な感染性下痢、また抗生物質服用による偽膜性大腸炎の患者さまには、症状を悪化させ治療期間の延長をきたすため投与禁忌です。 小児用細粒の臨床試験で、1歳未満の乳児に承認用量を超える投与で副作用が多く発現しており、その中には成人では報告のない中枢神経系の副作用(傾眠傾向、鎮静、筋緊張低下)の報告もあります。また外国にて過量投与により呼吸不全、全身性痙攣、昏睡等が起きたとの報告があるため、低出生体重児、新生児および6ヶ月未満の乳児には投与禁忌です。 原則禁忌は、感染性下痢の患者さま(脱水や衰弱がひどい場合は投与することもある)、潰瘍性大腸炎の患者さま、6ヶ月以上2歳未満の乳幼児です。 |
Q |
相互作用は? |
A |
本剤はP糖蛋白の基質であり、また肝代謝酵素CYP3A4、CYP2C8で代謝されるため、これらを阻害するイトラコナゾール(イトリゾール)やリトナビル(ノービア他配合剤)、キニジンと併用すると、本剤の血中濃度が上昇することがあります。 ケイ酸アルミニウムやタンニン酸アルブミンが本剤を吸着することが考えられるため、併用の際は投与間隔をあける必要があります。 また本剤の消化管運動抑制作用により経口デスモプレシン(ミニリンメルト)の消化管吸収が増加し血中濃度が上昇するおそれがあります。 |
掲載日: 2018/10/19
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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