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  • 公開日:2023.08.23

薬剤師で年収1000万円は可能?働き方とキャリアアップのコツを解説

薬剤師で年収1000万円は可能?働き方とキャリアアップのコツを解説

世間一般に「薬剤師の年収は高い」と言われていますが、「仕事量の割に給料が見合わない」と感じている薬剤師は少なくありません。なかには「給料を上げる方法はないのか」「薬剤師で年収1000万円に届くことはできるのか」と考えている人もいるでしょう。

そこで今回の記事では、薬剤師が年収1000万円に近づくための5つの働き方と、キャリアアップの方法を解説していきます。薬剤師が年収アップを目指すときに知っておきたいことも紹介しますので、参考にしてみてください。

薬剤師で年収1000万円は可能なの?

薬剤師は、一般的に高給であると思われがちですが、年収1000万円以上稼ぐことは可能なのでしょうか。まずは、薬剤師の平均年収と業種による違いについて確認していきます。

薬剤師の平均年収はどのくらいなの?

政府が発表している『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、薬剤師の平均年収は583.4万円(給与497.5万円、賞与85.6万円)と公表されています。また、男女別の薬剤師の平均年収は、637.1万円と男性が600万円を超えているのに対し、女性は540.1万円と500万円台になっており、男性の方が高いことが示されています。

女性は出産や育児などのライフサイクルの変化にあわせてキャリアプランを選択する傾向にあるため、年収にも差が生じていると考えられるでしょう。

では、ほかの医療系職種と比較するとどうでしょうか。それぞれの職種の平均年収は下記の通りです。

医師 年収1428.9万円
薬剤師 年収583.4万円
看護師 年収508.1万円
臨床検査技師 年収508.9万円

(※令和4年賃金構造基本統計調査より引用)

医師以外の医療系職種と比べると、薬剤師の平均年収は比較的高額であり、高い水準にあることが読み取れます。

業種別の薬剤師の平均年収はどのくらいなの?

薬剤師が活躍する職場には、さまざまな業種があります。なかでもドラッグストアで働く薬剤師の平均年収は、調剤薬局や病院、企業などで働く薬剤師に比べて高い水準にあることがわかります。

ドラッグストアでは、保険調剤に加えてOTC医薬品や衛生用品、食品などを扱っていることから収益が安定しており、高い年収が期待できるでしょう。

調剤薬局 年収588万円
病院 年収538万円
ドラッグストア(調剤併設) 年収609万円
ドラッグストア(OTCのみ) 年収636万円
企業 年収550万円
(※2022年6月1日時点のファルマスタッフの掲載求人をもとに算出)

このような数値からみても薬剤師で年収1000万円を目指すハードルは高いのが現状です。

しかし、職種や働き方次第では不可能ではないでしょう。

【年収1000万円を超えるために】薬剤師の働き方5つのポイント

年収1000万円を超えるための薬剤師の働き方5つ

年収1000万円を超える薬剤師の働き方として、以下の5つが収入アップに近づくポイントになります。

製薬企業のMRとして働く

MRとは製薬会社の営業・広報担当者で、医薬品の品質・効能・安全性などを医師や薬剤師へ提供します。企業へ就職することになるので、充実した福利厚生、営業成績に応じたコミッションが期待できるでしょう。

特に外資系MRの年収は高給であり、営業成績を伸ばしたり、管理職へと昇進したりすることで年収1000万円の達成は可能だと言えるでしょう。

ただ、転職市場においては経験者採用が中心のため、未経験者にとっては狭き門となる職種の一つでもあります。

CRA(臨床開発モニター)として働く

CRA(シーアールエー)とは薬の臨床試験である治験を支える臨床開発モニターで、治験が医療機関において正しく治験実施計画書に基づいて行われているかをチェックします。CRAはキャリア1~3年では平均年収450万円程度ですが、キャリア3~5年で520万円、ディレクター職で800万円以上となり、キャリアを重ね管理職へと昇進していくことで、年収1000万円達成が可能と考えられるでしょう。

CRAには主に製薬企業とCROの2つの就職先があります。製薬企業への就職はより高い収入を目指せますが、競争率が非常に高く、狭き門であることに注意が必要です。

大手のドラッグストア・調剤薬局で働く

ドラッグストアや調剤薬局においても大手の会社であれば、就けるポストの数が多くなります。

そうした中で、事業や部門を統括するような部長職以上を担うようになると年収1000万円以上のチャンスがあると言われています。

若手でも早い段階で昇格を目指すことができ、年収を上げやすいでしょう。

ただドラッグストアでは、土日・祝日の勤務など自身のライフスタイルに対して柔軟に対応できるかどうかが重要なポイント。薬以外の商品知識の他、美容部員、販売職、登録販売者のスタッフとのコミュニケーションも必要になるので、調剤薬局とは異なるスキルが求められるでしょう。

大病院で薬剤部長、副薬剤部長クラスを目指す

病院は他業種と比べて平均年収が低いとされていますが、薬剤部長、副部長クラスになると高収入は可能です。およそ年収800~1000万円は目指せるでしょう。

また、大病院の薬剤部長クラスになると講演会や雑誌・WEBサイト等に掲載する医薬品関連記事の執筆や監修業務を依頼されることもあるため、知名度があがれば年収UPは十分に可能だと言えるでしょう。

大きな規模の病院では、薬剤師の業務も、調剤業務・病棟業務・医薬品情報室業務など業務が細分化され、それぞれの業務を組織立てて行っていることもあります。専門性を高めることや、マネジメント力、医師や看護師など他の職種との連携など、幅広い経験と実績を積んでキャリアアップを目指していく必要があります。

薬局の開設者となる

薬局の開設者になることで、年収1000万円以上を得ることが可能ですが、その一方でリスクも存在します。近年は薬局倒産の数も増えているため、これらのリスクに対処するための知識やスキルを身に付ける必要があります。

一方で、薬局開設のノウハウを学べる薬局も存在するため、興味がある場合は、転職して経験を積むこともひとつの手段と言えるでしょう。開設者になりたい場合は、リスクとチャンスを見極めながら、資格やスキルを磨き、成功への道を切り拓く必要があると言えます。

キャリアアップのために重要な「マネジメントスキル」を磨こう!

キャリアアップのために重要な「マネジメントスキル」を磨こう!

薬剤師として働いて年収1000万円を目指すには、社内での昇進を目指して部長職などのポストを狙うか、大手に転職することが近道です。しかし、そう簡単な道ではないということも事実。この章ではキャリアアップを目指し、年収1000万円を目指すうえで必要なスキルについて解説します。

マネジメント力

役職がつくと、人材育成や会計管理、マーケティングの視点といった医薬品以外の知識も必ず求められるようになります。たとえば調剤薬局では、かかりつけ薬剤師の件数や地域支援体制加算の評価。ドラッグストアでは店舗の売上管理、スタッフへの指導なども重要です。

ところが一般的な薬剤師業務のなかでは、そういった医療以外の部分に触れる機会は多くありません。現場で自ら率先して人材育成や経営課題に向き合ってみたり、ビジネススクールなどに通うことで経営を学んでみたりするのもよいでしょう。

専門性を高める

薬剤師には更なる専門性を認定する資格もあり、医療関連団体の認定している認定薬剤師や専門薬剤師といった認定資格がこれにあたります。このような認定資格を取得できれば、薬剤師の職能を更に発揮しながら仕事に取り組めるだけでなく、ほかの薬剤師に対して指導や監督を行う立場となることも可能です。

また職場によっては、専門薬剤師や認定薬剤師の資格を持っている人に手当がつくケースもあります。そうなると基本給にその手当分が上乗せされますので、直近の年収アップも期待できるでしょう。

コミュニケーションスキルを磨く

コミュニケーションスキルが求められるのは、マネジメントをする立場になっても同じです。マネジメント職に就けば、人材育成や顧客満足、他職種との連携、社内調整など様々な人と連携することが求められます。スタッフを上手にまとめて組織全体を盛り上げる能力や、誰もが納得できるシフト調整の能力が必要でしょう。

こうした対人関係スキルを身につけながら着実に業務を遂行し、会社からの信頼を得ることで、昇進が可能となります。昇進すれば役職手当や賞与といった形で反映されますので、年収アップが期待できます。

「スキルアップ・キャリアアップ」が年収1000万円に近づくためのポイント!

薬剤師で最初から1000万円を超える求人は希少性が高く、転職してすぐ達成することは、なかなかないのが現状です。そのため、比較的年収の高い業種・職種へ就職し、経験を積んで昇進をすることや、自分の経験やスキルの面でキャリアアップできるような転職をしていくことが、年収1000万円に近づくための方法になるでしょう。

年収アップを目指すには、現在の自分の市場価値を客観的に捉え、具体的なキャリアプランを描くことも大切です。 転職エージェントに相談しながら、自身の市場価値を常に確認し続けていきましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2023/08/23

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