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  • 公開日:2020.03.04

「大手薬局」と「中小薬局」の違いを徹底比較!行くならどっち?

「大手薬局」と「中小薬局」の違いを徹底比較!行くならどっち?

調剤薬局への就職を考えたとき、大事なポイントになるのが「大手薬局」と「中小薬局」のどちらを選ぶかということです。一般的には大手の方が制度などの条件が整っていて、よい印象があるかもしれません。しかし「中小薬局」には「大手薬局」とは少し違った様々な魅力やメリットがあるのです。

先入観で判断するのではなく、両者についてしっかりと把握してから決めることが大切です。そこで今回は、【「大手薬局」と「中小薬局」の違い/メリットとデメリット/選ぶときのポイント】についてお伝えしていきます。

「大手薬局」と「中小薬局」の違い

薬局は大きく分けて「大手薬局」「中小薬局」がありますが、それぞれの具体的な定義と違いを知っていますか?まずは、それぞれの違いを確認してみましょう。

「大手薬局」と「中小薬局」の定義

薬局に関わらず中小企業とは「中小企業法」にて定められており、サービス業では常時使用する従業員の数が100人以下、小売業では常時使用する従業員の数が50人以下、または資本金の額、または出資の総額が5000万円以下と定められています。大企業については、明確な定義はありませんが、中小企業よりも規模が大きい企業が大企業であり知名度が高いことも一つの特徴です。

「大手薬局」は全国規模でチェーン展開する場合が多く、「中小薬局」は関東圏、関西圏のように地方に根付いていたり、全国的に数件から20〜30件程度の店舗を展開する薬局を示すことが多いです。

新卒に人気の「大手薬局」、中途採用が多い「中小薬局」

大学を卒業してから新卒で就職する場合「大手薬局」を選ぶことが多い傾向にあります。これは研修制度や福利厚生の充実だけでなく、「大手薬局」には安定した存在感があることを意味しています。実際に「大手薬局」は採用活動も積極的に行っていることが多いので、新卒者の目にとまりやすいことも理由の一つでしょう。

一方、ある程度の経験を重ねた薬剤師が中途採用で転職する場合、「中小薬局」を中心に考える方も増えてきます。過去に働いていた「大手薬局」の雰囲気に馴染めなかったこぢんまりとしてアットホームな雰囲気に惹かれて選択したなど、その理由は様々です。

「大手薬局」と「中小薬局」のメリット・デメリット

「大手薬局」と「中小薬局」のメリット・デメリット

「大手薬局」と「中小薬局」のどちらかを選択する際に、きちんと比較しておきたいのがそれぞれのメリットとデメリットです。双方のメリットとデメリットを知ることで、自分にピッタリな職場が見つけられるはずです。

「大手薬局」のメリット

■教育体制・研修体制が整っている

大手の場合は教育に力を入れていることが多く、教育制度が整っています。特に調剤スキルや知識が不十分な新卒、薬局での勤務がはじめての企業転職者などには安心して働ける環境です。研修補助などの手当ても付く場合が多いので、スキルアップのための資格取得や勉強会へ積極的に参加できる土壌があります。

■最新の調剤機器や設備が充実している

「自動分包機」「軟膏練り機」「自動監査システム」など、設備が整っているのも大手薬局の魅力です。薬剤師がミスを起こしやすい部分や、手間がかかる部分を機械化しているので、本来力を入れるべき投薬業務に専念することができます

■企業収益が安定しているため、将来も安心

大手の場合は収益が安定しているので、給与やボーナスが安定しやすいだけでなく、福利厚生や研修手当などで社員に利益が還元されやすいこともメリットと言えるでしょう。同じ職場で長く働きたいと考える薬剤師や、定年退職まで勤続することの多い男性薬剤師にとっては、安定して働ける職場です。M&Aによる大きな変革が起こりにくいメリットもあります。

■キャリアアップできる

「大手薬局」では、店舗の全国展開を目指していることも多いため、新店舗の立ち上げに参加できるチャンスがあります。また、エリアマネージャーや幹部スタッフなどに昇進する可能性もあり、キャリアアップがしやすい環境です

「大手薬局」のデメリット

■店舗異動、転勤の可能性がある

店舗数が多く、人事がローテーションで組まれることが多いため、転勤・異動はつきものです。また、店舗間のヘルプに出ることもあるため、身体的にも精神的にも落ち着かないと感じる方もいるようです

■人間関係が複雑になりやすい

大手となると社員数も増え、部門ごとに組織ができます。そのため、人間関係が複雑になりやすいデメリットがあります。また、報告・連絡・相談のステップに時間がかかり、ひとつの決断までに面倒な手続きを踏まなければならないことも多くあります

■患者さまへの対応や調剤以外の社内向け業務がある

大手になると社内会議や店舗イベントなども多くなるので、患者さまに対応する以外の仕事が増えがちです。薬剤師として臨床的な業務だけに専念したい人にとっては、面倒に感じられるでしょう。レポート提出など社内での仕事のために残業することもあります。

「中小薬局」のメリット

■地域に密着して安定的に働ける

店舗数が限られているため基本的に異動が少なく、あったとしても自宅から通える範囲である場合が多いのが特徴です。ひとつの薬局でずっと働けることも多く、患者さまと接する機会が多いため、地域に根付いた薬局の顔として活躍することができます。スタッフの出入りも少ないので、慣れてくると落ち着いて働けるでしょう。

■ひとりに与えられる裁量が大きい

「中小薬局」では、全体の薬剤師数が数人から十数人程度のことが多いため、組織的に決められたルールで働く大手よりも裁量が大きくなる傾向があります。社長や幹部との距離も近いので、場合によっては経営や店舗運営に参加できるのもメリットの一つでしょう。

■給与水準が大手薬局より高いことが多い

「中小薬局」の方が大手よりも給与が低いイメージがあるかもしれませんが、実は大手に比べて給料水準が高い傾向にあります。したがって、給与面で中小薬局を選ぶという薬剤師も実は多いのです。

「中小薬局」のデメリット

■教育体制・研修体制が整っていないことが多い

大手のような体系的な教育制度、研修制度が整っていないことが多く、すぐに実地で働くことを求められるのがほとんどです。そのため、未経験では働きづらさや不安を感じることもあるでしょう。整った制度のなかでスキルアップを目指したい人にとっては、少しハードルが高くなるかもしれません。

■薬局独自のルールや社長のワンマン経営

「中小薬局」の場合は、その薬局だけのルールが長年当たり前になっていることがあります。現場で働く薬剤師の提案を受け入れてくれる社長であればよいですが、ワンマンで意見が通りづらい、意見を言わせない雰囲気の場合があるので注意が必要です。調剤の手技など昔ながらのやり方を通しているという店舗も...。

■業務がオーバーワークになる可能性がある

業務に対して薬剤師数が少ないので、混雑したときには業務が過剰になる場合があります。日頃から頻繁にオーバーワークが続く場合、患者さまへの対応が終わっても長時間労働が当たり前になっていたりすることもあります。

「大手薬局」と「中小薬局」を選ぶときのポイントは?

「大手薬局」と「中小薬局」、選ぶときのポイント

「大手薬局」と「中小薬局」のどちらを選ぶかで、今後の働き方やライフスタイルは大きく変わります。ここでは、転職先選びに失敗しないためのポイントをご紹介します。

自分のキャリアプランを見据えたうえで選ぶ

働いてみてから「やっぱり違った」というのでは遅いので、転職を決める前に自分がどのような薬剤師として成長したいのか、理想的なライフワークバランスとは何か、いま一度考えてみましょう。「大手薬局」と「中小薬局」を選ぶ際には、将来のキャリアプランを長い目で見据え、しっかりと比較検討することが大切です。

情報収集が鍵!転職コンサルタントにも相談

転職の明暗を分けるのは何と言っても情報収集の差です。「大手薬局」の場合は比較的情報が入りやすいですが、ネット上には間違った情報もあるので注意が必要です。また、「中小薬局」においては、情報が少なすぎて判断できないという問題も...。そんなときに頼りになるのが転職コンサルタントの情報力です。自力では手に入らない貴重な情報を手に入れることができるので、転職の際には一度相談してみることをおすすめします。

心の声をきいて、自分に合った選択を

本記事では、「大手薬局」と「中小薬局」の違いと選び方についてご紹介しました。「大手薬局」には大手の、「中小薬局」には中小だからこその魅力があります。噂話や先入観などに惑わされるのではなく、正しい情報収集を行って、自分で見極めることが大切です

転職活動において最も大事なのは、自分が何を優先したいのかという軸を明確にすることです。まずは一度、自分の希望と将来のキャリアプランを考えてみましょう。じっくりと考えて、自分にとって最良な決断ができることを願っています。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2020/03/04

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