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  • 公開日:2022.06.21

薬剤師の勤務時間は? 勤務先別の傾向と、休日について解説

薬剤師の勤務時間は? 勤務先別の傾向と、休日について解説

薬剤師として働くうえで、勤務時間がどの程度か気になる方もいるでしょう。例えばプライベートとの両立を重視するなら、できるだけ残業や休日出勤は避けたいと考えるはずです。薬剤師にもさまざまな勤務形態があり、残業や休日出勤の程度については職場によって異なります。薬剤師の勤務時間について詳しく解説しますので、職場選びなどの参考にしてみてください。

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労働時間の基本

労働時間の基本

まずは、労働基準法で定められている労働時間や休憩、休日の規定について確認しておきましょう。原則として、労働時間・休憩・休日は以下のように定められています。

  • 1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけない
  • 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけない
  • 少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけない

ただし実際のところ、多くの職場では残業や休日出勤等が発生しています。そのため、勤務時間は職場に応じて異なりますので、就職・転職の際には事前に確認しておくことが大切です。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省「労働時間・休日」

薬剤師のさまざまな勤務形態

薬剤師のさまざまな勤務形態

同じ薬剤師でも、職場によってさまざまな勤務形態が存在します。

固定勤務制

例えば「9:00~18:00」など、あらかじめ勤務時間が決められており、これを基本として勤務します。毎日の勤務時間が固定されているので、日々のスケジュールを管理しやすい働き方です。なお、休憩時間については固定されておらず、「適宜1時間」のように業務状況に応じた取得とするケースもあるでしょう。

シフト制

「9:00~18:00」「10:00~19:00」「11:00~20:00」などいくつか勤務時間のパターンが設けられ、事前に誰がどの時間帯で勤務するかを決めておきます。雇用者の側は、忙しい時間帯のみ人員を多くするなどの調整が可能です。薬剤師にとってのメリットは、例えば家庭事情で早朝から働けなかったり、夜間の勤務が難しかったりする場合に、その時間帯を外したシフトで勤務できることです。

変形労働時間制

週や月、年単位での勤務時間を平均し、1週間あたりの勤務時間が法定での勤務時間を超えない範囲で、特定の日や週に法定労働時間を超えて働くことのできる勤務形態です。例えば季節性のある疾患で繁忙期がある職場で、その時期のみ勤務時間を増やし、逆に閑散期の勤務時間を減らすことで調整するといったことができます。

フレックスタイム制

一定期間内での総勤務時間をあらかじめ取り決め、出勤・退勤時間を薬剤師側が決められます。働く側にとっては、もっとも柔軟性の高い勤務形態といえるでしょう。ただし職場によって、必ず勤務時間に含めなければいけないコアタイムを設けていることもあります。その場合、薬剤師はコアタイムを含めたうえで、自分の勤務する時間を決めることとなります。

薬剤師の平均残業時間

薬剤師の平均残業時間

薬剤師の残業時間について、厚生労働省による「令和3年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに見ていきましょう。他の医療職と共に、超過実労働時間数を以下にまとめました。

職種 超過実労働時間数
薬剤師 11時間
看護師 6時間
准看護師 3時間
診療放射線技師 9時間
医師 15時間
助産師 7時間
臨床検査技師 10時間

薬剤師の残業時間は、他医療職と比べてやや多いことがわかります。そのため、基本的に残業は発生する職場が多いものとして捉えておくとよいでしょう。

▼参考記事はコチラ
令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 | 政府統計の総合窓口
※「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」を参照

【業種別】残業や休日出勤の傾向

【業種別】残業や休日出勤の傾向

薬剤師のおもな業種別に、残業や休日出勤の実態について紹介していきます。

調剤薬局

調剤薬局の多くは医療機関の近くにあり、営業時間はその医療機関の診察日・診察時間に応じて設定していることが多いでしょう。基本的に平日の8~17時など日中のみの営業で、固定時間制での勤務となります。

ただし、24時間体制の医療機関が近くにある場合は、調剤薬局も24時間営業というケースがあります。こうした調剤薬局では、勤務体系がシフト制である場合が多いようです。また、在宅医療・介護を行っている調剤薬局では、休日出勤が発生しやすい傾向にあります。

ドラッグストア

ドラッグストアの多くは年中無休のため、土日祝日でも勤務となることが多いでしょう。なかには、夜遅くまで営業している店舗もあり、シフト制での勤務がほとんどです。ドラッグストアは保険調剤に対応していることがありますが、その場合は早番・遅番での勤務が生じる可能性も少なくありません。

医療機関

外来のみの医療機関であれば基本的に平日日中の勤務となります。土日も診察を受け付けている場合、代わりに平日に休みを設けていることも多いでしょう。一方、夜間の救急対応を行っていれば、これに従って夜勤や準夜勤も発生します。医療機関の診療時間は多様なため、職場によって勤務時間も大きく異なるのです。基本的には、2交代もしくは3交代でのシフト制になります。

企業

企業勤務では、平日の9~18時など日中のみの勤務がほとんどです。実働8時間を基本としますが、職種によっては残業が発生することもあるでしょう。とくにMRは医療機関へ赴いて薬剤に関する情報の提供・収集を行うという仕事がら、相手次第で時間外対応が求められることが考えられます。一方、研究職などではフレックス制を導入したり、繁忙期のある企業では変形労働時間制を導入したりするケースも少なくありません。

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自分に合った勤務時間の職場選び

自分に合った勤務時間の職場選び

薬剤師の勤務時間は、業種や職場によって大きく異なります。残業や休日出勤はマイナスなイメージがありますが、デメリットばかりではありません。基本的には手当が出るため、少しでも多くの収入を得たいと考える方は、勤務時間が長かったり休日出勤が多かったりすることがプラスになるでしょう。大切なのは自分に適した働き方であるかどうか。ワークライフバランスを重視したりプライベートとの両立を優先したり、あるいは収入を第一に考えたり。人それぞれ求めることが違いますので、まずは自分がどのように働きたいのかを明確にしてみましょう。

職場選びにおいては、業界専門の転職コンサルタントを活用するのも一つの方法です。現在の状況や課題、働き方に求めるものなどを伝えることで、どんな職場が適しているのかアドバイスしてもらえます。もちろん具体的な仕事の紹介も受けられますので、悩んだときは相談してみましょう。

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ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2022/06/21

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