キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2022.08.15

『外来がん治療専門薬剤師』とは?がん専門薬剤師との違いや取得方法を紹介【薬剤師の資格入門】

『外来がん治療専門薬剤師』とは?がん専門薬剤師との違いや取得方法を紹介【薬剤師の資格入門】

薬剤師がキャリアアップを考えるとき、1つの方法として挙げられるのが専門薬剤師の資格取得。ただし専門薬剤師と言っても、領域などによっていくつもの種類があります。資格取得を目指すのであれば、今後のキャリアに適した資格を選びましょう。ここでは数ある専門薬剤師資格の中から、外来がん治療専門薬剤師について取り上げて詳しくご説明します。

外来がん治療専門薬剤師とは?

外来がん治療専門薬剤師とは?

外来がん治療専門薬剤師は、2021年新設の認定資格制度です。「BPACC」とも呼ばれ、日本臨床主要薬学会によって認定されます。外来がん治療専門薬剤師の具体的な業務内容について、同じがん領域の専門資格・がん専門薬剤師との違いも踏まえて説明します。

外来がん治療専門薬剤師の業務内容

外来がん治療専門薬剤師は、外来や在宅でがん治療を受ける患者さまやご家族に対して業務を行います。外部の医療機関との連携をとりながら、治療に関するカウンセリングを提供することが主な仕事です。

がん専門薬剤師との違い

がん専門薬剤師は、2009年に創設された認定資格制度です。主に薬物療法によるサポートが中心的な業務となり、カウンセリングなどを行う外来がん治療専門薬剤師とは業務内容が異なります。

外来がん治療専門薬剤師に求められるスキル

外来がん治療専門薬剤師に求められるスキル

日本臨床腫瘍薬学会の公式サイトで発表されている内容に則り、外来がん治療専門薬剤師に求められるスキルについて見ていきましょう。

外来がん治療を安全に施行するための知識・技能を習得している

外来がん治療専門薬剤師は、通院でがん治療を受ける患者さまを対象として業務を行います。そのため、外来がん治療における専門的な知識・技術が欠かせません。

地域がん医療において、患者さまとその家族のトータルサポートができる

身近な地域で高度ながん医療を提供するため、患者さまはもちろん、その家族に対しても質の高いサポートを行わなくてはいけません。実地での服薬指導において適した、技術および態度が求められます。

病院と薬局が緊密に連携して、がん薬物療法に対応できる

病院または薬局で5年以上の勤務経歴を持ち、薬局と病院とが連携するのに必要な実地業務に関する知識と経験を有することが必要です。

外来がん治療専門薬剤師の資格取得方法

外来がん治療専門薬剤師の資格取得方法

外来がん治療専門薬剤師の資格取得について、資格取得の方法や申請要件などを日本臨床腫瘍薬学会の公式サイトに則って詳しく解説します

外来がん治療専門薬剤師の申請要件

外来がん治療専門薬剤師の認定を申請するには、以下条件をすべて満たす必要があります。

  • 病院、診療所または薬局における薬剤師としての実務の経験を5年以上有すること。
  • 外来がん治療認定薬剤師の認定試験を受験し合格していること。
  • 日本臨床腫瘍薬学会が行うがん診療病院連携研修を修了しているか、修了とみなす認証を受けていること。
  • 申請の時点で会費が未納でないこと。

2022年(令和4年)の外来がん治療専門薬剤師の申請手続き期間

2022年の申請は2022年2月1日から受付が開始されています。申請は随時受け付けていますが、認定は4月・10月の予定。なお、初回認定は2022年4月1日付で薬局薬剤師の審査が優先され、同日付での認定を希望する場合、2022年3月4日まで必着での申請が必要でした。なお、病院薬剤師の認定については10月以降の見込みとなっています。

申請方法

認定の申請は、公式ホームページの申請フォームから手続きが必要です。申請後、所定の申込書を学会事務局に郵送し、審査が行われます。審査を通れば登録となりますが、審査・登録には認定資格の有無や申請のタイミングに応じて、規定された料金の支払いは必要です。

外来がん治療専門薬剤師の資格取得によるメリット

外来がん治療専門薬剤師の資格取得によるメリット

外来がん治療専門薬剤師の資格取得により得られるメリットを、具体的にご紹介します。

キャリアアップが可能

外来がん治療専門薬剤師は、外来がん治療における専門的な知識・技術の習得が求められます。専門性が高まることから、現在の職場だけでなく勤務場所の選択肢が広がり、より広くキャリアアップが考えられるようになるでしょう。

信頼につながる

外来がん治療専門薬剤師は、現場はもちろん患者さまからも「専門性の高い薬剤師」として信頼を得られます。これまで以上に頼りにされるようになり、業務への自信や大きなやりがいへと繋がるはずです。

まとめ

まとめ

外来がん治療専門薬剤師は外部の医療機関と連携し、通院で治療を受ける外来患者へのカウンセリングを提供します。これに対し、がん専門薬剤師は薬物療法によるサポートが中心となり、この業務内容が2つの資格における大きな違いです。

外来がん治療専門薬剤師には「外来がん治療を安全に施行するための知識・技術」「地域がん医療のおける患者および家族へのトータルサポート」「病院と薬局が緊密に連携したがん薬物療法への対応」が求められます。申請するには外来がん治療専門薬剤師の資格試験に合格後、日本臨床腫瘍薬学会の公式ホームページにある専用フォームから申請。申込書を郵送し、審査を経て認定されます。

資格を取得すれば、その専門性を活かす選択肢が増えるでしょう。また、周囲からより信頼されるようになり、自信や大きなやりがいも得られるはず。外来がん治療の現場でキャリアアップを目指すなら、外来がん治療専門薬剤師の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2022/08/15

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