セララ錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
適応症は「高血圧症」と「慢性心不全(ACE阻害薬又はARB、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者さま)」です。 高血圧の場合、1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量します。慢性心不全の場合、1日1回25mgから投与を開始し、血清K値等、患者さまの状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量します。 ただし、中等度の腎機能障害のある患者さま(クレアチニンクリアランス(Ccr)30mL/分以上50mL/分未満)では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとします。投与中は定期的に血清K値の測定を行い、用法・用量を調節します(詳細は添付文書参照)。 |
Q |
作用機序・特徴は? |
A |
本剤は鉱質コルチコイド受容体に結合し、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)の最終生成物であるアルドステロンの結合を選択的に阻害することで降圧作用を発揮します。 世界初の選択的アルドステロンブロッカー(SAB:Selective Aldosterone Blocker)であり、血圧上昇と臓器障害に関わるアルドステロンを選択的にブロックすることにより、優れた降圧効果を示します。 類薬のスピロノラクトン(アルダクトンA等)は、受容体選択性が低く、同じステロイドホルモンであるプロゲステロンの受容体もブロックしてしまうため、内分泌・性腺系の副作用(女性化乳房、月経異常等)が起こることが知られています。それに対して、本剤はアルドステロン受容体への選択性が高いため、こうした副作用の発現頻度が低いと考えられています。 本剤は単独でも他薬と同等の降圧作用が認められますが、RA系に作用するACE阻害薬やARBとの併用も有用です。RA系薬剤投与により一度抑制されていた血中アルドステロン濃度の再上昇(アルドステロン・ブレイクスルー)を回避できる可能性があります。 |
Q |
使用上の注意は? |
A |
主に肝代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、CYP3A4阻害薬と併用する場合には、本剤の投与量は1日1回25mgを超えないように注意する必要があります。 また、高K血症があらわれることがあるため、血清K値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)の1週間以内及び1ヶ月後に観察し、その後も定期的に観察します。 腎機能障害のある患者さま、高齢者、高K血症を誘発しやすい薬剤を併用している患者さまでは、より頻回に観察する必要があります。 |
Q |
投与禁忌は? |
A |
高K血症、もしくは本剤投与開始時に血清K値が5.0mEq/Lを超えている患者さま、重度の腎機能障害のある患者さま、重度の肝機能障害のある患者さま、K保持性利尿薬、イトラコナゾール、リトナビル及びネルビナフィル投与中の患者さまには禁忌です。 高血圧症での投与時はさらに、微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者さま、中等度以上の腎機能障害(Ccrが50mL/分未満)のある患者さま、K製剤を投与中の患者さまには禁忌です。 |
Q |
副作用は? |
A |
重大な副作用として、高K血症が報告されています(発現率は高血圧症の場合1.7%、慢性心不全の場合7.3%)。 その他の副作用として、高血圧症での投与時に頭痛、めまい、嘔気等が、慢性心不全での投与時に低血圧、めまい、腎機能障害等が報告されています。 |
掲載日: 2019/02/06
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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