インクレミンシロップ
Q |
何のお薬?用法・用量は? |
A |
適応症は「鉄欠乏性貧血」です。1mLあたり溶性ピロリン酸第二鉄50mg(鉄として6mg)を含み、通常、1歳未満にはシロップとして2~4mL(鉄として12~24mg)、1~5歳には3~10mL(同18~60mg)、6~15歳には10~15mL(同60~90mg)を1日量とし、3~4回に分けて経口投与します(適宜増減)。成人への適応はありません。鉄欠乏状態にない患者さまには投与禁忌です。 |
Q |
どのくらいの期間服用を続けるの? |
A |
体内の貯蔵鉄を補充するため、ヘモグロビンの数値が正常化しても、さらに2~3ヶ月は服用を継続するのが一般的です。 |
Q |
保管方法は? |
A |
遮光・室温で保存します。冷蔵庫で保存しても構いませんが、0℃を下回るとD-ソルビトールの結晶が析出することがあります。単シロップで希釈したものは冷蔵庫保存で30日間は安定です。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
本剤で副作用発現頻度が算出できる調査は行われていませんが、類薬と同様に悪心・嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、便秘等の消化器症状が報告されており、その対策としては、1回量・1日量の減量、食直後の服用等を検討します。 下痢や吐き戻しを起こしやすい低出生体重児、新生児や乳児に投与する場合、少量から開始し、様子を見ながら徐々に1日量まで増量することとされています。 その他、一時的な便の黒色化や歯の着色(黒色・茶褐色)が起こることがありますが、前者は心配なく、後者も軽度の場合は丁寧な歯磨きで、歯磨きができない小児の場合は、重曹を水に溶かしガーゼ等で歯の表面を拭くことで予防できます。重度の場合も歯科を受診すれば除去できるので心配ないことを伝えましょう。 |
Q |
注意すべき相互作用は? |
A |
セフジニル、ニューキノロン系抗菌剤、テトラサイクリン系抗生物質、甲状腺ホルモン製剤等と難溶性の鉄キレートを形成し、相手薬剤の吸収を阻害するおそれがあるため間隔を空ける必要があります。 お茶やコーヒー等タンニン酸を含む飲料は鉄の吸収を阻害すると記載されていますが、臨床的には併用しても貧血の改善効果に影響はありません。このため薬効上これらと時間を空ける必要はありませんが、タンニン酸と鉄剤が結合すると、前述の歯の着色が起こりやすくなるとされますので、気になる場合はタンニン酸を含まないもので服用するとよりよいことを伝えましょう。 |
掲載日: 2019/08/22
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります