ベージニオ錠
Q |
何のお薬?処方目的は?用法・用量は? |
A |
本剤は「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」を適応症とする薬剤です。 内分泌療法剤との併用において、通常、成人には1回150mgを1日2回経口投与します。臨床試験で有用性が示された内分泌療法剤は、フルベストラント、レトロゾール又はアナストロゾールでした。 なお、本剤は患者の状態に応じて適宜減量する薬剤です。下痢、血液毒性等の副作用が現れた場合は、減量基準をもとに休薬・減量します。 |
Q |
作用機序は? |
A |
細胞周期にはG1期、S期、G2期、M期の4期があります。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4及び6は、細胞周期のG1期からS期への移行を制御している酵素です。本剤はこのCDK4及び6を選択的に阻害しG1期からS期への細胞周期を停止することで、腫瘍の増殖を抑制します。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
重大な副作用として肝機能障害、重度の下痢、骨髄抑制、間質性肺疾患が報告されています。副作用のグレードによって減量・休薬を考慮する必要があるため、便の性状や排便回数、倦怠感や発熱、息切れ、空咳等の自覚症状に注意します。 個人差がありますが、下痢は本剤の投与開始1週間前後と、比較的早期から認められる副作用です。一方、肝機能障害は投与開始後2ヶ月以内に、骨髄抑制による好中球数減少は投与開始1ヶ月頃に多く認められています。そのため、投与開始後2ヶ月間は2週に1回、その後は月に1回血液検査を行います。 なお、間質性肺疾患に関して、2019年5月に安全性速報(ブルーレター)が発出されています。間質性肺疾患の好発時期は特定されていません。市販後1年間の発現状況では、投与開始後1~5ヶ月での発症が多く報告されていますが、6ヶ月以降でも発症が認められており、継続して注意すべき副作用です。 |
Q |
相互作用は? |
A |
本剤は主にCYP3Aで代謝されます。そのためCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)や誘導剤(リファンピシン等)との併用には注意が必要です。また、本剤服用時はグレープフルーツ、グレープフルーツジュースの飲食は避けます。 |
掲載日: 2021/08/26
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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