ビ・シフロール錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
「パーキンソン病」と「特発性レストレスレッグス症候群」に適応があります。 |
Q |
作用機序は? |
A |
非麦角系のドパミンアゴニストです。線条シナプスのドパミンD2受容体サブファミリー(D2、D3、D4のうち特にD3)に強い親和性を示し、これらを選択的に刺激してドパミンに似た効果を示します。 |
Q |
用法・用量について |
A |
適応症により用量・用法が異なります。 まず、パーキンソン病に対しては、通常1日量0.25mgより開始し、2週目に1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg)を定めます。また、服用方法は、1日1.5mg未満の場合は朝夕食後に、1日1.5mg以上の場合は毎食後投与になっています。 また、特発性レストレスレッグス症候群に対しては、1日0.125mgより開始し、0.25mgを1日1回就寝2~3時間前に経口投与します。増量する場合は1週間以上の間隔をあけて行い、1日0.75mgを超えない範囲で適宜増減するとなっています。 |
Q |
特性と用量に関する使用上の注意 |
A |
本剤は吸収率が高く、2時間前後で最高血中濃度に達して、半減期は約7時間です。また、肝臓で代謝を受けず大部分が未変化体で腎臓から排泄されますので、腎機能に応じた投与量の調節が必要になります。パーキンソン病に対する投与量は、クレアチニンクリアランス(Ccr)50mL/min未満では、腎クリアランスの低下により消失半減期が延長するため、投与回数を調節し慎重に漸増します。また、特発性レストレスレッグス症候群では、1日最大投与量(0.75mg)がパーキンソン病患者よりも低いため、透析中あるいはCcrが20mL/min未満の患者さまに対する投与については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断することとされています。 |
Q |
重大な副作用:突発的睡眠に関して |
A |
「警告」に記載されているように、重大な副作用として、前兆なく睡眠に陥る突発的睡眠および傾眠等が見られることがあります。このメカニズムは明らかではありませんが、ドパミンD2およびD3受容体の刺激作用が関連している可能性が指摘されています。 この突発的睡眠により自動車事故を起こした例だけでなく、歩行中や電車やバスの乗り降り時、運動中などに突然意識を失うように眠りこんでしまったりすることも報告されているため、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないとともに、日常生活に対する注意に関しても併せて指導しましょう。 |
Q |
注意すべき相互作用は? |
A |
本剤はドパミンアゴニストのため、ドパミンアンタゴニストとの併用で作用が減弱します。また、これらの薬剤は、レストレスレッグス症候群を増悪させる可能性もあり注意が必要です。加えて、有機カチオントランスポーター(OCT)を介して排泄されるため、同じ排泄経路を有するシメチジン、アマンタジン等とは、併用により相互に作用が増強する可能性があります。 |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります