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  • 公開日:2022.11.21

調剤薬局で働く薬剤師の平均年収は?地域別のデータなども比較

調剤薬局で働く薬剤師の平均年収は?地域別のデータなども比較

多くの薬剤師が働いている調剤薬局。働くうえでは就業環境などもさることながら、やはり年収について気になる方は多いでしょう。ここでは調剤薬局に勤める薬剤師の年収について、地域差なども含めながらデータを用いて詳しく解説します。

これから就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

調剤薬局薬剤師の年収は?

調剤薬局薬剤師の年収は?

2022年6月1日時点でファルマラボに掲載されている求人情報をもとに分析すると、調剤薬局薬剤師の平均年収は全体で588万円となっています。2020年の賃金構造基本統計調査による薬剤師全体の平均年収は約565万円で、全体の平均よりもやや高い傾向が読み取れます。

次に、業態別で比較してみましょう。病院や企業、ドラッグストアで働く薬剤師については、以下のような年収になっています。

調剤薬局:588万円
病院:538万円
企業:565万円
ドラッグストア(OTCのみ):600万円
ドラッグストア(調剤併設):605万円

※2022年1月時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに算出

比較すると、調剤薬局薬剤師は薬剤師全体のなかで中間的な年収と言えるでしょう。

調剤薬局で働く薬剤師/管理薬剤師の年収事情

調剤薬局で働く薬剤師のなかでも、勤務薬剤師と管理薬剤師では年収が異なります。それぞれの平均年収は以下の通りとなりました。

勤務薬剤師:584万円
管理薬剤師:631万円

※2022年6月時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに算出

勤務薬剤師から管理薬剤師になることで、年収は50万円近く高くなることがわかります。

【地域別】調剤薬局薬剤師の年収事情

【地域別】調剤薬局薬剤師の年収事情

続いて、先ほどと同じ2022年6月時点のデータから、地域別で見た際の年収の違いについてご紹介します。年収の上位15都道府県と下位5都道府県をピックアップし、勤務薬剤師と管理薬剤師をあわせた平均年収を以下にまとめました。

地域別x調剤薬局薬剤師

最も平均年収が高いのは高知県の635万円、低いのは徳島県の542万円でした。両県を比較すると、約90万円の差があります。

大都市であるほど年収が高いと思われる方が多いかもしれませんが、そうではありません。たとえば東京都の平均年収は559万円で、これは全都道府県で見ると下から5番目と低い水準です。平均年収が600万円を超える13の都道府県は、和歌山県を除き、関東・関西圏以外の地域が占めています。薬剤師が不足している地方の地域では、給与水準が比較的高くなる傾向にあるようです。

地域別×役職(勤務薬剤師/管理薬剤師)別

次に、勤務薬剤師と管理薬剤師それぞれの平均年収も見てみましょう。

地域別x調剤薬局勤務薬剤師

こちらも平均年収が最も高いのは高知県の634万円、反対に低いのは徳島県の534万円でした。なお、東京都は556万円、大阪府は571万円など、大都市部の多くは全国平均の584万円より低い水準です。

続いて、管理薬剤師の平均年収です。

地域別x調剤薬局管理薬剤師

こちらはここまでの比較と異なり、最も年収が高いのは島根県の734万円、最も低いのは福岡県の585万円でした。なお、700万円を超えているのは全国で見ても島根県のみです。

一方で600万円を下回ったのは、広島県、千葉県、佐賀県、東京都、福岡県となっています。こちらでも、東京都はほかと比較して低い水準となりました。

調剤薬局の仕事と魅力

調剤薬局で働く薬剤師の仕事と魅力

調剤薬局薬剤師の仕事は、主に調剤業務と服薬指導、薬歴管理があげられます。昨今は、在宅療養を希望する患者さまも増加傾向にあり、これに対応する在宅業務を担うこともあるでしょう。

さらに、管理薬剤師になると、これらに加えて従業員の監督や医薬品の管理も業務に含まれます。全国平均で見ると勤務薬剤師に比べて年収は高くなりますが、そのぶん責任ある仕事を任されるようになります

調剤薬局薬剤師の年収アップの方法

調剤薬局薬剤師の年収アップの方法

ここでは、調剤薬局薬剤師として年収アップを目指すための方法を3つご紹介します。

管理薬剤師を目指す

先ほど取り上げたデータからもわかるように、勤務薬剤師と比べて管理薬剤師は年収が高くなります。そのため、調剤薬局で働くのであれば、管理薬剤師を目指すことが年収アップする方法のひとつです。管理薬剤師になるためには、薬局で5年以上の実務経験を積み、認定を受ける必要があります。

転職する

地方など、平均年収の高い地域で転職する選択肢もあります。しかし、現在の居住地から通勤圏内の近隣県などへの転職でも年収を上げられる可能性はあるため、必ずしも転居が必要になるとは限りません。

資格を取得する

認定薬剤師や専門薬剤師など、資格を取得するのもおすすめです。資格が転職時に評価されれば、年収アップが期待できます。また、現在の職場でも手当などがつくことで、年収が上がる可能性もあるでしょう。

調剤薬局での年収アップは「地方への転職」と「スキルアップ」が有効

最近では薬剤師の地域偏在の問題が深刻化していることから、同じ調剤薬局でも地域差が大きく、都市部より地方のほうが平均年収の高いエリアが多い傾向にあるようです。調剤薬局薬剤師として年収アップをするには、給与の比較的高い地域に転職する方法や経験・スキルを磨くことも重要だとわかりました。

年収アップは働くうえで大切な判断条件の一つですが、それだけにとらわれてはいけません。調剤薬局薬剤師として今後どのような働き方を実現したいのかどのようなキャリアを築きたいのかを含めて、改めて自身の今後の働き方を考えるきっかけにしてください。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2022/11/21

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