- 公開日:2019.12.02
薬剤師のホンネ
「薬剤師の働き方」についてのインタビュー企画。ご自身の悩みを解決するヒントが得られるかも!?様々なキャリアを持つ薬剤師さんの「ホンネ」をお届けします!
<薬剤師インタビュー>管理薬剤師のDさんが考える、「管理薬剤師として働く魅力」とは?
- 【Dさんプロフィール】
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- 女性
- 管理薬剤師
- 正社員
- 大学病院の門前薬局勤務
- 新卒後、一貫して同じ薬局チェーンに勤務
- 患者さまに近いところで働きたいと考え、調剤薬局へ
- 管理薬剤師として、メンバーや先生方との関係性構築に尽力
- 大学病院と連携し、迅速な情報共有を実施
- 患者さまに喜ばれることが、何よりのモチベーション
- 今後は外来がん治療認定薬剤師の資格を取りたい
- これから管理薬剤師になる方へのアドバイス
患者さまに近いところで働きたいと考え、調剤薬局へ
Dさんのこれまでの経歴を教えてください。
はじめは病院薬剤師を考えて就職活動をスタートしました。しかし、次第に調剤薬局に興味を持つようになり、「患者さまにより近いところで働きたい」と考えた結果、現在の薬局チェーンに入社することを決めたんです。以後、1年ごとに薬局を異動し、4店舗目で管理薬剤師になり、現在は5店舗目で働いています。これまで大きい門前薬局から一人薬剤師の店舗まで、幅広く経験してきました。
管理薬剤師になったきっかけは何でしょうか?
4店舗目は、新規開店の薬局でした。地域の皆さまや近くの診療所との関係性を一から作り上げることができると当時のエリアマネジャーから聞いて、面白そうだなと思ったのが管理薬剤師を志望したきっかけです。もちろん最初は不安がありましたが、異動先のライン長がマンツーマンで教えてくれたので、すぐに業務に慣れることができました。
管理薬剤師として、メンバーや先生方との関係性構築に尽力
4店舗目で管理薬剤師になって、取り組んだことを教えてください。
薬局で働くメンバーのチームワークを高めることですね。メンバー全員が仲良くできる雰囲気を目指しました。私自身も話しかけやすい感じを出そうと努めています。また、その薬局は階上に様々な診療所があったので、私自ら幹事となり先生方との飲み会を開催したことも。結果として、病院の先生方と関係性を築けて、処方箋などで疑問に思ったことはすぐに先生に聞けるような状況を作り上げました。先生方から私たちの知識不足についてご指摘いただいたり、私たちからは処方薬の飲み合わせや患者さまの食の嗜好などについて先生方に共有したり出来るようになったのは嬉しかったです。
例えば「納豆が好きな方なので、このお薬ではないほうが良いと思います」のようなアドバイスをしました。関係性が良好なものになるにつれて、言いやすくなると思います。関係性を築けていないと、スムーズな疑義照会が難しいこともあるので...。
現在の薬局は何人体制で回しているのですか?
現在は5人体制で、パート1人・正社員4人となっています。全員が揃うことはないので、連絡ノートを用意することで、その日にあったことや申し送り事項などを記載して共有しています。
メンバーの年齢層は近いのでしょうか?
新卒が2人、2年目が1人、パートさんが1人と私の計5人です。パートさんも調剤歴6年なので、比較的若めの薬局と言えるのではないかと思います。だからこそ、経験が浅いメンバーから仕事について知りたいときに、気軽に話しかけてもらえるような雰囲気づくりを大切にしています。
大学病院と連携し、迅速な情報共有を実施
大学病院側とはどのようなやりとりをされているのですか?
大学病院内にも薬剤部があり、薬剤部と連携しながら情報共有しています。特に抗がん剤については、体表面積や腎機能の値などを記入したトレーシングレポートにて、薬剤部とやり取りするようにしています。
また、大学病院の薬剤部にて開催される、新薬の勉強会に参加させていただいています。医薬品メーカーさんも勉強会を開いてくださるので、そちらにも参加しています。
患者さまに喜ばれることが、何よりのモチベーション
仕事をしていて良かったエピソードについて教えてください。
当薬局では、抗がん剤を使っている患者さまには、電話で連絡してフォローするようにしています。以前、不安に思っていても病院に電話できずに悩んでいるという患者さまがいたのですが、たまたま電話でご連絡をいただき、お話を伺えたのです。後日、「本当に助かりました」と感謝された経験から、電話でのフォローを心がけています。このように、患者さまからも気軽に相談してもらえるような環境を少しずつ作っていきたいと思っています。
この前も、「子どもが熱を出したのですが、この間もらった薬を服用して大丈夫でしょうか?」という問い合わせが来ました。薬歴を取り寄せて、お子さまの体重に対して問題ないお薬であることを連絡し、感謝の言葉をいただけたこともありましたね。子どもが薬を飲んでくれないという相談に対しては、「チョコアイスでくるんだりぶどうジュースに入れたりして飲むと良いですよ」とアドバイスして同じように喜ばれました。私にとって、患者さまに喜ばれることが何よりのモチベーションです。
今後は外来がん治療認定薬剤師の資格を取りたい
プライベートはどのように過ごされていますか?
まとめてお休みを取って旅行などに行っています。あとは資格の勉強などをしていますね。私は現在、『外来がん治療認定薬剤師』の資格を目指しています。働き方改革が進み、残業が減ってきているので、勉強に充てる時間を確保できています。
現在はどのような資格を持っているのですか?
『認定薬剤師』と『東京糖尿病療養指導士』の資格を持っています。より患者さまのお役に立てるように、資格は取っておいたほうが良いと思いますね。
これから管理薬剤師になる方へのアドバイス
読者の中には、これから管理薬剤師になられる方もいらっしゃると思います。どのような方が管理薬剤師に向いていると思われますか?
薬剤師の中には、人間関係に難しさを感じる方も多いと思います。管理薬剤師になると、より人間関係で悩んだりすることになるでしょう。そのため、「人間関係をうまく築いていける人」が向いているように思います。
加えて、仕事にきめ細かく取り組む人が良いと思います。仕事に手を抜かない一方で、いい意味で適当さもある。そのようなバランス感覚も必要ではないかと感じています。
管理薬剤師になられる方へのアドバイスをお願いします。
最初は管理薬剤師だからこそやらなければならないことがたくさんあり、辛いこともあるでしょう。その代わり、大きな裁量権を持てるので、自分自身で薬局の戦略を考えられるなど、薬局を作り上げていけるという喜びも味わえます。管理薬剤師として働くことは、楽しさもたくさんあるということを知って欲しいですね。
ファルマラボ編集部
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