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  • 公開日:2024.07.26

薬剤師がスキルアップするには?勉強法や専門資格の取得などについて解説

薬剤師がスキルアップするには?勉強法や専門資格の取得などについて解説

薬剤師として活躍するためには、日々の学習と実践を通じて、専門知識とスキルの習得が必要不可欠です。そこで、本記事では以下の内容を解説します。

  • 現場で役立つ薬の知識の学び方
  • 専門性の高い薬の知識の習得方法
  • 専門性を維持し続けるための勉強法
  • スキルアップするための方策
  • 単に日々の業務だけをこなすのではなく、薬剤師として自己成長するために、ぜひ最後まで読んでみてください。

    現場で役立つ薬の知識の学び方

    薬に関する知識の基本的な学び方は、主に以下の3つが挙げられます。

  • ケーススタディの活用
  • 最新の医療情報の取得
  • 学会や勉強会への参加
  • それぞれ解説します。

    ケーススタディを活用する

    薬剤師が直面する具体的な症例・ケーススタディを用いて、治療法や薬剤の選択理由などを紐解きながら理解を深めましょう。たとえば、高血圧患者の事例を通じて、降圧薬の選択や副作用、患者指導のポイントなどが学べます。また、糖尿病患者の事例では、経口血糖降下薬の特徴や使い分け、インスリン療法の導入タイミングなどの理解ができます。

    最新の医薬品情報やニュースを取得できるようにする

    医療情報について、常にアンテナを張っておけば、現場で活用できる知識を身につけやすくなります。医療専門サイトや「PMDA」など公的機関のWebサイトを定期的にチェックすると良いでしょう。また、医療情報アプリや医療業界に関するニュースサイトを活用するのもおすすめです。新薬の承認情報や治療ガイドラインの改訂など、臨床に直結する情報を効率よく入手できます。

    知識を深めたい分野の学会や勉強会に参加する

    学会や勉強会への参加により、ピンポイントで深い知識の習得ができます。たとえば、日本医療薬学会日本薬学会などに参加すれば、最新の研究成果や臨床現場での実践例がわかり、専門性の高い知識を得られます。また、漢方薬や精神科領域など、特定の分野に特化した学会や研究会もあるため、自分の関心に合わせて参加するのがおすすめです。

    専門性の高い知識やスキルを身につけるには?

    専門性が高い薬剤師として、現場で活躍できるようになるために。意識すべき行動や学習とは?

    薬剤師として現場で活躍するためには、より専門性の高い知識やスキルが必要です。具体的なポイントは以下の3つです。

  • 需要に応じた学習内容の選択
  • エビデンスに基づく知識の習得
  • 病態生理に基づく薬剤選択を理解する
  • それぞれ詳しく見ていきましょう。

    需要に応じて学習内容を選ぶ

    社会的需要の変化を踏まえ、関連する分野を中心に学習を進めましょう。とくに、昨今は高齢化が進み、認知症治療薬や緩和ケア関連の薬など特定領域の薬に注目が集まっています。また、調剤報酬改定の影響で、在宅医療での薬剤師の活躍が推進されており、がん治療に用いられる抗がん剤などの知識の重要性も増しています。このように社会のニーズに合わせて知識の習得をすれば、薬剤師としての市場価値向上につながるでしょう。

    エビデンスに基づいた薬学的な知識を習得する

    臨床へ適用するためにも、医薬品の効果や安全性に関する最新データを常に追いましょう。とくに、新薬の登場や治療ガイドラインの更新は速いペースで行われる場合があるため、定期的な学習と情報のアップデートは必要不可欠です。また「PubMed」などの医学・薬学系のデータベースを活用し、関心分野のキーワードで文献検索を行えば、エビデンスレベルの高い情報を効率的に収集できます。

    病態生理に基づく薬剤選択を理解する

    正しい薬が処方されているかを判断するため、各疾患の病態生理を理解しましょう。例えばがん治療においては、がんの種類や進行度、患者の全身状態などを考慮した上で、最適な抗がん剤の選択と治療が必要です。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症など生活習慣病の治療においては、病態に応じた薬の使い分けが非常に重要です。このような専門的な知識は、各種学会・勉強会や専門書での自己学習を通じて習得できます。

    薬剤師としての専門性を維持し続けるための勉強法とは?

    専門性を維持し続けるためにはオススメしたい勉強方法は3つあります。

  • 最新の薬学書籍や専門書を定期的に読む
  • 新人薬剤師の育成への従事
  • ピアレビューされた論文のチェック
  • 1つずつ解説します。

    最新の薬学書籍や専門書を定期的に読む

    医薬品の開発や治療法の進歩は目覚ましいため、定期的に薬学関連の書籍や専門書を読み、最新情報を取り入れましょう。たとえば学術誌は、最新の研究成果や臨床報告が掲載されており、専門性の高い情報が得られます。

    新人薬剤師の育成に従事する

    新人薬剤師の育成に従事することで、知識を振り返ったり情報をアップデートしたりする良い機会ができます。新人薬剤師から質問を受ければ、基本的な知識を再確認できたり、最新の情報を改めて学習する機会になります。新人育成の過程で知識をアウトプットするたびに、自分自身の知識も、より強固なものになるでしょう。

    ピアレビューされた論文を追う

    専門家による厳格な審査を経てピアレビューされた学術論文を追いましょう。「PubMed」などのデータベースを活用し、関心のあるテーマについて定期的に文献検索をするのがオススメです。ピアレビューを通過した論文は、研究の質が担保されており、信頼性の高い情報が載っています。これらの論文を読めば、最新の研究動向がわかり、臨床現場への応用が可能です。

    薬剤師としてスキルアップするための選択肢

    薬剤師として学習を続けてスキルアップするための選択肢

    薬剤師としてスキルアップするための選択肢はいくつかありますが、ここでは2つ紹介します。

    専門資格を取得する

    専門資格を取得することで、薬剤師としてレベルアップが目指せます。たとえば「がん専門薬剤師」は、がん治療に関する最新の知識や、抗がん剤の適正使用など、幅広い分野の知識を習得できます。また「感染制御専門薬剤師」は、感染症の診断・治療や院内感染対策など、感染管理に関する高度な知識が習得できます。

    このように各分野の専門資格を取得すれば、該当領域のキーパーソンとしての役割を担えるでしょう。 専門薬剤師だけではなく、認定薬剤師の種類も豊富なため、より詳しく知りたい方は以下の記事も参照してみてください。

    異なる業種に転職する

    調剤薬局、病院、ドラッグストア、製薬企業など、業種によって求められる知識やスキルは異なります。

    たとえば調剤薬局では、服薬指導や薬歴管理、OTC医薬品の適正使用の働きかけなど、薬剤師の業務は多岐にわたります。地域住民の健康管理や在宅医療への参画も求められることのひとつです。

    病院では、入院患者さまの薬物療法全般に関与するため、適切な薬剤の選択、用法・用量の設定、副作用のモニタリングなどが求められます。チーム医療の一員として、医師や看護師など異なる専門職種と連携を取る必要があるためコミュニケーション能力も求められます。

    異業種転職することで、現職では経験することが難しい業務にもチャレンジでき、学べる知識や習得できるスキルの幅も広がります

    「別の環境(業種)でチャレンジしてみたい」「キャリアアップ成功例を聞いてみたい」などあれば、お気軽にご相談ください。 薬剤師転職のノウハウを持つコンサルタントが、お一人おひとりのお悩み・ご希望をじっくり伺い、解決策をご提案します。

    薬剤師としての市場価値を高めよう

    医療の進歩と社会の変化に対応するためには、継続的に学び続ける姿勢が必要です。日々の業務の中で学びの機会を見出し、薬剤師としてスキルアップして専門性を高めていきましょう。

    ファルマラボ編集部

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    記事掲載日: 2024/07/26

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