ホクナリンテープ
Q |
何のお薬?処方目的は? |
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A |
気管支平滑筋のβ2受容体に作用することで気管支拡張作用を示します。気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫の、気道閉塞性障害に基づく呼吸困難等諸症状の緩解に用いられます。
小児にも使用可能であり、添付文書上は下記の通り年齢毎に用量が設定されていますが、低体重児では過量となり全身性副作用発現の可能性も否定できません。このため、3歳以上で体重15kg未満の小児や、9歳以上で体重30kg未満の小児では、製品規格を1つ下げる・テープを半分に分割する(適応外)等、減量する場合もあるようです。
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Q |
貼付製剤のメリットは? |
A |
呼吸機能は、1日のうち深夜から早朝にかけて低下することが認められています。特に気管支喘息ではモーニングディップという早朝の呼吸機能の低下をきたし、このことで生じる早朝発作は患者さまや介護者の大きな負担となります。 貼付製剤は薬剤放出の制御が可能です。本剤のTmaxは約12時間(錠剤では約3時間)で、就寝前の貼付でモーニングディップ発現時間帯に合うように設計されているため、有効性をより高めることが可能です。 また、過度の血中濃度の上昇が抑制されるため、心臓のβ2受容体刺激による動悸、頻脈、不整脈や手指振戦等の全身性副作用が軽減されます。安全性の面で高齢者や小児にも使用しやすい製剤です。 |
Q |
副作用は? |
A |
添付文書には成人で振戦や心悸亢進の報告がありますが、小児の記載はありません。これは年齢が小さいと手足をばたつかせることがあり、成人と比べて判断が難しいためと考えられます。頻度は少ないものの、小児でも動悸出現(特に投与初期)の報告があるため、使用開始時期は注意深く観察するよう保護者に伝える必要があります。 小児・成人共通の副作用は、適用部位掻痒感、接触性皮膚炎等の皮膚症状があります。かぶれにより角層バリア機能が低下すると、薬物吸収量が増加し、薬効増強や全身性副作用の発現につながる恐れもあります。貼付部位を毎日変える他、剥がした後はきれいに拭き取る、保湿剤を塗る等、スキンケアを心がけるよう指導しましょう。 |
Q |
剥がれた時の対応は? |
A |
一度剥がれると粘着層に皮脂等が付着し薬物の吸収が低下するため、再貼付する場合は新しいものを使用します。小児が嫌がって剥がしてしまう場合は、手が届きにくい背中に貼付します。 なお、本剤貼付12時間後の皮膚移行量は、24時間貼付時の約85%に相当します。就寝前に貼付した場合、起床時に剥がれても貼付後12時間経過していれば有効性に大きな影響はなく再貼付は不要です。しかし、患者さまの状態に合わせて再貼付する場合もあるため、医師の指示を確認しましょう。 |
掲載日: 2019/06/13
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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