イメンドカプセル
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
適応は「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)」です。 原則としてコルチコステロイド及び5-HT3受容体拮抗型制吐剤と併用します。 抗悪性腫瘍剤投与1日目は125mgを、2日目以降は80mgを1日1回経口投与します。服用期間は3日間が目安です。成人及び12歳以上の小児に使用可能ですが、成人では5日間を超えて、12歳以上の小児では3日間を超えて投与した際の有効性及び安全性は確立していません。 |
Q |
抗癌剤投与時の悪心・嘔吐について |
A |
延髄の最後野に存在する化学受容体引金帯(CTZ)を介する経路と、上部消化管に存在する5-HT3受容体を介する経路が広く知られていますが、延髄外側網様体の孤束核でサブスタンスPの分泌が亢進し、嘔吐中枢のニューロキニン1(NK1)受容体に結合することでも嘔吐が誘発されます。 本剤は選択的NK1受容体拮抗作用を有します。対象となる抗癌剤やレジメンの明確な規定はなく、シスプラチン以外の高度催吐性の抗癌剤に伴う悪心・嘔吐に対しても使用可能です。 また発現時期の違いより、治療開始から24時間以内に起こる「急性期」、24時間以降に起こり1週間程度持続する「遅発期」、過去の治療時に症状をコントロールできなかった患者さまで抗癌剤投与前に出現する「予測性」の3つに分類されます。 既存薬の効果が不十分とされる遅発期ではセロトニンの他にサブスタンスPの関与も示唆されており、本剤は遅発期の悪心・嘔吐に対しても有効性を示すと考えられます。 |
Q |
副作用は? |
A |
重大な副作用としてStevens-Johnson症候群の報告があります。その他、しゃっくり、ALT値上昇、便秘、食欲不振等が報告されています。 |
Q |
相互作用は? |
A |
本剤はCYP3A4の基質であると同時に用量依存的にCYP3A4阻害作用及び誘導作用を有し、CYP2C9の誘導作用も示します。CYP3A4の基質であるステロイドのデキサメタゾン(デカドロン)は本剤併用によりAUCが約2倍に上昇します。 デキサメタゾンを制吐目的で用いる場合は、患者さまの状態に応じて減量することが望ましいです(制吐薬適正使用ガイドライン2015年10月【第2版】によると半量程度が目安)。 |
Q |
服用タイミングについて |
A |
初回は抗悪性腫瘍剤の投与1~1.5時間前に投与します。125mgカプセルの服用タイミングを患者さまが理解しているか確認しましょう。これから服用して点滴を受けるケース、次回病院に持参し点滴を受けるケース等状況は様々です。125mgカプセルのみ化学療法施行前に院内処方され、80mgカプセル2日分は院外処方となるケースもあります。 また、2日目、3日目は通常午前中に投与します。ただ化学療法の時間帯に合わせて初回投与が午後だった場合、2日目以降も午後に服用するケースもあるため、医師の指示を確認しましょう。 |
掲載日: 2019/04/15
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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