服薬指導に活かす医薬品情報

ウゴービ皮下注0.25/0.5/1.0/1.7/2.4mg SD

ここがポイント!

  • 肥満症の保険適応を持つGLP-1受容体作動薬(糖尿病の適応は無し)
  • 胃腸障害の副作用に注意
  • ウゴービ投与中も食事療法、運動療法は継続すること
  • Q

    【何のお薬?処方目的は?】

    A

    一般名はセマグルチドで、「肥満症」の保険適応を有する唯一のGLP-1受容体作動薬です。空腹感を軽減したり満腹感を感じやすくしたりすることで、食事量を抑えて体重減少を促します。


    ただし高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず以下に該当する場合のみ使用ができます。


  • BMIが27kg/㎡以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する

  • BMIが35kg/㎡以上

  • 同じ成分のオゼンピック、リベルサスと異なり2型糖尿病に対する適応はありません。


    注射 内服
    一般名 セマグルチド
    商品名 ウゴービ オゼンピック リベルサス
    効能効果 肥満症 2型糖尿病
    用法 週1回 1日1回
    最大投与量 2.4mg 1.0mg 14mg
    ◆肥満に関連する健康障害とは??
    ①耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常)
    ②脂質異常症
    ③高血圧
    ④高尿酸血症・痛風
    ⑤冠動脈疾患
    ⑥脳梗塞・一過性脳虚血発作
    ⑦非アルコール性脂肪性肝疾患
    ⑧月経異常・女性不妊
    ⑨閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低喚起症候群
    ⑩運動器疾患(変形性関節症:膝、股関節、手指関節、変形性脊椎症)
    ⑪肥満関連腎臓病

    Q

    【用法・用量は?】

    A

    通常、成人にはセマグルチドとして0.25mgから投与を開始し、週1回皮下注射します。その後は4週間の間隔で週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg及び2.4mgの順に増量し以降は2.4mgを週1回皮下注射します。
    なお、患者の状態に応じて適宜減量できます。


    投与を忘れた際は、次回投与まで2日(48時間)以上であれば、気づいた時点で投与できます。


    また、投与する曜日を変更する必要がある場合は前回投与から少なくとも3日(72時間)以上間隔をあける必要があります。

    Q

    【主な副作用は?】

    A

    悪心、下痢、嘔吐、便秘、消化不良等の胃腸障害(5%以上)があります。この場合、減量または漸増の延期を検討します。


    また、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等がある場合は、急性膵炎(0.1%)の可能性もあります。急性膵炎の疑いがある場合は投与を中止しただちに受診勧告します。


    膵炎と診断された場合ウゴービの再投与は行いません。その他、低血糖、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸なども副作用として挙げられます。

    Q

    【その他の肥満症薬は?】

    A

    マジンドール(サノレックス錠)や漢方薬(大柴胡湯・防己黄耆湯・防風通聖散)があります。


    ○悪心/嘔吐
    3~7日程度で耐性が生じる。
    制吐剤(メトクロプラミドやドンペリドンなど)を併用し、1~2週間程度で中止できることが多い。


    ○傾眠/眠気
    投与初期・増量時に出現しやすいが、数日で治まることが多い。ただし、自動車の運転など危険を伴う機械の操作は避ける。


    ○便秘
    耐性は生じないため、症状に応じて緩下剤を併用する。

    (2024年6月19日時点)

    掲載日: 2025/04/10
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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