クラリスロマイシンと併用禁忌の薬はどれでしょうか?

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クラリスロマイシンと併用禁忌の薬はどれでしょうか?

    添付文書によると、本剤は主にCYP3Aにより代謝される薬です。

    クラリスロマイシン等のCYP3Aを強く阻害する薬と併用すると、副作用が強く現れる恐れがあるため、併用禁忌となっています。また、CYP3Aを中程度阻害する薬(ジルチアゼム塩酸塩、ベラパミル塩酸塩など)と併用する場合、本剤を25mgに減量する必要があります。

    クービビックは、オレキシン受容体拮抗薬として3番目に発売された薬です。25mgと50mgの2規格があり、通常は50mgを就寝前に服用します。

    同効薬のベルソムラ(スボレキサント)もクラリスロマイシンとは併用禁忌です。なお、デエビゴの場合は併用禁忌ではなく、併用注意(2.5mgに減量)となっているので注意が必要です。

    クラリスロマイシンには多くの併用禁忌があります。特に注意すべき薬剤として以下が挙げられます。

  • ベルソムラ
  • クービビック
  • コララン(イバブラジン塩酸塩)
  • ラツーダ(ルラシドン塩酸塩)
  • ケレンディア(フィネレノン)
  • 併用薬に初見の薬剤があった場合は、必ず添付文書を確認してから患者さまに説明しましょう。参考として、トリアゾラムもCYP3Aにより代謝される薬剤なので、クラリスロマイシンなどのCYP3Aを強く阻害する薬剤と併用する際は注意が必要です。

    添付文書では、「併用注意」としか記載されていませんが、副作用が強く現れる可能性もあるので、慎重に服薬指導を行いましょう。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    クラリスロマイシンは、マイコプラズマ肺炎をはじめとする多くの疾患に使用される、処方頻度の高い抗菌薬の一つです。

    患者さまに「処方された」場合や、「併用薬として見つけた」場合は、CYP3Aにより代謝される薬剤が影響を受ける可能性があります。必要に応じて疑義照会を行いましょう。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2025/01/30
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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