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  • 公開日:2016.08.03

薬剤師の年収はコミュニケーション能力に比例する?

近年の薬剤師には、コミュニケーション能力が求められているといわれます。いったい何故なのか、またコミュニケーション能力と年収の関係について見てみましょう。

薬剤師に求められるのは調剤だけではなくなってきている

薬剤師が患者さまや医師、看護師などとの間でコミュニケーション能力を発揮すれば、患者さまにとって本当に必要なお薬をお渡しでき、信頼も高まります。

また、働く薬剤師の間でコミュニケーション能力を発揮し、職場を明るくすることで、店舗の雰囲気や業務効率が改善し、患者さまにとって訪れやすい、相談しやすい薬局づくりにつながります。

こうしたことを受けて薬局が患者さまからの信頼感を高め、繰り返しご利用くださる方が増えていくと、薬局としての収益が増加し、勤務している薬剤師の年収アップにもつながります。

現代の薬剤師の年収は、コミュニケーション能力に左右される部分もあるということができるでしょう。

今、コミュニケーション能力が求められる理由

「コミュニケーション」という言葉はよく聞きますが、その意味は「互いに意思や感情、考えを伝え合うこと」とされ、その根底には意思の疎通や心の通じ合いという意味も込められています。

これは単に言葉による会話のみならず、相手の表情や声のトーン、話し方などから、相手の感情をくみ取ることも含まれています。

では今、何故薬剤師にこのコミュニケーション能力が求められているのでしょうか。

患者さまが処方せんをもって薬局を訪れ、薬剤師は調剤してお薬をお渡ししますが、このとき重要になるのが、服薬指導です。 薬局では、患者さまのアレルギー歴や副作用歴、過去の病歴などを薬歴として蓄積していきますが、ここに記載される内容はすべて患者さまに安全にお薬を服用していただくための大切な情報になります。 近年では、初めての患者さまが訪れた場合、情報収集のため問診表を書いていただくことが一般的ですが、それ以上に患者さまの口から様々に発せられる言葉の中に、重要な情報が含まれている場合もあります。

そうした情報を取りこぼすことなく把握するために、患者さまの表情をはじめとした言外の様子なども確認しながら丹念にお話をお伺いすることが、今の薬剤師には求められているのです。

そうして得られた情報は、その後新たに処方されるお薬について、患者さまへの適合性や安全性、お薬の飲み合わせ等を考慮するための重要な記録として薬歴に残され、蓄積されていきます。

患者さまの病気や薬に関する歴史の情報を蓄積し、患者さまのことを理解している薬局、薬剤師の存在が現代では求められてきているといえるでしょう。

コミュニケーション能力をアップさせるには

コミュニケーションの目的は、単に情報を得るためだけではありません。

どんな職種においても、まずは人間関係を築くことが必要であり、「この人なら信頼してお任せできる」と思ってもらうことができれば、多くのお話をしてくださることでしょう。

では、どのようにすればコミュニケーション能力はアップするのでしょうか。

一般的に、「会話上手は聞き上手」と言われます。 相手の話し方のテンポに合わせて話し、相槌を打つ、また時に相手の話をさらに引き出すように質問をしていると、「自分のことを受け入れてもらえている」と相手に思ってもらえます。

コミュニケーション能力をアップさせるポイントは、相手の話を「聴く」、そして相手の方を理解しようとする姿勢であるといえるでしょう。

また、相手の方とこのように会話をするためには、相手の方が話したがっているのかどうかを、顔色などからうかがうことも重要です。 全ての人が、自身の情報をいきなりさらけ出すこともないでしょうから、時には他愛のない世間話から始める必要もあるでしょう。

その時に、相手に同調して話を合わせ、相手が話をしやすい環境をつくることも、コミュニケーション能力と言えるでしょう。

薬剤師の年収とコミュニケーション能力

昔の薬剤師の業務と言えば、医師の処方せんに沿って調剤をし、患者さまにお渡しすることだけが主でした。

しかし、医薬分業が進む現在、調剤薬局やドラッグストアが増え、薬剤師の仕事はサービス業としての性格も必要になってきました。 また、国がすすめる「かかりつけ薬剤師、かかりつけ薬局」の推進に伴って、ご愛顧くださる患者さまをより多く獲得しようとする競争が発生しているともいえるでしょう。

そのために必要となるのがコミュニケーション能力であり、どの薬局もドラッグストアも、コミュニケーション能力の高い薬剤師を採用したいと考えています。

対患者さま、対スタッフでコミュニケーション能力を発揮でき、人間関係を築くことのできる能力を持っていれば、転職の際は年収の上乗せが期待できますし、現勤務先での年収アップも可能になる場合があります。

まとめ〜薬剤師の年収はコミュニケーション能力に比例する?

1.薬剤師に求められるのは調剤だけではなくなってきている
現代の薬剤師にとって、コミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。 患者さまのことを会話などを通して細かに知っていることで、安全にお薬をお渡しでき、薬による副作用などの事故を減らすことが可能になります。
2.今、コミュニケーション能力が求められる理由
医薬分業に伴い、医師や病院のかかりつけと同様、薬局や薬剤師にも「かかりつけ」の存在が求められています。 そうなるためには、患者さまの発する言葉から情報をくみ取る、適切なコミュニケーション能力が必要になってきます。
3.コミュニケーション能力をアップさせるには
コミュニケーションとは、相手のことを知ろうとするための行動と言えます。 単に会話するのではなく、相手のお話を聞き、関心をもって質問をすることで、「あなたのことを知りたいんです」という気持ちを暗に伝えることが、コミュニケーションと言えます。
4.薬剤師の年収とコミュニケーション能力
近年では、どの薬局でもコミュニケーション能力の高い薬剤師を求めています。 そのために、高いコミュニケーション能力をもつ薬剤師には、高めの年収が設定される傾向にあるようです。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/08/03

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