- 公開日:2016.10.13
薬剤師が同じ職場に長く勤めることのメリット
次の転職先では長く働きたいとお考えの薬剤師も多いですが、同じ職場で働くメリットを紹介します。薬剤師の転職事情をよく理解し、長く勤めるかを決めましょう。
■年数に応じて年収アップが見込まれます
同じ職場に長く勤めると、勤続年数が積み重なって年収のベースアップが見込まれます。ベースアップの考え方は未だに根強く、同じ職場に長く勤めるほど高年収が見込まれる傾向があります。経験を積んだ薬剤師だと役職を任されることもあり、ステップアップに適した環境になると考えてください。
また、同じ職場に長く勤めることで深い人間関係も築きやすく、仕事がスムーズに進むメリットがあります。反面で、自分の関心分野が変わってきたときに対応しにくいリスクはあります。同じ職場で理想の経験を積むことができないとなれば、転職も視野に入れて、自分の夢を実現できる働き方を考えましょう。
■収入見込みから生活基盤が安定します
同じ職場に長く勤める先輩社員を見ていると、自分があと何年働くとどの程度の年収が見込まれるか大まかな予測がついてきます。収入見込みがはっきりするとライフプランにあわせた収支計画が建てやすく、家計が安定するメリットがあります。
反面で自分の収入の限界も見えてくるので、貪欲に年収アップをねらう薬剤師にとっては長く勤めるメリットが薄いと感じることもあるでしょう。知識や経験が豊富で、転職市場で高く評価される薬剤師ならなおさらです。
同じ職場で5年後や10年後を迎えた場合にどの程度の所得やポジションが見込まれて、そこで満足できるか考えると転職を検討するべきかわかってきます。そもそも自分の市場価値がわからないという方は、転職コンサルタントに相談して診断を受けましょう。業界事情を理解したコンサルタントから見て年収が低すぎるようなら、より好待遇が期待される転職先を検討します。
■特定分野について深い知見が育ちます
同じ職場で働き続けると業務知識が蓄積されて、特定分野に関する高度スキルが身に付きます。事務作業にしても薬剤師としての調剤業務についても、経験がものを言う世界で誰にでもできることではありません。ミスなくスピーディーに処理できる優秀な人材はどの会社もほしがるもので、特定分野に関するプロフェッショナルを目指す人にはおすすめです。
反面で、業務のマンネリ化によってモチベーションが下がっていくリスクがあり、向上心が徐々に薄れてしまいます。同じ環境で淡々と作業をこなすことだけが自分の仕事と考えるようになると、新しい知識を習得したり、薬学知識を勉強したりする意欲がなくなり、いざ転職を考えたときに不安です。
不安な気持ちが勝って現状維持の決断にいたると、退職まで同じ作業の繰り返しにおちいります。ある分野の深い知識を身につける姿勢は重要ですが、常に周辺分野の情報に触れて、薬剤師としての自分を高める意識を持ちましょう。
■長く勤める前提で転職しましょう
長く勤めることについてのメリット・デメリットを見てきましたが、一定年数以上はひとつの職場にとどまるのが理想であって、転職先は長く勤める前提で探します。「自分に合わなかったらすぐに次」との態度を繰り返すと、闇雲に転職回数が増えていき、スキルアップが難しくなります。
一般的には転職回数に寛容な薬剤師業界ではありますが、短期間に何度も転職を繰り返す人材は信頼されにくく、スキルに見合った待遇を期待できないリスクがあります。担当業種・やりたい仕事などだけにとらわれず、社風や勤務条件まで考慮して選ぶと、長く勤めることができる会社も見つかります。
自分に合った会社に転職できたら、任された仕事を一生懸命こなすだけです。特定分野で評価をあげた人材は、他の分野でも成功しやすく、どんどんスキル習得にはげみます。長く勤める前提で転職し、自分の本当にやりたい分野でできる限り早く知見を積むことができるよう、意識的に行動しましょう。
■まとめ~同じ職場に長く勤めることのメリット
1.年数に応じて年収アップが見込まれます
勤続年数が長い薬剤師ほどお給料のベースアップが見込まれ、高年収になる傾向が見られます。収入面に限って言えば、同じ職場に長く勤めるメリットは大きく、勤務年数に見合っただけのお給料が期待できます。
2.収入見込みから生活基盤が安定します
職場の先輩社員を見ていると将来的な自分の所得見込みも立てやすく、家計がしっかり安定します。5年後、10年後といったスパンの収入見込みが分かるとライフイベントにも対応しやすく、計画的な収支になります。
3.特定分野について深い知見が育ちます
ひとつの仕事を続けるとスキルが蓄積されていくので、ある分野のプロフェッショナルを目指せます。現場で培った知識ほど貴重なものはなく、後のキャリア形成に貢献します。
4.長く勤める前提で転職しましょう
転職する場合は長く勤めること前提で会社選びを進める必要があり、自分に合わなかったらすぐ辞めるというスタンスは控えましょう。転職難民になるとなかなか抜け出すのは大変なので、自分の本当にやりたいことを考えながらキャリアプランを整えます。
ファルマラボ編集部
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