服薬指導に活かす医薬品情報

ストラテラカプセル

Q

何のお薬?治療の目的は?

A

適応症は「注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」です。治療の目的は職場や学校、家庭での悪循環が好転し、自信を持って自分の特徴と折り合えること、それによって充実した社会生活が送れるようになることです。


薬物療法は治療法の1つであり、ADHDの特徴を補うように、家族や職場との協力体制を築く環境調整・心理社会的支援を行うことも重要です。

Q

用法・用量は?

A

●1日2回投与(内用液又はカプセル剤)
1段階 2段階 3段階 維持量 最大量
0.5mg 0.8mg 1.2mg 1.2mg~1.8mg

1.8mg/kg又は120mg
(少ない方)

症状により適宜増減

<表1>18歳未満の患者(1日量/kg)


●1日1回又は2回投与

1段階 2段階 維持量 最大量
40mg 80mg 80mg~120mg

120mg

症状により適宜増減

<表2>18歳以上の患者(1日量)


体重の確認は必須です。18歳未満の用量早見表に、漸増期・維持期における朝夕のカプセルの組み合わせ例が体重1kgきざみで記載されています。増量は忍容性を確認しながら1週間(18歳以上:1日量80mg以降の増量は2週間)以上あけて行います。


1日2回投与で投与量に差が生じる場合、どちらの投与量を多くするかは症状等にあわせて決定します。効果が実感できるまでに数週間~数ヵ月要することもあります。

                

Q

使用上の注意点は?

A

6歳未満の有効性及び安全性は確立していません。CYP2D6阻害作用を有する薬剤を投与中の患者又は遺伝的にCYP2D6の活性が欠損している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすいおそれがあるため増量は慎重に行います。また、中等度、重度の肝機能障害(Child-Pugh Class B、C)を有する患者では開始用量、維持用量を通常の50%、25%に減量します。


本剤は血圧や心拍数を上昇させるおそれがあるため、心血管系への影響の確認を目的として投与開始前、投与期間中は血圧、心拍数を測定します。

           

Q

禁忌は?

A

禁忌は本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者、MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者、重篤な心血管障害のある患者、褐色細胞腫又はその既往歴のある患者、閉塞隅角緑内障の患者です。

Q

副作用は?

A

主な副作用に、頭痛、食欲減退、傾眠、腹痛、悪心等が報告されています。投与初期にあらわれることが多く、体が薬に慣れると軽減することがあります。また食後の服用により悪心等の頻度が低くなったというデータがあります(食事の影響:高脂肪食摂取によって空腹時に比べCmaxは37%減少し、Tmaxは約2時間遅延したが、AUCには差は認められなかった)。


重大な副作用は、肝機能障害、黄疸、肝不全、アナフィラキシーです。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2019/10/04
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