トラニラストの副作用として頻尿、残尿感、血尿、排尿痛といった膀胱炎様症状が報告されています。これらの症状は、細菌感染によって起こる急性膀胱炎と見分けがつきにくいため、患者が医師に併用薬を伝えていなければ、誤診になる恐れがあります。通常、トラニラストの服用を中止すれば症状は改善しますが、なかには重症化や慢性化するケースもあるので、トラニラスト服用中の患者が膀胱炎様症状を訴えているときは注意が必要です。急性膀胱炎は女性に多いので、女性にトラニラストが処方された場合はとくに注意が必要でしょう。 トラニラストは、主にケロイドの治療で処方されていますが、柴苓湯も適応外ですがケロイドの治療に処方されることがあり、トラニラストと同等の効果が期待できます。柴苓湯では、トラニラストに特有の膀胱炎様症状の心配はないため、膀胱炎に頻繁になっている女性には柴苓湯への処方変更を提案してもいいかもしれません。ただし、トラニラストに比べて柴苓湯は薬価が高いので自己負担金が増えるデメリットがあります。 処方監査・服薬指導のPOINTトラニラストを処方された患者には、残尿感や排尿痛などの膀胱炎様症状が稀にあることを指導する必要があります。これらの症状は、トラニラストの投与開始8週までに多く報告されているため、服用初期に情報提供をすることが非常に重要です。膀胱炎様症状が起こった場合、トラニラストの服用を中止して、医療機関を受診するようにお伝えすると良いでしょう。 |
Q |
まれに膀胱炎様の副作用を起こす恐れがある薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2024/08/16
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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