まれに膀胱炎のような副作用を起こす恐れがある薬はどれでしょうか?

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まれに膀胱炎のような副作用を起こす恐れがある薬はどれでしょうか?

    トラニラストの副作用として頻尿、残尿感、血尿、排尿痛といった膀胱炎のような症状が報告されています。これらの症状は、細菌感染によって起こる急性膀胱炎と見分けがつきにくいため、患者さまが医師に併用薬を伝えていなければ、誤診になる恐れがあります。通常、トラニラストの服用を中止すれば症状は改善しますが、なかには重症化や慢性化するケースもあるので、トラニラスト服用中の患者さまが膀胱炎のような症状を訴えているときは注意が必要です。急性膀胱炎はとくに女性に多いので、気をつけて対応しましょう。

    またトラニラストは、主にケロイドの治療で処方されています。柴苓湯も適応外ですがケロイドの治療に処方されることがあり、トラニラストと同等の効果が期待できます。柴苓湯では、トラニラスト特有の膀胱炎のような症状の心配はないため、よく膀胱炎になる女性には柴苓湯への処方変更を提案してもいいかもしれません。ただし、トラニラストに比べて柴苓湯は薬価が高いので自己負担金が増えるデメリットがあるのでしっかりお伝えしましょう。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    トラニラストを処方された患者さまには、残尿感や排尿痛などの膀胱炎のような症状が稀にあることをお伝えする必要があります。これらの症状は、トラニラストの投与開始8週までに多く報告されているため、服用初期に情報提供をすることが非常に重要です。膀胱炎のような症状が起きた場合、トラニラストの服用を中止して、医療機関を受診するようにお伝えすると良いでしょう。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2024/08/16
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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