マンジャロ皮下注と併用するとレセプト査定される恐れがある薬はどれでしょうか?

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マンジャロ皮下注と併用するとレセプト査定される恐れがある薬はどれでしょうか?

エクメット配合錠に含まれるエクア(DPP4阻害薬、以下DPP4)とマンジャロ皮下注(GLP1受容体作動薬、以下GLP1)を併用したときの臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていないため、併用するとレセプト査定される恐れがあります。DPP4とGLP1は、どちらもインクレチンを介した血糖降下薬であり、作用機序が重複しているため併用することは基本的にありません。DPP4が含まれる配合錠は数多く発売されているので、GLP1が処方されたときは見落としがないように注意してください。

DPP4+SGLT2の配合錠
・スージャヌ配合錠
・カナリア配合錠
・トラディアンス配合錠

DPP4+メトホルミン塩酸塩
・メトアナ配合錠
・イニシンク配合錠
・エクメット配合錠

DPP4+チアゾリジン
・リオベル配合錠

同じように糖尿病治療薬でレセプト査定される恐れがある併用として、SU+速効型インスリン分泌促進薬(グリニド)があります。どちらも膵臓のβ細胞に働いてインスリンの分泌を促進させる作用であり、作用機序が重複しているため併用することは基本的にありません。こちらにもSUが含まれる配合錠が発売されているので注意してください。

SU+チアゾリジン
・ソニアス配合錠

処方監査・服薬指導のPOINT

DPP4+GLP1またはSU+グリニドの併用で処方された場合、疑義照会をする必要があります。例として、エクメット配合錠を服用中の患者に、マンジャロ皮下注が処方された場合、エクメット配合錠からメトホルミン塩酸塩錠への変更を提案するといいでしょう。

濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
京都薬科大学卒、薬剤師。
調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
▼運営サイト
https://kusuri-shidousen.com
掲載日: 2024/08/09
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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