- 公開日:2021.10.05
- 更新日:2023-11-14
【薬学部向け】内定取得後は何をする?就活終了後の過ごし方を解説
この時期になると自身の進路もある程度決まり、内定の連絡をもらう方も多いのではないでしょうか。しかし、内定をもらった後も卒業研究や国家試験対策などで忙しい薬学部。他の学部と比較して違う点も多いため、スケジュールや内定後の過ごし方などを把握しておくことが大切です。 今回は、薬学部の就活において、内定後の流れや過ごし方について詳しく解説します。
薬学部の内定獲得までの流れと時期
6年生になると、就職活動の他にも卒業研究や国家試験の対策など、やらなくてはならないことがたくさんあります。学習時間を確保するためにも5年生のうちから少しずつ就活を進めていきましょう。ここでは、就活のエントリ―から内定まで、おおよその時期と流れについて解説していきます。
エントリー開始
5年生の3月になると各企業の説明会やエントリーが開始されます。実務実習や試験対策で忙しい時期ではありますが、自己分析や業界・企業研究など、就職活動も同時に進めておくことが大切です。人気のある企業は説明会の予約がすぐに埋まってしまい、エントリーができなくなってしまうことがあるので希望する企業の情報を常にチェックしておきましょう。 また、一般常識や基本的なビジネスマナーなどを身につけておくことも忘れずに。敬語や礼節に苦手意識を感じる方はとくに早めに取り組んでおきましょう。
面接開始
一般的に6年生の6月頃から面接が行われます。最初はどうしても緊張してしまいますが、回数を重ねていくと面接に慣れて、少しずつ自信が持てるようになるでしょう。
自分の本命だけにエントリーするのではなく、興味のある企業であれば受けてみるのがおすすめ。ある程度は絞りながらも、絞りすぎず就活を進めていくことが成功のポイントです。なかには、国試に合格してから就活をはじめても遅くないと考える方もいらっしゃいますが、合格した頃には志望先のエントリ―が終了している場合もあるので、就職先を早めに決めておいた方が安心できます。志望先が病院の場合、学力試験を実施するところもあるので、面接対策だけではなく学力試験対策も必ず行いましょう。
内定
企業から書面で採用通知が届くことを「内定」、「〇月〇日ごろ内定を出します」といったように口頭やメールでの連絡が来ることを内々定といいます。 志望する業態や企業によって、通知までの期間は異なります。採用側が内定を出す時期は、面接時に伝えられることが多いので、日程などは記録しておくとよいでしょう。
とくに病院は、ほかの業態と比較して面接や合否通知の時期が遅いことが多く、病院と薬局、病院と製薬会社など、併願する場合は注意が必要です。企業の採用担当者にいつまでに結論を出すかをきちんと伝えなくてはなりません。待ってもらえるかどうかは各企業により対応が違うので、採用担当者と連絡を取り合った上で進めるようにしましょう。
内定後にやるべきことは?
内定が決まり「これで就活から解放される!」と考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。しかし、まだまだ安心は禁物。採用通知が届いてからも、しなくてはいけないことがたくさんあります。
ここでは、内定後の流れや必要書類、入社までの過ごし方について解説していきましょう。
内定承諾
内定の通知があった企業や病院のなかから自分の就職先を決定し、「内定承諾書」に記入・捺印をして返送します。 「内定承諾書」は一般的に内定通知書に同封されている場合が多く、指定された期日までに返送しなくてはなりません。入社を決めている場合は速やかに返送し、まだ迷いがあって悩んでいる場合は、企業の採用担当者に相談し、期日の延長が可能かを確認しておくとよいでしょう。
また、内定通知書と一緒に提出する証明書の指示書が同封されている場合があります。いずれも案内の指示に従い準備を進めていきましょう。
交流会・懇親会
内定者とのコミュニケーションを図るため、交流会や懇親会を実施している企業も多いようです。交流会に参加すると、会社やそこで働く先輩方の雰囲気を感じることができ、将来同期になる人と繋がることもできます。内定を承諾していない場合でも参加できるケースが多いので、入社を迷っている方はぜひ参加して企業の雰囲気を肌で感じてみてください。
内定式
「内定式」とは企業が内定通知を渡すことを目的に開催する式典のことを指します。 一般的には10月1日に開催されることが多いのですが、会社によっては内定式を10月以前に行うなど、開催時期が異なる場合もあります。
内定式は、「会社を知ってもらう」という目的があり、式典終了後には懇親会を行う企業が多いようです。翌年入社する同期が揃う機会でもあるので、特別な事情がない限りは参加するようにしましょう。
内定者一人一人が自己紹介をする場合もあるので、急な場面でも慌てないように、あらかじめ簡単なスピーチを準備しておくとよいでしょう。
卒業試験・国家試験の勉強
内定式も終わり、一般の学生であれば一息つきたいところですが、薬学生にとっては卒業試験や国家試験という大きな壁が立ちはだかっています。就職してからのことも気がかりですが、まずは試験対策に取り組みましょう。就職先は決まっているのですから、あとは集中するだけ。3月には自信をもって採用先に報告できるよう勉強に励んでくださいね。
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内定後、国家試験に落ちたらどうするの?
複数の企業から内定をもらった場合や、病院と企業を併願しどちらも内定が決まった場合など、どちらか一方の採用先に対して内定を辞退する場合は、その旨を伝えなくてはいけません。
また、就職が決まっていたけれど国家試験に落ちてしまい、翌年の就職ができない場合も残念ではありますが辞退の対象となってしまいます。
ここでは、内定を辞退する場合に行うことや、内定辞退の連絡の仕方などについて紹介していきます。さらに、国試が不合格だった場合の対応についても併せて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
内定を辞退する場合
内定通知が届いてから、承諾までには一定の期間が設けられています。内定を辞退する場合は、メールだけではなく電話連絡にて伝えるのが基本的なマナーです。採用担当者が不在の場合は、メールで伝えた後に電話で連絡するなどの対応をしましょう。
また、内定承諾書を提出した後でも辞退することはできますが、先方に迷惑を掛けてしまいますので、病院と併願するなど、特別な理由がある場合は採用担当者と相談して進めていきましょう。
<内定を辞退する際の注意点>
・誠意をもってきちんとお詫びする ・辞退することが決まっているときは、できるだけ早く連絡する ・辞退の理由は詳しく語らなくてよい(聞かれたときは答える準備はしておく) ・他社の就職が決まっている場合、社名は出さない内定を辞退する際には、電話連絡を入れた後、以下のようにメールを送付します。
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<例文>
件名:内定辞退のご連絡【ファルマ 太郎】
株式会社○○薬局
人事部 採用ご担当 ○○様
お世話になっております。この度、内定の通知をいただきましたファルマ 太郎(名前)です。
先ほどお電話にてご連絡させていただきましたが、ご不在とのことでしたので、メールにて失礼いたします。(※)
この度は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
このような光栄なお知らせをいただきながら、大変恐縮ではございますが、
今回の内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
内定のご連絡をいただいた後、自身の適性やキャリアについて改めて考えた結果、
別の企業とのご縁を感じまして、そちらへの入社を決意致しました。
お忙しいところ、選考に貴重なお時間を割いていただきながら、
ご期待に添えず大変心苦しく思っております。
本来であれば、直接お伺いしお詫びをするべきところではございますが、
このようにメールでのご連絡となりましたことを、ご容赦いただければと存じます。
ご担当いただいた〇〇様に心から感謝致しまして、
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
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○○大学 薬学部
ファルマ 太郎
Tel:080-○○○○-○○○○
Email:○○○○○@○○○.jp
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国家試験に落ちてしまった場合
万が一不合格になってしまった場合、まずは採用先の担当者に連絡しましょう。言いにくいからといって時間をおいてしまうと、採用先の負担になってしまいます。企業や職種によってはそのまま採用になる場合がありますので、できるだけ早めに連絡を入れて担当者の指示を待ちましょう。
●薬剤師資格が必要な職種の場合
倍率の高い調剤薬局やドラッグストアでは、内定取り消しになる場合がほとんどです。しかし、採用先の企業によっては契約社員として働き、翌年の国家試験に向けて勉強をサポートしてもらえるケースがあるようです。国試に合格できないからといって道が閉ざされる訳ではありません。まずは採用先に相談してみましょう。
●薬剤師資格が必要ない職種の場合
国試に合格できなかった場合でも職種によっては就職に影響がないケースもあります。 例えば、製薬会社のMR職や化粧品メーカーなど、薬剤師の資格が必要ない場合はそのまま就職できるケースが多いようです。なかには社会人として働きながら翌年の国家試験を受験している方も。
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まとめ
内定後も薬学生は卒業研究や国試対策があるため油断は禁物。就職活動でしっかりと将来について考え、同時に国試の勉強を進めると有意義な時間にできるでしょう。また、就職活動でお悩みの方は転職コンサルタントに相談するのも一つの方法です。
内定後に何をしたらいいの?という不安を解決し、自信をもって入社の日を迎えられるよう、しっかりと準備をしておきましょう。
ファルマラボ編集部
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