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業界動向
  • 公開日:2021.08.18

「製薬業界」の職種と仕事内容を解説!薬剤師が活躍できる場は?【薬剤師のお仕事ガイド】

「製薬業界」の職種と仕事内容を解説!薬剤師が活躍できる場は?【薬剤師のお仕事ガイド】

薬剤師が活躍できる業界の1つに製薬業界があげられます。しかし製薬業界といっても多くの職種があり、仕事内容も大きく異なるため自分が働くイメージがわきづらい方も多いかもしれません。ここでは製薬業界で薬剤師の活躍できる職種について、職場となる企業・機関と共に詳しく解説します

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医薬品開発に関わる企業・機関

医薬品開発に関わる企業・機関

製薬業界のなかでもとくに薬剤師の活躍の場が広いのが医薬品開発の分野です。しかし実際のところ、医薬品開発は製薬メーカーだけが行っているわけではありません。いくつかの機関があり、それぞれ役割が違います。ここでは「製薬メーカー」「CRO」「SMO」「CSO」「医療機関」の5つについて取り上げ、具体的な役割などを見ていきます。

製薬メーカー

医薬品の研究開発から製造販売、販売開始後の情報提供までを担う製薬メーカーは、医薬品開発において中心的存在といえるでしょう。後述する「CRO」「SMO」「CSO」は、製薬メーカーから一部業務を請け負う形が一般的です。なかでも、日本にも拠点がある外資系企業は売上規模が大きくなります。

CRO(医薬品開発業務受託機関)

CRO(医薬品開発業務受託機関)は医薬品開発をサポートしています。製薬メーカーから新薬開発の一部業務を受託し、臨床開発に関わる様々な業務を行う機関です。

SMO(治験施設支援機関)

製薬メーカーの一部業務を担うCROに対して、SMOは医療機関で行われる治験に関わる業務をサポートします

▼参考資料はコチラ
治験とSMO 日本SMO協会

CSO(医薬品販売業務受託機関)

CSO(医薬品販売業務受託機関)は、医薬品の販売やマーケティングなどを担っています。臨床開発ではなく、市販後の医薬品に携わる機関です。

▼参考資料はコチラ
日本CSO協会

医療機関

大学病院をはじめ規模の大きい医療機関では、治験準備室を設けて新薬の治験に取り組んでいる場合があります。そのほか、治験のみに特化して専門的に行っている治験専門病院も。臨床薬剤師にとっては環境が近く、スムーズに働きやすい職場といえるでしょう。

薬剤師が活躍できる製薬業界の職種は?

薬剤師が活躍できる製薬業界の職種は?

続いて、製薬業界で薬剤師が活躍できる代表的な職種について解説します。前述した企業・機関のうちどこに所属する職種なのかも含め、自分に合った仕事探しの参考にしてください。

研究職

新薬の開発や実験などの研究に携わる職種です。おもに製薬メーカー勤務となりますが、それ以外では食品メーカーや化学企業などに勤め、臨床試験の前段階において重要な役割を担います。他研究職との連携が必要になるため、高いコミュニケーション能力が欠かせません。

企業を支える部署として年収も高い傾向にありますが、少なくとも修士号を取得しておく必要があり、中途採用の枠はどの企業でも少ないなど狭き門となります。

CRA(臨床開発モニター)

医薬品の臨床開発では、治験によって新薬の安全性や有効性、副作用などを確認しています。CRAは、治験が適切かつスムーズに進行できているかモニタリングするのがおもな仕事です。治験を実施する医療機関との契約手続きや、症例報告書の作成などを行います。

未経験者の採用も比較的多い傾向にありますが、医療機関での勤務経験があると業務が行いやすいでしょう。出張が伴うこともあるため、フットワーク軽く動ける方は歓迎される傾向にあります。

CRC(治験コーディネーター)

CRCは医療機関で行われる治験が円滑に進行できるようサポートする仕事です。CRAと混同されやすいですが、製薬メーカーやCRO側から治験の進行管理を行うCRAに対し、CRCは医療機関やSMOに所属し治験を進めていきます

治験参加者をサポートするのもCRCの役割です。インフォームドコンセントや治験実施中のケア、あるいは服薬管理なども担います。そのため、医療機関での勤務経験が活かしやすいでしょう。

DM(データマネジメント)

DMは製薬メーカーがもつ臨床データの管理を行います。場合により、症例報告書を回収に訪れたCRAとの折衝も含まれます。ある程度のパソコンスキルが求められるため、業務上で使用経験があると歓迎されるでしょう。なお、IT系企業などがDM業務のみを受託対応している場合もあります。

薬事申請

薬事申請は安全性や有効性の確認された医薬品や医療機器の承認申請がおもな仕事です。申請書類や添付文書の作成、場合により厚生労働省とのやり取りを担うこともあります。薬剤師でも未経験から起用されることは少なく、CRAやMRなどの業務経験があれば可能性は高まるでしょう。

PV(ファーマコビジランス/安全性情報担当)

PVは発売後の医薬品に対し、治験中には検知できなかった効果や副作用に関する情報の収集や分析・評価を行います。場合によっては医療機関や厚生労働省とのやり取りも発生するでしょう。

未経験であれば、薬剤師資格とともにCRAなど他職種の経験を経てPVに就くケースが多くなります。情報収集で日常的に英語に触れるため、英語力が高いと重宝されるでしょう。

QC(品質管理担当者)

QCは薬品の製造にあたって試験や評価を行い、高い品質を確保することが求められます。また、質の高い治験を実施するうえでも欠かせない存在です。GCP(実施基準)やSOP(標準業務手順書)などに遵守して行われているか、あるいは各種文書に問題がないかなどを確認します。

業界未経験でも薬剤師を求める企業は少なくありません。さらにCRAなどを経験していれば、より優遇されるでしょう。なお、QC経験を積むことで、より大きな責任を持つQA(品質保証担当者)としてキャリアアップを目指すことも可能です。

MR(医薬情報担当者)

MRは医師や薬剤師などへ医薬品に関する情報の提供や、効果や副作用などの情報収集を行います。よく販売職と混同されますが、あくまで医薬品の適正使用を促すのが役割です。実際に医薬品の販売を行うのは、卸会社などに所属するMS(マーケティング・スペシャリスト)という職種です。MRは無資格・未経験からでも就業可能ですが、薬剤師なら医薬品に関する知識、あるいは医療機関での経験などが発揮できます。

製薬業界の仕事に向いている薬剤師の特徴

製薬業界の仕事に向いている薬剤師の特徴

どのような人が製薬業界の仕事に向いているのか、いくつか特徴をあげて解説します。ご自身の方向性や経験などと照らし合わせながら確認してみてください。

スキルアップへの意欲が高い

医薬品を開発・提供する側の仕事に携わることで、これまで得られなかった経験や知識が身につきます。薬剤師としてスキルアップを目指すにも、製薬業界は適した環境といえるでしょう。もし将来的に調剤などに戻る場合でも、培ったスキルは活かせる部分が多いでしょう。

ただし多様な職種があるため、どの方面に進むかはじっくり考えることが重要です。たとえば医薬品の安全性・有効性等に関する知識を深めたければPV、医療機関へ医薬品に関する情報がどのように届くのかを知りたければMRなど、職種によって得られるスキルが異なります。

知識欲が強く自ら学び続けられる

製薬業界では常に学び続ける必要があります。医薬品に関する情報は日々更新されるほか、法規等の改定にも対応していかなければいけません。たとえばCRAとして担当薬剤が変わったり、あるいはCRCで担当する治験が変わったりすれば、それに応じた知識取得が求められます。自ら主体的に学べる、知識欲の強い方には適した環境です。

医薬品開発に使命感を持ってやりがいを感じられる

医療機関などの仕事と異なり、製薬業界での仕事のほとんどは直接患者さまと関わることがありません。しかし自身の携わった医薬品が、将来的には多くの患者さまの助けとなります。自らの仕事に使命感を持ち、やりがいを感じられる方でれば、製薬業界の仕事は適しているでしょう。

異動・転勤に対応できる

異動や転勤などが問題ないという方は、製薬業界の仕事にチャレンジしてみると良いかもしれません。とくに大手企業では全国各地に拠点があり、異動や転勤によるキャリアチェンジを設けているケースがほとんどです

製薬業界の仕事で活かせるスキル

製薬業界の仕事で活かせるスキル

薬剤師は製薬業界において優遇される資格ですが、それ以外に以下のようなスキルがあれば、転職などで有利になるでしょう。

語学力

製薬メーカーは外資系企業も数多いため、英語をはじめとした語学力があると歓迎されやすい傾向にあります。また、グローバル治験を行っている企業では、希望すれば語学力を活かせるプロジェクトにアサインされやすくなるでしょう。また多様な職種のなかでも、PVは英語力必須というケースが多く見られます。

コミュニケーション能力

製薬業界では、多くの職種と連携を取りながらプロジェクトを進めます。CRCは被験者に対するサポートも重要な仕事ですし、MRは医師や薬剤師に対する適切な情報提供と収集が必要です。そのため、コミュニケーション能力は必須スキルといえるでしょう。

パソコンスキル

製薬業界でも、今やパソコンは欠かせないツールの1つとなっています。Excelやwordなどのオフィスアプリケーションをはじめ、基本的なパソコンスキルは身につけておきましょう。とくにDMは専用システムを用いたデータ入力がおもな業務のため、タイピングの速さや正確性も求められます。

自己管理能力

製薬業界では自分が何をすべきかを考え、主体的に動きながら計画的に業務を進行することが大切です。そのため計画に沿い、自らを律して行動できる高い自己管理能力が求められるでしょう

薬剤師資格を活かし、さらなるキャリアアップを

同じ製薬業界でも、求められる能力や仕事内容などは職種によって大きく異なります。製薬業界に興味を持った方は、自分がどの仕事に適しているのか、どの分野で活躍を目指したいのかを考えてみてください。

また、薬剤師資格のほかに語学力やパソコンスキル、コミュニケーションスキルなどがあれば、製薬業界でも活躍の機会が多くなります。ただし患者さまと関わる機会が稀少であるなど、薬局や医療機関での仕事とは大きな違いがあります。ここで解説した内容をしっかり理解し、自身に適したキャリアを検討してみましょう。

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ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2021/08/18

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