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  • 公開日:2016.08.01

スキルアップすることで薬剤師の年収は上がる?

薬剤師になって実際に働いてみたら、思ったほど給与が高くないと思った方もいるはずです。薬剤師が給与をあげるには、スキルアップが肝心です。では、どのようなスキルを身につけたら年収が上がるのでしょうか?

コミュニケーションスキルを上げて年収もアップ!

今よりももっと年収を増やしたい、そう考える薬剤師は、少なくないでしょう。

かなり以前の薬剤師の業務といえば、調剤室の中にこもって行う調剤業務のみでした。 ところが、時代の変遷とともに薬剤師の業務の幅が広がりコミュニケーション能力を含むスキルアップが求められるようになりました。

近年では、対患者さま、あるいは薬剤師同士でのコミュニケーション能力のスキルアップは、薬剤師の年収へも反映されるようになってきています。 年収を増やしたいなら、特にコミュニケーション能力のスキルアップも不可欠です。

資格を取得して年収を上げる

薬剤師には、免許の更新制度がありません。

しかし、度々行われる薬事法や調剤報酬の改定に加え、市販薬を含めて多くの医薬品の認可と発売、新たに発表される薬の副作用に関する情報、また医療技術の進歩など、薬剤師を取り巻く環境はすごいスピードで変化しているといえます。

そこで、常に最新の知識取得にはげみ、講習会などを受講している薬剤師に対して、免許更新制度の代わりに付与されるのが、認定薬剤師という認定資格です。

近年の病院では、診療科が専門分化していく傾向にあり、薬剤師としてもその専門診療科に特化した知識を持ち、薬局窓口以外で活躍することも期待されています。
例えば「精神科薬物療法認定薬剤師」や「がん薬物療法認定薬剤師」などの認定薬剤師制度があるなど、医療を支える最前線に立つ一員として、薬剤師もより高度な専門知識を持っていることが求められてきているのです。

認定薬剤師や専門薬剤師の資格を持っていることは、専門領域で仕事ができる「やりがい」を得ることができるとともに、給与面においては、通常もらえる薬剤師手当の他に資格手当がもらえる場合が多いようです。

その金額は、月に5,000円〜10,000円が相場のようですが、もし1ヵ月10,000円の資格手当がもらえれば、年収が12万円増えることになります。 その金額の価値は人によって様々だと思いますが、仕事に対するやりがいとプライドを認めてもらえているような感じがしますよね。

コミュニケーション能力を上げると年収もアップ

都市圏では、市販薬を販売するドラッグストアも含めて、非常に多くの医薬品取り扱い店舗があります。 近年では、調剤業務も行うドラッグストアも増え、薬局-業界では競争が始まっているといえます。

また、軽度な体の不調は自分で手当てするというセルフメディケーションが推進され、体調不良でも病院にはかからず市販薬使用で対処する方が増えてきています。

これに伴い、病院・医師などに「かかりつけ」制度が広がるのと同じように、薬局には「かかりつけ薬局」、薬剤師には「かかりつけ薬剤師」へ変わっていくことが求められています。

そのために必要なのは、「コミュニケーションスキル」と「ヒューマンスキル」です。

対患者さまでは、お薬の相談を受けたとき、世間話も含めて患者さまのお話を笑顔でしっかりと聴き、症状やアレルギー情報や、患者さまが服用しやすいお薬の種類などをお聞きして、一人ひとりに合ったお薬との付き合い方を提案していくことが大切です。

また、薬剤師同士のコミュニケーションも重要です。職場の雰囲気が良くなり薬剤師が笑顔で働ける環境ができるというのは大切です。 そしてそれ以上に、患者さまからお聞きした情報を薬剤師間で共有することで、「いつでも相談しやすい薬局」と患者さまから認めてもらえれば、「かかりつけ薬局」として繰り返し薬局を利用してくださるようになります。 そうすれば、薬局としての報酬もアップしますし、ひいては薬剤師の年収へも反映されるようになります。

また、コミュニケーションスキルが高い薬剤師で、患者さまとよりよい関係を築けていたことが裏付けられるような出来事があれば、転職の際の面接や交渉の中でアピールし、当初の提示額よりも高い年収予定額を引き出すこともできるでしょう。

管理薬剤師になって年収アップ

スキルアップのひとつとして、資格ではありませんが、「管理薬剤師」という職務があります。

医薬品の取り扱い、製造、販売を行うところには、管理薬剤師を置くことが、薬事法上決められており、管理薬剤師になるには3年以上の実務経験があることが望ましいとされています。 そのお仕事は、多岐にわたります。 薬剤師が行う日常業務の他に、医薬品の適正管理、たとえば在庫の管理や期限切れ薬品がないかなどのチェックを行ったりします。

ドラッグストアに勤務する管理薬剤師の場合は、店舗の運営マネジメント従業員の管理とともに教育を行うこと、また従業員が対応できない、専門知識を必要とする業務での対応が求められたりします。

さらに、店舗によっては、売り上げや顧客の管理まで責任をもつこともあります。

そんな大変な職務を背負う管理薬剤師ですから、年収でも他の薬剤師とは差が出てきます。 管理薬剤師は、薬剤師としての管理職ですから、役職手当がもらえます。

この役職手当の相場ですが、ドラッグストアや調剤薬局では年間で30〜50万円程度といわれており、一般の薬剤師の年収が500万円程度のところ、管理薬剤師になると平均年収は600万円前後になるといわれています。

また、薬局長や、ドラッグストアでは店長を兼務するようになると、平均年収は700〜800万円に達するところもあるようです。

スキルアップすることで任されるようになる仕事内容は大変なものもありますが、年収が増えるとともに、それだけのやりがいを得られるようにもなるでしょう。

まとめ〜スキルアップすることで薬剤師の年収は上がる?

1.コミュニケーションスキルを上げて年収もアップ!
現代の薬剤師にとって、年収を大きく左右するのは、対患者さま、あるいは薬剤師同士のコミュニケーションスキルのようです。 いかに患者さまに安心してお薬を受け取り服用していただける薬剤師になるか、これがカギになってきています。
2.資格を取得して年収を上げる
薬剤師資格には、認定薬剤師や専門薬剤師があります。 資格取得には講習会の受講や、専門薬剤師取得の場合は試験を受けるなども必要にはなりますが、制度のある職場であればひと月当たり5,000円〜10,000円程の資格手当がもらえますので、年収アップにつながります。
3.コミュニケーション能力を上げると年収もアップ
患者さまや他の薬剤師と良い関係を築けるコミュニケーション能力があれば、患者さまから信頼され繰り返し薬局を利用していただけるようになり、薬局としての収益アップ、ひいては薬剤師としての年収アップにもつながります。
4.管理薬剤師になって年収アップ
管理薬剤師になると、管理職としての手当の支給によって年収が大幅にアップします。 また、勤務先によっては薬局長や店長などを兼務すると、さらに年収アップが期待できます。 その職務は大変ですが、年収アップとともにやりがいも得られるでしょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/08/01

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