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  • 公開日:2016.07.31

薬剤師会ってなに?概要と役割を解説

薬剤師会に入るかどうか迷っている薬剤師のために、組織の概要・役割を紹介します。 一定のコストをかけてでも加入するメリットはあるのか、今一度検討してみましょう。

薬剤師の知識習得・地位向上に役立つ組織

薬剤師会は、専門家同士の交流・知識習得の場として活用されます。 定期的な研修やイベントで、最新の医薬品トレンドを教えてくれます。 独学では難しい勉強も、組織の力を借りれば、スムーズです。

社会的な活動の概要を見てみると、薬物乱用防止・禁煙・災害支援などがあげられます。 医療に携わる者として、国民の健康維持をサポートする組織と言えるでしょう。

電車や駅のホームで見かけるドラッグ防止のポスターの中にも、薬剤師会作成のものがあります。 パンフレットなども作成しており、ドラッグの危険性を周知させ、安易な薬物乱用を抑制します。

さらに、保険制度を用意して薬剤師の生活のサポートもしています。 薬剤師の働きやすい環境を整備するため、あらゆる面から支援してくれる団体と考えてください。

企業として加入するのがスタンダード

ある程度の規模の薬局・病院になると、企業として薬剤師会に入会するのが通常です。 個人として、改めて加入手続きをする必要はありません。

求人票の概要欄に「薬剤師会加入店」との記載があれば、会員になっている証拠です。 薬剤師会には、代表的な「日本薬剤師会」の他に「都道府県薬剤師会」「日本病院薬剤師会」「日本女性薬剤師会」などもあります。 どのような薬剤師会に入っているか気になる場合は、事前に確認すると良いでしょう。

未加入の会社で働いている薬剤師の場合、個人的に入会する方もいます。 薬局オーナー・経営者にしても、同じです。 個人で加入してネットワークを作っておくと、人員不足の時などに相談するあてもでき、安心です。 地域の病院とのつながりもできるため、経営がスムーズに進みます。

医療は地域が連携して行うもの」との考えが一般化しつつあり、近隣地域の関係者とのつながりがより重要になっています。 経営に関する必要コストと考えて、入会を前向きに検討してみるのもおすすめです。

国際舞台で活躍するチャンスを得る

日本薬剤師会は、国際薬剤師連盟・アジア薬剤師会連合などに入っています。

世界的な会議に参加することもあり、個人ではなかなかフォローできない、最新の医薬品研究がわかります。 研究熱心で最先端医療に関心がある人には、大きなメリットになるでしょう。

タイミングがあえば、世界をステージにした活躍シーンをもらえるチャンスもあります。 医療の国際化が進む風潮は、薬剤師にとっても同じです。 世界のトレンドをフォローできてはじめて、高度医療に対応できます。

特に、病院で働く薬剤師にとっては、最新医療は見逃せない部分です。 世界的な情報に高くアンテナを張り、新しい情報を収集し続けることで、自分の付加価値が高まります

また、将来のキャリアとして途上国での薬剤師業務を希望する人にとっては、足がかりになりうる機会です。 自分の可能性を広げるひとつの手段が、薬剤師会の活動とも考えましょう。

薬剤師会が扱う2種類の保険と必要性

薬剤師として働く際には、薬の処方の間違いなどにより、患者さまに対して大きな被害を与えてしまう可能性があります。 そのため薬剤師会では、薬剤師賠償責任保険薬剤師年金保険という2種類の保険を用意して、万が一の事態に備えています。

薬剤師賠償責任保険とは、薬剤師や薬局に勤務する販売員が薬を調剤・販売をした際、その処方した医薬品によって何らかの被害を与え、賠償責任に問われる等した場合に支払われる保険金のことです。

契約の種類は、開設者や管理薬剤師が責任を問われた場合に対象となる薬局契約と、薬剤師個人として責任を問われた場合が対象となる薬剤師契約の2種類があります。

薬剤師年金保険とは、日本薬剤師会の会員のみが加入可能な年金のことです。 年金額を自由に設計できる仕組みとなっており、若いときに加入することでより多くの年金を受給することができます。

この薬剤師年金保険は、昭和48年7月に発足しましたが、2012年時点における加入者は約6,000名、受給者の人数は約7,500名に上りました。 薬剤師が快適に働くためにも、こうした保険制度の仕組みを知っておくと良いでしょう。

まとめ〜薬剤師会ってなに?概要と役割を解説

1.薬剤師の知識習得・地位向上に役立つ組織
薬剤師会は、専門家同士の交流・知識習得として活用されます。 薬物乱用防止・禁煙・災害支援など、社会的な仕事も担う団体です。 薬剤師のための保険制度を用意するなど、働く人のサポートもしてくれます。
2.企業として加入するのがスタンダード
ある程度の規模の薬局・病院になると、企業として薬剤師会に入会するのが通常です。 個人として、あらためて加入手続きをする必要がありません。 会社が未加入の方が入会を希望するなら、個人的に手続きできます。
3.国際舞台で活躍するチャンスを得る
国際薬剤師連盟・アジア薬剤師会連合など、国際的な舞台で活動することがあります。 最先端医療に関心がある人には、大きなメリットと言えるでしょう。 世界をステージにした活躍シーンをもらえるチャンスもあります。
4.薬剤師会が扱う2種類の保険と必要性
薬剤師会には、薬剤師賠償責任保険・薬剤師年金保険という2種類の保険があります。 どちらも安心して仕事をするためには欠かせない、セーフティーネットになるものです。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/07/31

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