Uターン・Ｉターン転職ってなに？

薬剤師の転職事情

地方勤務を希望する薬剤師だと、UターンやIターンを検討する方もいるでしょう。薬剤師の転職で知っておきたいUターン・Iターンの基礎知識を紹介します。

■Uターン・Iターンは地方で働くキャリアプランのひとつです

スローライフ、ワークライフバランスなどのキーワードに魅力を感じる人たちに、Uターン・Iターンが注目されています。薬剤師も例外ではありません。以下で、それぞれの言葉の定義と大まかな意味を見ておきましょう。

・Uターン

地方で育った人が都心部へ進学や就職をした後、再び生まれ育った街に戻って働くことです。幼いころに慣れ親しんだ街に戻ることになるので生活が安定しやすく、両親の介護などにも対応しやすいメリットがあります。

・Iターン

都心部に育ってそのままキャリアを積んだ人が、地方に移住して働くことです。自然豊かな街で働きたい、ワークライフバランスをとって無理なくキャリアを積みたいなどの理由で検討されます。

■大きく分けて3つのメリットが考えられます

Uターン、Iターン転職に期待できるメリットとしては、大きく分けて3つあります。

・豊かな自然に囲まれた住環境

都心部を離れて生活することになるので、豊かな自然に囲まれた住環境を維持できます。大都市圏と比較すれば手頃な値段で一軒家を購入できるところもメリットで、伸び伸びした環境で子育てしたい薬剤師にとっては魅力でしょう。

・マイカー通勤可能の職場

地方都市に行くと大きな駐車場を構える薬局や病院が多く、憧れのマイカー通勤を実現できます。通勤ラッシュを煩わしく感じている薬剤師には、働きやすい環境です。

・家族と過ごす時間が増える

都心部の薬剤師は多忙なシフトを余儀なくされがちですが、地方でゆっくり働く道もあります。パートタイムやアルバイトなど広い視野で働き方を考えるとよりゆとりある生活を期待でき、大切な家族と一緒に過ごす時間を確保できます。

■Uターン・Ｉターンはタイミングが重要となります

薬剤師としてのキャリアに求めるものは人それぞれですが、都心部でしか経験できない仕事もあります。先端医療や最新の薬学療法などに関わる求人は、大きな病院がある都心部に集中する傾向があり、地方にねらいをしぼってしまうと理想のキャリアが難しくなることもあります。自分のやりたい仕事や関心分野がはっきり決まっている薬剤師は、Uターン・Iターンの求人情報を吟味したうえで検討しましょう。

20代・30代は都心部で働きながらスキルを磨き、親の介護がはじまる年代になってから地元に帰る道もあります。専門スキルを持っている薬剤師は、全国で一定のニーズが見込まれていると言えます。いつでもUターン・Ｉターンできると考えると、あえて今動く必要はないと考える薬剤師もいるでしょう。一度地方に拠点を移してしまうと再び都心部に戻ってくるのは大変なので、タイミングをよく見極めて、後悔しない決断をかためましょう。

■薬剤師不足のエリアを検討しましょう

一般的には待遇面で見劣りするUターン・Ｉターンの求人ですが、薬剤師不足が深刻なエリアでは、やや事情が異なります。地方の派遣薬剤師求人を例にとると、優遇時給を設定、積極的に移住者を受け入れています。

求人を吟味していけば、都心部と変わらないもしくは都心部以上の待遇で、仕事が見つかるケースもあるでしょう。赴任に対する負担を減らすため、社員寮や引っ越し支度金を用意するなど「住まい」に関する福利厚生サービスがある職場を選ぶと、よりスムーズに転職できます。

薬剤師不足が深刻な背景があるので、地方圏らしいゆったりとした生活リズムが実現できるかを確認する必要はありますが、待遇重視の転職希望者にはチャンスです。待遇や各種条件に関しては、具体的な案件を見ないと判断できない部分です。Uターン・Ｉターンに関する求人を取り扱う転職サイトで、情報を収集し、希望にマッチする案件を探してみましょう。