- 公開日:2023.07.27
薬剤師は大変...疲れたときのセルフケアには「マインドフルネス」がおすすめ
「薬剤師が少なくて大変」「職場の人間関係にストレスを感じる」「疲れがたまっているからリフレッシュしたい」
このようなお悩みを抱えながら日々、薬剤師として働いている方もいるでしょう。薬剤師の仕事は、身体的にも精神的にも疲れてしまうもの。疲れがたまるとミスにもつながるため、できるだけ疲労をため込まないようにする必要があります。
そこで役立つのが心を「今」に集中させる「マインドフルネス」という方法です。今回は日常の疲労やストレスを解消するとして注目されている、マインドフルネスについて詳しく見ていきましょう。
- 疲労やストレスは薬剤師業務のミスを増やす原因に
- 「もう疲れた...」そんなときこそマインドフルネス
- なぜ薬剤師にマインドフルネスがおすすめなのか
- まずは簡単な方法から始めましょう
- 大切なことは「続けること」
疲労やストレスは薬剤師業務のミスを増やす原因に
疲労やストレスをため込むのは、薬剤師にとって深刻な問題です。頭がうまく回らなくなり、ミスを招く原因となります。
どの職業でもミスはできる限り避けたいものですが、とくに薬剤師の場合は患者さまの命に関わることもあるため、可能な限りミスは防がなければなりません。
人間関係や業務量に悩む薬剤師が多い
薬剤師が抱えるストレスの多くは、人間関係や業務量によるものだと言われています。閉鎖された空間で働くことが多いため、どうしても人間関係をこじらせてしまうことが多いのです。
職場によっては、少人数で仕事をすることも少なくありません。少しでも「性格や意見が合わない」と思った方がいると、身体的にも精神的にもストレスがたまってしまいます。
薬剤師の人数に見合わない業務量を抱え込んでしまうこともストレスがたまる原因です。業務量が多いのに薬剤師の人数を増やしてくれない、それでいて残業はしないように上司から言われているといった状況で働いている薬剤師は珍しくありません。このような状況で働いていると、すぐに疲れやストレスがたまり体調を崩してしまいます。
ヒヤリ・ハットは忙しいときに発生しやすい
ヒヤリ・ハットとは、患者さまに健康被害が出ることはないものの調剤過誤につながる可能性があった出来事のことです。一般的に業務が忙しい時間帯に発生することが知られています。
とくに薬局でヒヤリ・ハットが起こりやすい時間帯は、平日の10:00〜17:59(とくに10:00~11:59)と、土曜日の10:00〜13:59です。これらの時間帯は処方箋が集中しやすいため、どうしてもヒヤリ・ハットが起こりやすくなります。
さらに、同じ時間帯でも月曜日と金曜日はほかの曜日よりも起こりやすいことが特徴です。理由の一つとしては、休日明けや週末は集中力が低下しやすく、週末は疲労の蓄積によるものと考えられます。
「もう疲れた...」そんなときこそマインドフルネス
ヒヤリ・ハットや調剤過誤を減らすためにも、薬剤師は定期的に疲労やストレスを解消すること(軽減すること)が必要です。休息を取ったり趣味の時間を作ったりなどいくつか方法はありますが、手軽にできておすすめなのがマインドフルネスです。
頭の中をクリアにするためのトレーニング
マインドフルネスとは、簡単に言うと「瞑想」のことです。自分が「今、ここにいる」という状態に深く着目し、意識を集中させます。これにより、心を安定させ、疲労やストレスを軽減する効果が期待できます。
最初のうちは意識があちこちに飛んでしまっても問題ありません。重要なのは、気持ちを落ち着かせ集中すること。まずは何も考えず、「今」に意識を向けることを大切にし、頭の中をクリアにしていきましょう。
やり続けることで期待できる効果とは?
マインドフルネスを続けていくことで、生活の質を向上させる効果が期待できます。
< 期待できる健康効果 >
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/07.html)より一部抜粋
他にも様々な研究がおこなわれていますが、とくに不安、ストレス、抑うつ、痛みに効果があるといわれています。
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/07.html
なぜ薬剤師にマインドフルネスがおすすめなのか
マインドフルネスがおすすめの理由として、以下の3つがあげられます。
道具いらずですぐに実践できる
マインドフルネスを始めてみるのに、専用の道具などは何も必要ありません。ご自身の体と、体を休めるスペースのみでどこでも実践できます。
やろうと思ったその日から実践できるので、「興味はあるけど、準備が面倒くさくて始められない」という方にもオススメです。
疲労回復やストレスに効果がある
疲労回復やストレスの緩和に効果があります。ミスの原因となる疲労やストレスの蓄積を軽減することで、ミスを防ぐことにつながるでしょう。
また、薬剤師の仕事は忙しいだけでなく、ミスできない緊張感も続くので、気持ちを切り替えるための時間が必要です。自分自身を労わることが気分転換にもつながるため、忙しい薬剤師にはおすすめです。
集中力が持続する
マインドフルネスには、集中力を持続する効果もあります。集中力の低下は、ヒヤリ・ハットをはじめ調剤過誤を起こす原因となる恐れがあります。
集中力を維持することがでミスが無くなり、患者さまに貢献できるでしょう。
まずは簡単な方法から始めましょう
マインドフルネスを行う方法はいくつか種類があります。今回は、誰でも始めやすいやり方について紹介します。
ステップ1.「座る・横になる」
まず、リラックスできる場所で座るか横になってください。いつも座っている椅子の上、座布団、ヨガマットの上など、どこでも構いません。あぐらをかいて背筋を上に伸ばしながら座りましょう。
ステップ2.「呼吸に意識を向ける」
良い姿勢をキープしたら、自分の呼吸に意識を向けていきます。「今、吸っている」「今、吐いている」と意識しながら、自分の呼吸の状態を見つめてください。
このとき、あくまで自然な呼吸を行いながら、ゆっくり吸ったり吐いたりする様子を意識し、自身を観察していきます。
ステップ3.「意識した状態を維持する」
マインドフルネスを行っていると、あれこれと余計な感情が浮かんでくるかもしれません。そんなときは慌てず、「今、ほかのことを考えてしまったな」とゆっくりと自分自身に問いかけていきましょう。そして落ち着いて、速やかに意識を呼吸に戻しましょう。集中力が切れてしまった場合も、「今、集中力が切れたな」と認識し、再び呼吸に意識を向けていきましょう。
大切なことは「続けること」
マインドフルネスは、1日だけ実践してもあまり効果は得られるものではありません。1分だけでも良いので、毎日継続していくことが大切です。継続していくことで、マインドフルネスの効果を少しづつ感じることができるようになります。
ただし、「毎日しないと」と義務感を抱いてしまうと、かえってストレスがたまる原因にもなるため、無理のない範囲で続けていきましょう。
習慣化するためには?
マインドフルネスを習慣化するためには、スマートフォン用のアプリを活用してみることもおすすめです。瞑想をするためのサポート音声が流れたり、アプリの機能によっては、人数がリアルタイムで確認できるため、モチベーションの維持がしやすく、ひとりでも続けやすいです。様々な機能が多く用意されているので、自分が求めている方法を見つけられるでしょう。
瞑想のオンライン講座や、ヨガに参加することも、とてもおすすめです。セミナーやスクールなどに参加することで心と体が気持ちよくなる瞬間を体験できることで、継続しやすくなります。
ミスができない仕事だからこそ、頭の中をクリアに。
薬剤師の仕事は緊張感が続き、疲労やストレスをため込みやすい業務内容です。ストレスはミスを誘発する原因にもなるため、マインドフルネスをはじめ、自分に合ったリラックス方法をうまく活用していきましょう。
ストレスを感じにくい心を鍛えるためにも、是非この機会にマインドフルネスを始めてみてはいかがでしょうか。
ファルマラボ編集部
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