- 公開日:2019.04.26
調剤薬局で薬剤師にされて嬉しかったことは?【患者50人にアンケート】
調剤薬局で働く薬剤師にとって、患者さまはもっとも接する機会が多い存在。しかし、薬局を訪れる患者さまがどのようなことを考え、求めているかを知る機会は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、普段患者として調剤薬局に通うことのある男女50人の方にアンケートを実施。実際に薬剤師のどのようなコミュニケーションに好感を持ったか調べてみました。
患者さまが抱える症状や悩みと、嬉しいと思ったエピソード
患者さまはどのようなことに対して不安を感じるのか、また反対に嬉しいと感じる時はいつなのか。実際にあったエピソードをいくつか紹介していきます。
まずは、『薬剤師に好印象を抱いたことがあるか』についてのアンケート結果からご紹介します。
このように、実に68%の人が「好印象を受けたことがある」と回答。「ない」と答えた32%の人も、後の質問の回答で良いエピソードをあげている方が多く、基本的には良いイメージを持っている方が多いという結果が伺えます。
具体的に薬剤師のどのような点に好印象を抱いたのか、見ていきましょう。
- <薬に関する専門的な知識>
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- 子供にアレルギーを持っているお薬がお医者さまから処方されていた時、すぐにお医者さまに連絡を取って他のお薬に変えていただいたことがありました。(48歳・女性)
- 手足のしびれがあった際に親切に症状を聞き、病院の医師とは別の角度から薬剤の使い方を教えてくれました。(64歳・男性)
- 多かった回答は、医者も気づかない薬の知識に対する賞賛の意見です。薬の専門家として、患者さまの悩みに寄り添いながら服薬指導を行うことが求められているようです。
- <薬以外の健康についてのアドバイス>
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- 薬だけではなく、食べ物で症状を改善できるような生活全般のアドバイスくれたのが嬉しかった。(47歳・男性)
- 母が薬による副作用で胸やけが酷く食欲が無い時、体が衰弱しないようにと栄養補助食品のサンプルをいただいた事がありました。(36歳・女性)
- 薬以外に健康に対するアドバイスを貰ったとの意見もありました。薬についてだけではなく、食事や健康に対する知識もスキルとして持っておくとことで、より生活に紐付いたアドバイスをすることができます。
- <声かけや対応>
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- 「お子さん、薬をきちんと飲めていますか。飲み方に困ったら相談してください」と声かけしてくれたことが嬉しかったです。(31歳・女性)
- 「体調がすぐれない時に長々と説明してすみません」とお辞儀をされました。ちょっとした一言と行動ですが、好印象を受けました。(41歳・男性)
- 熱が高かったとき、座っていたところまで薬を持ってきてくださいました。お会計も座ったままで済みました。(41歳・女性)
- 風邪をひいて辛かった時に「大丈夫ですか、大変でしたね」と、自分の気持ちに寄り添った言葉かけをしてくれました。(29歳・女性)
- 忙しく大変そうなときも、嫌な顔ひとつせずに笑顔で対応してくださったときです。(26歳・女性)
- 声かけなどのコミュニケーションに対する意見が、一番多く寄せられました。薬剤師と患者さまの距離が近い調剤薬局では、声かけひとつを取ってもどのように接するかが鍵となってきます。
かかりつけ薬剤師に対する認知度
「かかりつけ薬剤師」とは、患者さま一人に対して一人の薬剤師が服薬の管理を行うことです。薬局が空いていない時間の在宅医療にも対応していたりと、調剤薬局という場所を超えて患者さまのサポートを行う場合もあります。
かかりつけ薬剤師は、患者さまにとって安心して薬や健康のことを相談できる存在。一方で薬剤師側にとっても、患者さまの多剤投与や相互作用を防ぐことができるという側面もあります。しかし、まだその認知度はあまり高くありません。
『特定のかかりつけ薬剤師がいるかどうか』について、アンケート結果は次のようになりました。
「かかりつけ薬剤師」がいる人の割合は、24%と少ない結果となりました。
「かかりつけ医」という言葉はよく聞きますが、「かかりつけ薬剤師」となってくるとまだまだ活用している方は少ないようです。
- <いないと答えた人の意見>
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- 病院ごとに異なる調剤薬局を使いますし、薬局には複数の薬剤師さんがいます。お任せでいつも同じ方に当たるとは限りません。(41歳・女性)
- かかりつけ医の一番近い薬局で、特に特定の人を選んでいるわけではない。(47歳・男性)
- たとえ「かかりつけ医」がいたとしても近くの薬局には複数の薬剤師がいるので、「かかりつけ薬剤師」をもつには時間やタイミングが必要となってくるようです。
- <いると答えた人の意見>
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- まめに病気の状況を確認してくれて、新しい薬など変わったことがあれば丁寧に説明してくれます。(34歳・女性)
- 薬だけではなく、地域の医療事情についてなどのことを本音で話してくれる。(44歳・女性)
- 明るい声で、いつもと症状が違うところが無いかどうか細かく聞いてくれます。(38歳・女性)
- いつも対応する前に体の調子を気遣ってくれたり、薬以外の相談にも乗ってくれる。(54歳・男性)
- 「かかりつけ薬剤師」がいると答えた人からは、安心して通うことができるという意見が多く見られました。普段から体調を気遣ったり悩みごとの相談に乗ったりと、薬剤師という仕事を超えて親密なコミュニケーションを取っていくことが重要なようです。
患者さまが薬剤師に求めていること
最後に、『患者さまが薬剤師に求めていること』について聞いてみました。様々な意見が出てきましたが、実は一番多かったのは「今のままで満足している」という回答でした。
それでは、満足しているという回答の他に、どのような意見があったのかをご紹介します。
- <薬剤師にもっとしてほしいこと>
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- 一番お願いしたいのは、薬を出すまでの時間を短縮して欲しいこと。体調が悪いときに横になることもできず、背もたれもない椅子に座って待つのは辛い。(47歳・男性)
- 知識が足りなくても理解できるように、言葉を選んで説明してほしい。(20歳・男性)
- 患者さまにとって、具合の悪いときに長時間待たされたり、難しい話をされたりするのはあまり良い気持ちはしないでしょう。なるべく端的に伝えるのが大切です。
人と人との関係が第一!患者さまのためにも自分のためにも、知識を深めることを忘れずに
患者さまとの距離が近いことは、調剤薬局の魅力のひとつです。薬剤師のちょっとした気遣いや声かけが、患者さまの心に響くでしょう。
また薬の知識の専門性だけでなく食事や健康についての知識を持っていれば、より患者さまの生活に密着したコミュニケーションをとることができるはず。
忙しいとつい淡々と仕事をこなしてしまうような場面もありますが、明るい対応と確かな知識で患者さまから信頼される薬剤師を目指してくださいね。
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集計日:2019年3月13日〜2019年3月15日
調査方法:WEBでのアンケート調査
対象:20〜70歳までの男女100名(有効回答数:50件)
ファルマラボ編集部
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