- 公開日:2020.06.22
【薬学部の就活】ドラッグストアにおける薬剤師の仕事と働き方
ドラッグストア薬剤師の仕事は幅広いため、どのような部分が仕事のやりがいにつながるのか、分かりにくいかもしれません。「給料が高い」「雑用や残業が多い」「異動がある」などのイメージを持つ方も多いと思います。では、実際にドラッグストアで働く薬剤師の業務にはどのようなものがあるのでしょうか?詳しく紹介していきましょう。
ドラッグストアの特徴
ドラッグストアでは様々な人たちが働いています。若いアルバイトや美容販売員、薬を販売できる登録販売者など、職種や年齢の違ったスタッフたちと一緒に仕事を行います。そのため、病院や調剤薬局とくらべて雰囲気が開放的で、仕事の人間関係が広くなるのが特徴です。さらに、毎日たくさんのお客さまと接するため、症状や悩みを上手に聞き出し、適切な商品が提案できるコミュニケーションスキルが求められます。
報酬面では、調剤薬局や病院などの業種と比べると高い水準にあります。残業や休日出勤を求められるケースが多いことが、理由の一つとして考えられるでしょう。そのほかにも、診療報酬改定に影響されることが少なく、企業の営業利益が安定していたりすることが給与水準の高くなる理由です。
また、最近では調剤室が併設されたドラッグストアも増えてきました。買い物帰りに気軽に立ち寄れる利点を活かし、「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」を目指すドラッグストアも増加傾向にあります。今後は、サプリメントやOTC医薬品を取り扱うドラッグストアの長所を活かし、医薬品に精通した健康管理ステーションとなっていくでしょう。そのようなドラッグストアの調剤室専任となれば、一般的な調剤知識はもちろんのこと、OTC医薬品についての知識も必要となってきます。ドラッグストアへの就職を希望する場合は、自分の希望する店舗が「調剤室併設店」であるかを確認し、就職活動を進めるようにしましょう。
ドラッグストアで働く薬剤師のおもな業務
OTC薬品のアドバイス
セルフメディケーションの浸透により、OTC医薬品や第一類医薬品が数多く販売されるようになりました。そのような中、「病院に行くまでではないけれど調子が悪い...」という方が最初に相談されるのが近くの薬局やドラッグストアです。OTC薬はたくさんあるので、どれを買えばいいのか悩むお客さまは多く、薬剤師として相談に乗ることも多くあるでしょう。自分が勧めたOTC薬を選んでもらえたとき、薬剤師としてとてもやりがいを感じます。
商品の陳列・レジ打ち
ドラッグストアの薬剤師にとって、売り場づくりや店舗運営は大切な仕事です。そのため、商品の在庫管理やレジ打ちなど細かい業務を行わなくてはなりません。「流行や売れ筋商品の発注」「地域性などを考慮した商品の取り寄せ」「人気のある商品の陳列」「POPの作成と宣伝」など、売り場づくりによって店舗の売り上げは大きく変わっていくのです。また、丁寧な接客応対はお店のリピートにもつながります。自分の心づかいやちょっとした工夫が店舗の売上を大きく左右するのでビジネス的な視点を持つことが大切です。
健康相談
「どんな薬を買ったらいいか」といった相談はもちろんですが、薬の販売を通してお客さまから健康相談を受ける機会がよくあります。お客様の症状を聞いたうえで、適切な医薬品を勧め、症状によっては健康食品やサプリメントなどを提案することもあります。お客さまにとって健康や薬のことを気軽に相談できる薬剤師は、ドラッグストアにとって欠かせない存在なのです。薬剤師としてお客様のセルフメディケーションに貢献できるのは、ドラッグストア勤務ならではのやりがいといえるでしょう。
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まとめ
ドラッグストアの業務では、ビジネス的な視点を持つことが必要です。仕入れや販売、店頭の陳列など、どのような方法で売り上げを伸ばしていくのかを考えなくてはなりません。また、これから高齢化社会を迎えるにあたり、ドラッグストアは地域の健康管理ステーションとしての役割を期待されています。お客さまに適切な商品が提供できるよう、薬剤師としてこれまで以上に知識やスキルを身につけていくことが大切でしょう。
ファルマラボ編集部
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