ファルマスタッフ薬学生
  • 公開日:2022.01.19

薬学部の研究室はつらい?満足できる研究室の選び方

薬学部の研究室はつらい?満足できる研究室の選び方

薬学部では3、4年生になると研究室へ配属され研究活動が行われます。卒業論文も研究室での特別実習が対象となるため、大学生活の後半は自分の選択した研究室で過ごすことがほとんど。そのため、どのような基準で研究室を選ぶか迷っている学生も多いのではないでしょうか。また、実際に自分が選んだ研究室が合わず、ストレスを感じている方もいるかもしれません。

そこで今回は、後悔しない研究室の選び方や、つらいと感じる研究室での対処法などについて解説していきます。

研究室はどうやって選ぶ?ポイントを解説

研究室a

どの研究室を選ぶべきか悩んでいる薬学生も少なくありません。それだけ薬学部の研究室は内容が多岐にわたり、様々な視点で考えなくてはならないからです。多くの貴重な時間を研究室で費やすわけですから研究室選びは慎重にいきたいところ。では、どのような基準で研究室を選ぶとよいのでしょうか。

ここでは、研究室選びのポイントについて解説していきます。

自分の将来に活かせる研究内容を選ぶ

一番大切なのは卒業後の進路です。自分が働きたいと思っている業界(薬局、病院、ドラッグストア、製薬会社、一般企業)や職種(薬剤師、研究職、開発職、MR)などの方向性をある程度決め、そこに進むためにどのような研究に携わればよいかを考えてみましょう。

志望する職種によって異なりますが、研究室の内容によって有利不利が生じるケースもあり、とくに研究職や開発職はそれが顕著にあらわれます。あとになって「こうすればよかった...」と後悔しないよう、詳しく調べてから研究室を選びましょう

教授との相性

研究室に配属になると、研究の相談や報告会での進捗報告など、今まで以上に教授と密に関わるようになります。そのため、教授の人柄が自分に合うか合わないかを確認することはとても重要。その教授の講義を受けてみる、先輩に評判を聞くなどして、教授の人柄は必ず把握しておきましょう。また、教授の研究分野での知名度や研究費を調べておくのもポイントです。

同期や先輩などの人間関係

教授との相性同様に同じ研究室の先輩や同期との相性も大切なポイント。大学生活の後半は同じ研究室のメンバーと過ごす機会が多くなるので、仲のよい友達がいると安心して通うことができます。試験も一緒に乗り越えられるのが最大のメリットですね。

ただし、申込の人数が多いと定員オーバーで一緒になれないこともあるので、その点は注意が必要です。 また、研究室の卒業生の就職先について、傾向を調べておくと今後の参考になるので事前に質問しておくとよいでしょう。

コアタイム

研究室には「コアタイム」と呼ばれる、必ずいなくてはいけない時間が設定されています。「コアタイム」の時間帯は研究室によってそれぞれ。「コアタイム」が長いと、国家試験の勉強やアルバイトなどにも影響が出ます。夏休みや春休みに研究室に通う頻度も様々なので、じっくりと考えて選択しましょう。教授が全体講義の際に説明した内容と違ったといったケースもあるので、研究室の先輩に確認することがおすすめ。

薬剤師として働くことを志望している場合は、国家試験に合格することが第一となるので、試験勉強の時間を考慮して研究室を選ぶことが大切です。

研究室がつらい理由と対処法

研究室c

大学生活後半、充実した研究室生活を送る人も多いですが、なかには研究室がつらいと感じる学生も。研究室通いに抵抗を感じたとき、どのように対応すればよいのでしょうか。ここでは、研究室がつらいと感じる理由や、薬学生の先輩が実践していた対処法について解説していきます。

研究室がつらい原因

基本的には前項で先述したポイントに当てはまる部分が多いのですが、原因としてコアタイムを超えて研究が夜や土日になってしまうこと、教授と合わないと感じることや研究室の人間関係がうまくいかないことなどが挙げられます。 また、自分の将来と研究内容がフィットしておらず、モチベーションが上がらないことも原因の一つ。薬剤師の業務に直接関係ないと感じていることに、多くの時間を費やすのがストレスになっている場合もあるようです。

そのほか、実験がうまくいかず何度もやり直すことなど、様々な原因が積み重なってつらいと感じている学生も。思っている以上に研究室がつらいと感じている学生は多いのかもしれません。

研究室がつらいときの対処法

●case1.モチベーションの上げ方

調剤薬局の薬剤師としての将来を考えていて、研究室での実験が自分の将来に役立つのか疑問に感じるといった意見をよく耳にします。確かに、研究する時間を国試対策のために使いたいと考える方も多いでしょう。

しかし、一見不要にみえることでも、何らかの参考になるときが来るかもしれません。 実際に、「実験を繰り返すことで試行錯誤する習慣がついた」「研究者の目線で考えるようになった」などプラスの捉え方がマネジメントやマーケティングに活かせるようになることも。

少しだけ肩の力を抜き、長い目で見てよい経験ができると考えましょう

●case2.上手な時間の使い方

研究室の実験などは慣れてくると実験のポイントも把握できるようになるので、実験中の時間の使い方を工夫しましょう

息を抜くときは抜いて、ほかの作業をするなど効率的に使うようにするとちょっとした気分転換にもなります。最初から100%の力を発揮しようとすると心を消耗してしまうものです。

●case3.相性の悪い教授との関わり方

何ごとも相性が悪いよりは良い方がスムーズに進みます。

教授と良い関係を築くには、最低限のルールを守ること。挨拶や礼儀はもちろん、研究に関しての相談もまめに行ってみましょう。苦手だからといって毛嫌いしていては良い関係を築くことはできません。不愛想な教授も、研究に興味を持ってくれる学生に対しては好意的に接することがあります。

相性の善し悪しは教授に限ったことではなく、一般的に誰もが感じることなので、あまりネガティブに捉えないようにしましょう。

●case4.イベントについての考え方

研究室のイベントについては必ず参加しなくてもOK。教授が参加するときは参加、バイトが無いときは参加、お金に余裕があるときは参加...など自分なりにルールをつくってみるのもよいかもしれません。

●case5.同期や先輩との関わり方

人間関係がつらい...といった悩みは、信頼できる友人や先輩に相談してみるとよいでしょう。解決には至らなくても、聞いてもらうだけでスッキリすることがありますし、友人や先輩のなかには同じような考え方を持っている人がいるかもしれません。決して一人で抱え込まずに周りの人を頼ってみるのも一つの方法です。留年などで信頼できる相談相手がなかなかみつからないといった場合は、大学のカウンセラーに相談してみるとよいでしょう。

研究室を変えたらいけないの?

研究室d

つらいと感じていろいろ対処してみたけれど、「どうしても研究室に行きたくない...」「朝が来たら研究室に行かなくてはならない...」といった不安を抱えている方もいるかもしれません。

基本的に、一度配属された研究室を変更するのはおすすめしませんが、大きなストレスを感じている方や日常生活に支障をきたしている方は、思い切って研究室を変えてみるのも一つの方法です。

研究は卒業のために必要なものではありますが、自身の心や体を削ってまで行うものではありません。まずは、友人や先輩、家族に相談して自分の気持をわかってもらいましょう。大学のカウンセラーに相談するのもおすすめです。一人で悩まず解決の方法をみつけていきましょう。

くれぐれも「退学」を考えることのないように!心を休めて考え直すことで、たくさんの選択肢がみつかります。今まで積み上げてきたものを無駄にしないように広い視野で物事を考えてみましょう。

新卒・第二新卒の方におすすめ!Webでのご相談も可能です。 若手薬剤師向けお仕事相談会

まとめ

今回は、後悔しない研究室の選び方や、つらいと感じる研究室での対処法などについて解説しました。

研究室は一度選択すると簡単には変えられません。思いつきなどで選ぶと失敗することがありますので、情報収集を欠かさず行い慎重に選択しましょう。また、配属先の研究室がつらいと感じるときは、一人で悩まずまわりの友人や先輩に相談しましょう。

皆さんのキャンパスライフが充実するよう、ファルマスタッフはこれからも皆さんを応援していきます。

ファルマラボ編集部

「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。

記事掲載日: 2022/01/19