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  • 公開日:2023.08.31

個人薬局勤務が向いている薬剤師は?転職するメリット・デメリット【転職コンサルタントに聞いた】

個人薬局勤務が向いている薬剤師は?転職するメリット・デメリット【転職コンサルタントに聞いた】

「大手の薬局で勤めてきたけど、ヘルプが多くて毎日疲弊している」

「子どもや家庭のことに対応できるように、もう少し柔軟に働きたい」

「自分自身が一番力を発揮できる環境で働きたい」

このような悩みから転職を考える方もいるでしょう。

働きやすい環境は、個人の性格や向き不向きなどによって異なります。それでは個人薬局に向いている薬剤師とは、どのような方なのでしょうか?

この記事では、個人薬局に転職する際のメリット・デメリットや、個人薬局勤務が向いている薬剤師についてお伝えします。転職コンサルタントからのアドバイスも記載していますので参考にしてみてください。

個人薬局と大手チェーンの調剤薬局の違い

まずは、年収労働環境スキルアップの観点から個人薬局と大手チェーンの調剤薬局の違いを説明します。

年収

<個人薬局の場合>

個人薬局は大手と比べて薬剤師の確保が難しいため、年収を高めに設定している傾向があります。ただし、昇給に関わる個人評価が経営者の裁量に任されているため、昇給率が期待できない場合もあります。

<大手チェーンの場合>

大手チェーン薬局では人員を多く確保していることもあり、高額な年収があまり期待できない場合もあります。

労働環境

<個人薬局の場合>

個人薬局は、薬剤師の人数が少ないことでアットホームな雰囲気を感じやすいという特徴があります。

休みの取りやすさに関しては、人員が少ないことで有給休暇が取りにくく、急に仕事を休むことが難しかったりするケースが多くあります。

また、個人薬局のなかには設備が古い店舗も多くあり、紙薬歴や手書きの薬袋を使用することで業務効率が悪い場合も。

<大手チェーンの場合>

大手チェーン薬局では新しい設備が整っている傾向にあるので、業務を効率よく快適におこなえるでしょう。

しかし、患者さまへの対応マナーや服装規定が厳しい傾向はあります。

また、大手チェーン薬局は店舗数が多い傾向があるため、店舗間での異動やヘルプを頻繁に求められる場合もあります。

スキルアップ

<個人薬局の場合>

個人薬局では店舗間異動やヘルプがない分、限られた店舗での調剤や服薬指導をおこないます。

そのため取り扱う疾患や処方薬に変化がなく、上昇志向が強い薬剤師にとっては経験できる範囲が限られるため刺激が少ない可能性も。

<大手チェーンの場合>

大手チェーン薬局は、個人薬局と比べるとスキルアップにつながりやすいでしょう。大学病院などの大病院の門前薬局になっている場合や、店舗間異動・ヘルプをする場合が多く、幅広い診療科目の薬を扱えます。

また、薬剤師としてのスキルアップに必要な研修や勉強会といった環境も充実しています。

本社での人事や企画、運営管理などの大手チェーンならではの業務を任せられる場合もあるため、薬剤師として調剤以外のスキルを得ることも可能です。

個人薬局と大手チェーン。働き方のメリットとデメリットは?

個人薬局と大手チェーン、働き方のメリットとデメリットは?

ここでは、勤務する薬剤師の視点から見る個人薬局と大手チェーンの働き方のメリット・デメリットについて紹介します。

個人薬局のメリット・デメリット

まずはじめに、個人薬局のメリット・デメリットについて紹介します。

個人薬局のメリット

個人薬局は地域密着型であることから、患者さま一人ひとりと深く関われます。顔なじみの関係になることで、薬剤師として患者さまの体調の異変にも気づきやすくなるでしょう。地域の患者さまから頼りにされることで、対人業務に強いやりがいを感じることができます。

また、店舗間異動がない、もしくは少ないこともメリットです。自宅から近い個人薬局を選ぶことで通勤時間の短縮につながります。子育て中の方は、家庭と両立しながら無理なく勤務を続けることができます。

個人薬局は経営者との距離が近いため、自分の意見が反映され、働きやすい職場に変えていける可能性もあります。

個人薬局のデメリット

人員が少ない分、休暇を取るときに「自分が休むことでほかの人に迷惑をかけてしまう」と心理的ストレスを感じてしまう可能性があります。緊急時の場合は、体制が手薄になることも予想されます。

アットホーム感が強い場合、人間関係が良好な場合が多いものの、店舗間異動がない。もしくは少ないことで人間関係が悪化した場合、逃げ場がなくなってしまう恐れがあります。

小さな個人薬局だと、M&Aで売却された場合に入社時と条件が変わるリスクがあるので注意が必要です。

研修や教育体制はあまり整っていない店舗が多いため、未経験の方やブランクがある方は業務に慣れるまでに時間がかかるかもしれません。

大手チェーンのメリット・デメリット

次に、大手チェーン薬局のメリット・デメリットについて紹介します。

大手チェーンのメリット

大手チェーン薬局は従業員数も多く、会社の福利厚生制度が整っているため、定期的に休みを確保しやすい環境にあります。

また、研修制度も充実しているため、未経験の方やブランクがある方でも働きやすいでしょう。

大手は資金力がある分、薬歴の音声入力や自動監査システムの導入などの設備投資が十分にされているため、快適に業務ができる場合も多くあります。

扱う科目や薬が多い傾向にあるため、薬剤師としてのスキルアップにもつながり、やりがいを感じられるでしょう。

大手チェーンのデメリット

患者さまの数が非常に多いため、一人ひとりに対して綿密な対応が難しい傾向にあります。

また、店舗間異動やヘルプが多いことで、慣れない店舗での勤務に疲弊したりストレスを感じやすくなる場合も考えられるでしょう。

職場環境に不満がある場合でも、大手だとなかなか意見が通りにくいため、我慢して働き続けなければならない可能性もあります。

転職コンサルタントに聞いた、個人薬局勤務が向いている薬剤師は?

転職コンサルタントに聞いた、個人薬局勤務が向いている薬剤師は?

ここでは、転職のプロである転職コンサルタントの目線から、個人薬局勤務に向いている薬剤師の特徴について紹介します。

<個人薬局勤務に向いている薬剤師の特徴>

  • 目まぐるしい店舗間異動やヘルプに疲れてしまった
  • 薬局経営を学びたい
  • 自宅から近い勤務地を希望する
  • ルールが厳しくないところで働きたい

  • 個人薬局であれば、店舗間異動やヘルプがあったとしても限られた範囲でおさまるため、度重なる環境の変化に疲弊してしまった方におすすめです。

    また、個人薬局は経営者との距離が近いため、将来的に薬局経営を考えている方にとっては学びが多い環境でしょう。

    個人薬局はルールが少ない店舗が多いため、従業員一人ひとりの事情に合わせて勤務時間や休みの調整など相談しやすい環境です。

    個人薬局へ転職に関してよくある質問

    ここでは、個人薬局への転職に関するよくある質問に回答します。

    【Q】志望動機を書くにあたって、ブランクや未経験、転職回数の多さなどのマイナスポイントを伝えるコツはありますか?

    【A】マイナスポイントは事実として伝えつつも、前向きな言葉を記載しましょう。

    例としては、以下のような文言があげられます。

  • 「未経験だからこそ調剤業務への興味が強く、地域密着型の貴社薬局で地域住民の健康づくりに携わる薬剤師になりたいです。」
  • 「豊富な経験により、貴社の(足りてない)◯◯の面で力を発揮できます。」
  • また、個人薬局への転職に関しては今後永住予定かどうかもポイントになるため、長く勤めたい旨を伝えることも大切です。履歴書の内容より、人柄重視になるので、しっかりと面接で前向きな言葉でアピールできると良いでしょう。

    【Q】個人薬局の経営方針はどのようなものが多いですか?

    【A】各法人・個人事業主によって異なるため一概には言えませんが、基本的には無理に店舗を増やさず、既存の店舗の収益を確保する動きがあります。

    ただし、薬局によっては地域支援体制加算をとるために在宅の獲得を積極的におこなう会社もあります。

    かかりつけや在宅獲得の熱量はそこまで高くないので、大手チェーン薬局と比べるとプレッシャーに感じることは少ないでしょう。

    「ひとつの店舗で落ち着いて働きたい薬剤師」には個人薬局がおすすめ!

    調剤や投薬などの一般的な業務は、個人薬局でも大手チェーン薬局でも基本的には同じです。

    家の近くの薬局で落ち着いて働きたい方や、薬局経営を学びたい方は、個人薬局での勤務がおすすめです。

    経営者の方針やどんな人が勤めているかで職場の雰囲気は全く異なるため、転職前に職場の雰囲気を確認しておきましょう。

    ファルマラボ編集部

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    記事掲載日: 2023/08/31

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