- 公開日:2021.05.06
【薬剤師転職】面接で聞かれやすい質問と受け答えのポイント
薬剤師が活躍できる職場として調剤薬局やドラッグストア、病院などが挙げられますが、ほとんどの職場において採用活動に面接が取り入れられています。面接に苦手意識のある方は多いものの、質問される内容はある程度決まっているため、事前にしっかりと対策を行うことで、落ち着いて本番に臨めるものです。
この記事では、面接における基本的な質問と回答のポイントについて、くわしく解説していきます。年代別によく聞かれる質問や、未経験などマイナス要素がある場合の回答ポイント、「逆質問」で聞くべき内容についてもあわせてみていきます。
- 面接における基本的な質問と回答のポイント
- 【年代別】20代・30代・40代のそれぞれで聞かれやすい質問とは
- 未経験、ブランク...マイナスな要素がある場合の回答ポイント
- 「逆質問」で聞くべきことは?印象をよくするコツ
面接における基本的な質問と回答のポイント
調剤薬局やドラッグストア、病院など薬剤師の職場はさまざまですが、面接で問われる内容は大きく変わりません。ここでは、面接での基本的な質問と回答のポイントについて、みていきましょう。
自己紹介をお願いします
これまでどんなことに取り組んできて、どんな特徴のある人物なのかといった、自分という人間の「人となり」を簡潔に伝えます。自己紹介が長すぎる、自己PRを強調しすぎるといったことがないよう注意が必要です。話す際はハキハキとした口調を意識しましょう。
これまでの経歴を教えてください
これまで担当した業務や、自身の強み(スキル、成果)について、ポイントを押さえて簡潔に伝えます。経歴は業務内容やそこで得た成果をそのまま伝えるのではなく、成果を出すためにどのような工夫をしたのかもしっかりと説明しましょう。
前職の退職理由を教えてください
前職に対する不満などのネガティブな内容は避け、「御社であれば、○○が実現できる」などのポジティブな内容を伝えます。退職理由と自身が薬剤師として実現したいことをリンクさせ、前職における課題が転職によって解消されるという流れを意識しましょう。
志望動機を教えてください
企業の特徴を理解・把握し、「数ある企業のなかでどうして志望するのか」を伝えます。退職理由と一貫性をもたせたうえで、自身の経験やスキルのなかから業務に活かせる点をアピールしましょう。給与や福利厚生など、待遇面を志望動機にするのは避けるべきです。
長所と短所を教えてください
まずは「私の長所(短所)は○○です」と結論を述べたうえで、具体的な内容を伝えます。実際のエピソードを交えることで説得力が増し、採用担当者の印象に残りやすくなるでしょう。短所を伝える際は、それを補うための意識や行動もあわせて説明が必要です。
今後のキャリアプランを教えてください
3年後、5年後の目標など中長期的な目線での発言が求められます。薬剤師としてどのように成長していきたいか、成長のためにどのような行動をとるかなど、なるべく具体的に説明しましょう。また、キャリアプランの実現により会社にどのような貢献ができるのかについても、企業側の求める人物像と重ねながら話すことがポイントです。
【年代別】20代・30代・40代のそれぞれで聞かれやすい質問とは
20代、30代、40代と、年代によって聞かれやすい質問は変わってきます。それぞれの年代ごとの基本的な質問と、回答のポイントについてみていきましょう。
20代の若手薬剤師
20代薬剤師の転職で質問されやすい内容には、以下のようなものがあります。
【回答のポイント】 20代の若手薬剤師では、経験年数も少なく担当してきた業務の幅も狭いため、現在のスキルや経験よりも今後のポテンシャルを期待して採用される場合がほとんどです。転職後の職場では覚えなくてはならない業務も多いため、新しいことに積極的に取り組んでいく姿勢や熱意をアピールしましょう。
30代の中堅薬剤師
30代薬剤師の転職で質問されやすい内容には、以下のようなものがあります。
【回答のポイント】 30代の中堅薬剤師では、薬剤師として一通りの業務を行えるようになっている前提で、後輩育成などのリーダーシップや管理職へのステップアップが求められるようになります。また、20代と違い即戦力として扱われるため、転職先でどのように貢献できるかのアピールも必要です。
40代以上のベテラン薬剤師
40代以上薬剤師の転職で質問されやすい内容には、以下のようなものがあります。
【回答のポイント】 40代以上のベテラン薬剤師はマネジメント経験を積まれた方も増えてくる年代のため、店舗運営や経営の側面で中心的な役割を担うことが期待されています。20代、30代と比べてもハイレベルな業務を求められるため、着実に成果を残せることをこれまでの経験から具体的にアピールしましょう。
未経験、ブランク...マイナスな要素がある場合の回答ポイント
未経験業種への転職や長いブランク、転職回数が極端に多いなど転職に際しマイナスな要素がある場合は、その理由について深く質問されることも。ここでは、そのような場合の回答についてポイントを解説します。
未経験業種への転職
未経験の業種へ転職する場合には、新しいことに対して前向きに取り組む姿勢のアピールが重要です。たとえば、すでにその業種について知識習得のため勉強をしているなど、経験がないぶん熱意を伝えるよう心がけましょう。また、ある程度年齢が上がって未経験業種に挑戦する場合は、年下に業務を習うケースもあるでしょう。そのような環境にも問題なく適応できると伝えるため、謙虚さやコミュニケーション能力をアピールするのも大切です。
仕事にブランクがある
ブランクの期間中にどのように過ごしていたかを説明する必要があります。薬剤師として今後のキャリアに役立つ勉強をしていたなど、前向きな姿勢が見えればブランクがあってもマイナスな印象にはなりません。育児や介護など、採用担当者が納得する理由であれば正直に伝えましょう。
正社員経験が少ない
正社員で就業しなかった理由や自身のキャリアに対する考えを、こちらもポジティブに説明しましょう。最近ではWワークなどで、あえて正社員の働き方を選択しない方も増えてきています。育児や介護などやむを得ない理由は、ブランクがある場合同様、正直に伝えて問題ありません。責任感や仕事に前向きに取り組む姿勢が伝われば、評価が落ちることはないでしょう。
退職理由がネガティブ
人間関係や雇用条件(残業の多さ、給与の低さなど)などは、そのまま説明すると「ここでも嫌なことがあったらすぐに辞めてしまわないか」と捉えられる可能性が高くなります。たとえば職場の人間関係が悪く退職した場合は、前職での経験を話したうえで「今後は周囲のスタッフとこまめに意思疎通を図りながら仕事を進める」など、苦い経験から得た学びを次の職場でどのように活かすかを伝えるよう心がけましょう。
転職回数が多い
薬剤師は比較的転職の多い職業ですが、1社ごとの就業期間が短かったり、頻繁に転職を繰り返したりしている場合には説明を求められるケースも多くあります。ネガティブな理由を伝えるのは避け、どのような軸で転職してきたかや、今後のキャリアプランについてポジティブに伝えましょう。しっかりと自分の考えを説明すれば、マイナス評価になる可能性は低くなります。
「逆質問」で聞くべきことは?印象をよくするコツ
採用担当者から面接の最後に、「何か質問はありますか?」と聞かれる「逆質問」は必ずあると言っても過言ではありません。逆質問は最後のアピールチャンスであり、採用担当者も何らかの質問を期待しているため、「何もありません」と答えるのは避けましょう。ここでは、逆質問としてふさわしい質問や、避けるべき質問について解説していきます。
逆質問で聞くべき質問とは
ふさわしい質問には、大きくわけて2通りあります。
志望度の高さをアピールする質問
自身の長所をアピールする質問
逆質問は面接最後のアピールの場と捉え、前向きな姿勢や熱意が伝わる質問を心がけます。逆質問を通して、入社後の仕事に対する意欲や、企業に貢献できる点を採用担当者に伝えられると良いでしょう。
【NG例】逆質問で避けるべき質問とは
逆質問で避けるべき質問には、以下のようなものがあります。
事前に企業について調べていない、話を聞いていないなどが透ける質問内容は、採用担当者の印象を悪くします。雇用条件や福利厚生についての質問は必ずしもNGではありませんが、待遇面の話が中心となるのは避けましょう。聞きにくい内容については、あとから転職コンサルタントに確認してもらうこともできます。
まとめ
この記事では、面接における基本的な質問と回答のポイントについて解説してきました。対物業務から対人業務への転換を背景に、薬剤師の採用における面接の役割は、これまで以上に大きくなりつつあります。採用を勝ち取るためには、事前準備はぬかりなく行いましょう。
面接は受けて終わりではありません。面接の内容を振り返り、自身を見つめ直すことも大切です。面接前に行き詰まったり悩んだりしたら、経験豊富な転職コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか。
ファルマラボ編集部
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