薬局探訪
2018.03.06

セコム医療システム株式会社 インタビュー

セコム医療システム株式会社 インタビュー

管理薬剤師 長野 一勢さん
薬剤サービス部 部長 黒岩 泰代さん

未来の当たり前を創る

セコムグループの医療分野を担うセコム医療システム株式会社が運営しているセコム薬局様。在宅を中心として、チーム医療の推進と地域の医療や介護のネットワーク化を行なっています。 「あらゆる不安のない社会」を目指し、社会にとって「安心・安全」で「便利・快適」なサービスを創造するセコム薬局様にお話をお聞きしました。


「あらゆる不安のない社会」を目指し、医療分野に進出


最初に、会社のご紹介をお願いします。

セコム薬局はセコムグループのセコム医療システム株式会社が運営しています。現在、東京杉並、武蔵境、新大阪の3店舗となります。 在宅を中心として、自宅で療養されている患者様に対し、訪問服薬指導を行っています。訪問後には主治医に報告書を提出したり、必要に応じて、訪問看護師さんや他の医療スタッフとも連携し、患者様ごとのオーダーメードの在宅医療を行なっています。

imageお伺いしたセコム薬局杉並は、京王井の頭線久我山駅の目の前にあります。

セコムグループが医療分野に進出した経緯を教えてください。

セコムグループは、日本初のセキュリティ会社としてスタートしています。ですから、医療分野の事業を行っているのは、意外に思われる方も多いかもしれません。 グループとして共通していることは、セキュリティサービスの根本にあるのは、お客様の「健康や命」を守ることは究極の「安心・安全」である、ということです。 私たちは外からの侵入だけでなく、「あらゆる不安のない社会」を目指し、社会にとって安心で便利で快適なサービスを創造しています。それらを統合化・融合化して、トータルな新しい社会システムとして提供する「社会システム産業」の構築を進めています。 日本初としてはじまったセキュリティサービスも、現在では一般化していますよね。このように私たちは、「未来の当たり前」を創ることを使命としています。

セコム調剤薬局様の特徴を教えてください。

先進的に在宅医療に取り組んでいる点です。薬局だけでなく、予防、急性期医療、回復期医療、慢性期医療、在宅医療、介護事業までITでつなぎ、シームレスな地域医療連携モデルを構築しています。 杉並に出店したのも、加速する高齢社会が深刻になることが予想される地域であったからです。地域医療を実現させるために、提携病院として、久我山病院、荻窪病院があります。今後も地域医療が発展するような事業展開をして行きたいと考えています。

在宅医療に力を入れているのはどうしてですか?

平均寿命が伸び、今後高齢社会が進んでいくことは以前より予想されています。そんな中、入院をするのではなく、自宅で療養したいとお考えの方も多くなっています。こうしたご要望に対して、セコムグループが率先してできることが在宅医療だと考えています。

チーム医療の推進と地域の医療や介護のネットワーク化を推進


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黒岩部長のお仕事を教えてください。

セコム薬局の統括をしております。店舗の運営は各薬局長が行っていますので、俯瞰的な視点から地域連携や新しいサービスを考えています。 私は前職では病院薬剤師をしておりました。患者様へのどんなケアの際に見せてくださる笑顔も、患者様が退院をする時に見せてくださる「家に帰れるんだ」と言う笑顔にはかないません。患者様の笑顔が見たい、そして、これからは在宅の時代が来ると考えていたところに、セコム薬局が在宅を中心とした展開をしていることを知り、入社しました。

長野さんのお仕事を教えてください。

杉並店の管理薬剤師をしています。地域の病院や介護施設などと連携し、患者様をサポートする地域医療を推進しています。私は以前、門前の薬局に勤務しておりました。より患者様に寄り添い、笑顔を見ることができる仕事がしたいと思い、セコム薬局に入社しました。

セコム薬局の特徴を活かすために取り組んでいることはありますか?

チーム医療の推進と地域の医療や介護のネットワーク化です。セコム医療システムでも、健康管理、医療、介護・福祉、在宅医療、医療のIT活用など総合的な連携を行っています。

御社は、どんな社風でしょう?

企業風土としては、永遠のベンチャー企業だと思います。常に新しいことに取り組み、「現状打破」をスローガンとしています。これまでの常識にとらわれず、新しい社会システムの構築を目指しています。新しく産業を創出し、生活の向上に貢献する「未来の当たり前の創造」に全社で取組んでいます。

5年先、10年先の社会システムを作っているという意識で仕事ができる


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キャリアプランはどのようになっていますか?

セコム医療システムでは医療全般の事業を行っていますので、薬剤師という枠にとらわれず、多岐にわたる仕事をすることができます。現場からの提案も、よいものであれば通りやすい社風だと思います。実績によってマネジメント職になり仕事の幅を広げることも可能です。

セコム薬局の教育制度はどのようになっていますか?

社会人教育、リーダーシップなどの基本的な研修制度は整っています。薬局では項目毎にてチェックシートを使用しての教育確認をしています。薬局内だけでなく、セコムグループの提携病院薬剤部会で実施する薬剤師の新人研修や中堅マネージャー研修もあるので、横の繋がりも広げることが出来ます。また他職種との連携、カルテの読み方等の研修の為、セコムグループの提携病院での研修等も実施しています。こう言ったところはセコムグループならではだと思います。 薬局での訪問服薬の研修に関してはOJTを中心としています。やはり、現場で気づくことが多いからです。

在宅のやりがいを感じる点を教えてください。

患者様に寄り添っているという実感があることです。患者様の笑顔を見ることがやりがいにつながります。例えば、現在「残薬」が問題となる事が多いですが、患者様は入院中は病院での規則正しい生活をしますが、自宅ではご自身の生活パターンに戻ってしまいます。入院中は1日3回食後と処方されたお薬でも、患者様によっては1日2度の食事の為、薬を飲むタイミングを逃してしまう為に残薬が発生する事もあります。こうした場合、薬剤師は御自宅で食後の指導をするだけでなく、生活スタイルや、患者様の状況に合わせた処方提案等を考える必要があります。生活を直接見ることで考える事の出来る処方提案は在宅の現場でしか学び経験することができません。 また、薬局単体では無く他職種と連携する事で、介護予防への取り組みや、医療情報の発信等を積極的にする事で、この地域の5年先、10年先の社会システムを作っているという意識で仕事ができるので、使命感も強くなります。

セコム薬局での具体的なお仕事はどのようになりますか?

定期的に1日に4~5人の患者様の元に伺い、服薬指導をします。患者様の様子を見て、提携病院、ケアマネ、訪問介護、訪問看護など、他業種の方々とチームをくみ、カンファレンスを行なっています。 カンファレンスでは、バイタルサイン、アセスメントを共有しています。また患者さんの情報をリアルタイムで収集する事を目的に薬局内で一部の往診クリニックの、電子カルテの共有などIT化も推進しています。

福利厚生はどのようになっていますか?

セコムグループの福利厚生と同じです。有給休暇はもちろん、産休、育休、介護休暇などの制度もあります。グループ全体で人事制度が整っておりますので、それぞれの社員の立場は守られています。 在宅は患者様対応が大切ですが、仕事の負担を大きくしないために、チームで仕事を分担しています。他業種との連携も含め、薬剤師の負荷が大きくならないようにシフトを組んでいます。

在宅に関心が高く、人と関わることが好きな方にきていただきたい


在宅の薬剤師にとって大切なことは?

1:コミュニケーション力
2:薬に関する知識
3:医療全般に渡る知識
となりますが、患者様に寄り添うという想いが大切だと思います。 知識や経験は会社がバックアップしてくれますので、何より人に寄り添うという気持ちがある人でしたらよい仕事ができると思います。

採用の流れはどうなっていますか?

書類審査後、パート採用の方は、現場での面接で決定しています。正社員の方は、セコムグループ全体の入社試験と同じく、適性検査と面接、健康診断を受けていただき、総合的に判断しています。 また、ご希望があれば店舗見学をして頂き、仕事の内容を理解していただいています。その上で、やりたいと思っていただける方は、入社試験へ進んでいただいています。

どんな人を採用していますか?

在宅に関心の高い人です。人と関わることが好きな方を採用しています。

民、官、学の在宅医療プラットホームを構築したい


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今後の展開を教えてください。

5年先、10年先を見据えて、患者様に寄り添う医療を広げていきたいと思います。 そのために、当社が単独でやるのではなく、民、官、学の在宅医療プラットホームを構築したいと思っています。モデルケースとして成功例を作り、広く展開したいと思っています。

セコム薬局をひと言で表現するキャッチフレーズはどのようになりますか?

「未来の新しい当たり前を創る」ということになります。

最後に、入社を希望する方にメッセージをお願いします。

様々な業種の方々と連携する医療のやりがいを感じていただける職場だと思います。チーム医療に関心のある薬剤師さんがぜひ一緒に仕事をしましょう。 在宅に本気で取り組みたい薬剤師さんはぜひご応募ください。経験は問いません。会社がサポートしますのでご安心ください。

取材者後記


5年後10年後当たり前になっている医療を創る、ということも第一に、周辺の医療機関と積極的に連携しながら地域医療の拡大に取り組むセコム薬局さん。 今後より社会に必要となることが予測される在宅医療。在宅医療の重要性について熱心にお話をされる黒岩様、長野様のお姿に、在宅医療に本気で取り組んでいきたいとお考えの方であれば、第一線で活躍する力が身につく環境だと感じました。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2018/03/06

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