- 公開日:2022.03.31
「第107回薬剤師国家試験」結果発表について
2022年3月24日。厚生労働省より「第107回薬剤師国家試験」の結果が発表されました。
プレッシャーを乗り越え、みごと合格された皆さま、本当におめでとうございます。
新型コロナウイルス感染症の蔓延が懸念されるなか、国試受験に関しては多くの不安があったことと思います。しかし、自分を信じ努力を積み重ねた結果がここにあります。これからも様々なことにチャレンジし、薬剤師としての新たな道を進んでいきましょう。
今回は「第107回薬剤師国家試験」の結果について詳しく解説していきます。
受験者数と合格率について
第107回国試合格者数
第107回薬剤師国家試験の合格者数は次の通りです。
第107回薬剤師国家試験
受験者数 14,124人 合格者数 9,607人 合格率 68.02%近年の合格者推移
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第103回 | 13,579人 | 9,584人 | 70.58% |
第104回 | 14,376人 | 10,194人 | 70.91% |
第105回 | 14,311人 | 9,958人 | 69.58% | 第106回 | 14,031人 | 9,634人 | 68.66% |
第107回 | 14,124人 | 9,607人 | 68.02% |
上のグラフからも分かるように、合格率は年々低下しており、今回の第107回に関しては68.02%と前回に引き続き70%を切っています。試験の難易度は昨年の第106回と同程度といわれていますが、合格率低下の原因として、昨年度から合格基準が完全相対評価制になったことも関係しているとの見方も。 おそらく今後も少しずつ合格基準は低下していき、数年後には合格率が65%ぐらいまで低下することが予想されています。
参考:試験回次別合格者数の推移 厚生労働省男女別合格率について
第107回薬剤師国家試験の男女別合格者数は次の通りです。
第107回薬剤師国家試験
男性受験者数 5,480人 合格者数 3,489人 合格率 63.67% 女性受験者数 8,644人 合格者数 6,118人 合格率 70.78%近年の男女別合格者推移
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第102回 男性 | 5,435人(41.04%) | 3,690人(38.93%) | 67.89% |
女性 | 7,808人(58.96%) | 5,789人(61.07%) | 74.14% |
第103回 男性 | 5,495人(40.47%) | 3,739人(39.01%) | 68.04% |
女性 | 8,084人(59.53%) | 5,845人(60.99%) | 72.30% | 第104回 男性 | 5,753人(40.02%) | 3,956人(38.81%) | 68.76% | 女性 | 8,623人(59.98%) | 6,238人(61.19%) | 72.34% | 第105回 男性 | 5,678人(39.68%) | 3,823人(38.39%) | 67.33% | 女性 | 8,633人(60.32%) | 6,135人(61.61%) | 71.06% | 第106回 男性 | 5,375人(38.31%) | 3,436人(35.67%) | 63.93% | 女性 | 8,656人(61.69%) | 6,198人(64.33%) | 71.60% |
第107回 男性 | 5,480人(38.80%) | 3,489人(36.32%) | 63.67% |
女性 | 8,644人(61.20%) | 6,118人(63.68%) | 70.78% |
男女別にみると、第107回の受験者は男性5,480人(38.80%)、女性8,644人(61.20%)とここ数年大きな変化はありません。過去5年の合格者数、合格率についてはともに男性より女性のほうが高い傾向にあります。
設置主体別合格率について
第107回薬剤師国家試験の設置主体別合格者数は次の通りです。
第107回薬剤師国家試験
国立大学受験者数 634人 合格者数 535人 合格率 84.38% 公立大学受験者数 279人 合格者数 226人 合格率 81.00% 私立大学受験者数 13,210人 合格者数 8,846人 合格率 66.96%近年の傾向からみて、国立、公立大学は毎年合格率が安定しています。私立大学は、それぞれの大学で国家試験に対しての考え方や取り組みが異なり、大学によって合格率に差が生じています。
【合格率上位大学】
順位 | 大学名 | 合格率 |
---|---|---|
1位 | 金沢大学 | 95.24% |
2位 | 名城大学 | 92.51% |
3位 | 徳島大学 | 91.94% |
4位 | 昭和大学 | 90.95% |
5位 | 医療創生大学 | 90.57% |
6位 | 北海道大学 | 88.89% |
6位 | 東北大学 | 88.89% |
6位 | 京都薬科大学 | 88.89% |
9位 | 東邦大学 | 87.99% |
10位 | 広島大学 | 87.23% |
ここ数年の上位では、金沢大学(95.24%)名城大学(92.51%)医療創生大学(90.57%)京都薬科大学(88.89%)の名前が目立っています。
参考:第107回薬剤師国家試験 大学別合格者数 厚生労働省試験の出題傾向について
「難易度」に関しては、前回の第106回国家試験とほぼ同程度といわれています。近年出題数が増えてきている「代表的な8疾患」については「がん」「感染症」「循環器系疾患」からの出題がありました。それぞれの科目間の知識をつなげて解答する連問も増えているようなので、引き続きすべての科目において広く深く知識をつけていく必要がありそうです。
また、過去問からも形を変えて問われている出題がいくつかあるようなので、過去問対策とともに「新薬」や「がん」「感染症」「循環器系」に関する試験対策も行っていきましょう。
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まとめ
今回は第107回薬剤師国家試験の結果について解説しました。
国家試験合格を目標に努力を積み重ねてきた6年間。振り返ると辛いことや苦しいことも多かったと思います。しかし、今まで学んできたことは、薬剤師として多くの方の健康を支えるうえで必要なこととなるでしょう。
合格通知が届いたら、いよいよここからが薬剤師への第一歩。忘れずに薬剤師免許の申請を行いましょう。
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