- 公開日:2023.10.31
履歴書・職務経歴書の書き方(前編)【転職コンサルタントに聞いてみた!「本音のホンネ」シリーズ】vol.1
「会う」ことを大切にしているファルマスタッフ。転職を考えている皆さんに向けて、「本音で届ける」をテーマにしたコラムの連載がスタートします!今回は、転職コンサルタントの3名に「選考を突破するための履歴書・職務経歴書」について質問させて頂きました!是非、転職のご参考になれば幸いです。
- インタビュアー
- それではメディカルリソースを代表する転職コンサルタントの皆様にインタビューしていきたいと思います。
- Mさん
関西エリアを担当して5年目。薬剤師さんからの相談は年間200名、求人者との採用相談は年間100社以上経験してます。Mと申します。
条件だけではなく気持ちの部分でも寄り添いながら、転職して良かったと思える企業と出会いをサポートしています。
- Sさん
6年間首都圏を担当。毎年100名以上の薬剤師の方の転職をサポートしています。Sと申します。
多くの方の転職に全力で向き合ってきた経験を、また次の方に生かすべく日々奮闘中です。
- Yさん
首都圏を担当の後、今は東北エリアの担当3年目のYと申します。
面接の同行同席も含め、求人者と顔を合わす機会は年間200回以上。
転職という人生の一大イベントを後悔してほしくないので、なんでも相談できるコンサルタントを目指しています。
- インタビュアー
- これから内定につなげるために重要な「履歴書・職務経歴書」について質問をさせて頂きますので、よろしくお願い致します。
Q:履歴書・職務経歴書が重要になってくる場面やその重要度を教えてください。
- インタビュアー
- 薬剤師免許があれば「簡単にどんな場所でも働ける」と思っていたので、応募書類がそんなに重要とは思っていませんでした。
- Mさん
その情報はもう古いですね(笑)
薬剤師が飽和状態になりつつある昨今では、履歴書と職務経歴書、加えて適性検査を導入される企業も増えてきております。
『企業は書類選考のハードルを上げている』これが今の薬剤師の転職市場です。
- インタビュアー
- 免許さえあれば、『即採用』のイメージでした。もう今までとは違うということですね。
- Yさん
薬剤師も飽和状態なので、転職はシビアになってきていると感じます。
今は履歴書・職務経歴書をしっかりまとめる事がとても重要です。書類のクオリティで転職活動に『真摯に向き合っている=お仕事に対して真面目な方』という認識を持って頂ける事が多くなってきていると思いますね。
- インタビュアー
- 「応募書類で自身を、どうアピールするか」が重要なのですね。
- Sさん
人気の求人には、たくさんの薬剤師の応募が殺到しています。
そうなると企業も書類選考で「お見送り」を行うケースが増えてきている印象です。
- インタビュアー
- 履歴書や職務経歴書はどのくらい具体的に書けば良いのでしょうか。
- Sさん
-
そうですね。「どんな科目を経験してきたか」「1日何枚の処方箋を何人で対応したか」「在宅医療の経験の有無」等、具体的に数字に基づいた深堀りをしていくと良いと思います。
限られた面接の時間で自身の経験をお伝えするために、履歴書と職務経歴書はとても大切なツールです。
- インタビュアー
- 具体的な内容をしっかり入れ込むことが重要なんですね。
- Sさん
履歴書・職務経歴書の内容が細かく、わかりやすくまとまっていると、「この人はしっかりしていそうだな」と最初に好印象を与えることができます。面接も良い雰囲気で進む可能性が高いです。
- インタビュアー
- 応募書類の準備から、すでに戦いは始まっているんですね。
- Sさん
しっかりまとめられた履歴書・職務経歴書があることで、応募者に対して理解を深めることができますし、私達、転職コンサルタントも強みを一緒に考えることができます。
- インタビュアー
- 応募書類の作成が難しいという方の声をよく耳にします。
- Yさん
そういう時こそ転職コンサルタントに頼って頂きたいですね。
話すことで今までのキャリアを整理できますし、私達が皆様の魅力を、さらに引き出すこともできるかと思います。
Q:内定をもらえる履歴書・職務経歴書はどんなポイントがあるのか。
- インタビュアー
- 内定をもらうために履歴書のどの部分に力を注げば良いでしょうか。
- Sさん
やはり履歴書の場合、重要なのは志望動機です。
「自分の転職の軸を整理すること」を意識しながら、自身のこれまでのキャリアを書き出してみることをオススメします!
選考を受ける予定の会社の事前情報もしっかり調べていきましょう。
「自分のキャリアビジョン」と「企業理念や会社の目指すところ」が重なるかどうかが、志望動機をつくる上でのポイントになります。
- Mさん
「自分の強み」「自分の仕事への思い」「志望理由」この3点を文章に織り交ぜながら、5~7行程度にまとめられるとベストです。
短すぎると、「うちの会社が第一志望じゃないのかな?」と思われてしまいますし、長すぎても「結局何を伝えたいの?」とマイナスの印象を与えてしまう場合もあります。
- インタビュアー
- 職務経歴書も同じように意識すれば良いのでしょうか。
- Yさん
職務経歴書の場合は、「これは書かなくても良いかな」と思うことでも、まずは全部書き出してみましょう。
「特にアピールできることが何もない」と思う方は、「~に興味があるので経験したい!」というハングリーな面を書き出してみるのもアリです。それらを志望理由と関連付けるのも一つの戦略です。
- インタビュアー
- 全部書き出してキャリアの棚卸しをすることで、企業の求める人物像に当てはめていく必要があるのですね。
- Yさん
自身をもっと知るためにも今までのキャリアの整理がとても重要になります。
「自分がどういう働き方や経験をしたいか」「どのような点にやりがいを感じるか」「得意・苦手」等。
書き出してみて、選考に進める先の企業とマッチするワードを見つけられると、自然と志望動機や職務経歴書が書けるようになると思います。
- インタビュアー
- その他にも何か気をつけることはありますか。
- Mさん
『記載すべき項目を省かない。』これが一番大切です。
学歴が大学名しか記載されていない。(高校を省いている)取得資格がない(薬剤師免許証や自動車免許)等は、目についてしまいます。
- インタビュアー
- 正しく履歴書を書けているか不安になってきました。
- Yさん
全体的に見やすく、綺麗に記載されているか必ず見返すようにしましょう。「暦の書き方」、PCで作成した場合は「フォントは統一されているか」、手書きの場合は「文字は丁寧か」、「正式名称の表記」等ですね。
- インタビュアー
- 丁寧に作られているかどうか採用者もよく見ているのですね。
- Mさん
応募書類は減点が発生してしまう資料です。
時間を惜しまず向き合いましょう!
Q:経験が少ない・職歴が多すぎる薬剤師はどうアピールすれば良いか。
- インタビュアー
- この質問は、気になっている方が多そうです。
- Yさん
やはりどちらも「魅せ方」が重要ですね。
経験が少ない場合は、今後のチャレンジ精神をアピールすること。
職歴が多い場合は、それぞれの職場でどのような業務を対応してきたかを職務経歴書に記載していただくと良いと思います。
- Mさん
経験が少ない方は、具体的な詳細を書く事を意識してください。例えば、下記のような内容になります。
病院門前で外来をメインに6ヵ月間程経験。総合科目において、服薬指導・調剤を対応してきました。予製調剤の経験もあります。
一人薬剤師のオペレーション経験はありませんが、人数の多い忙しい職場だったため、周囲と協力体制を築いていくことを大切にしながら業務に取り組みました。
- Sさん
その他にも、下記のように「やる気」でアピールすることも大切です。
・「経験は浅いですが、人と話すことが好きなのでコミュニケーション能力には自信があります。」
・「元々学生時代から在宅業務に興味を持っていたので、一から学んで地域医療に貢献したいです。」
・「数年後には管理薬剤師になって、いずれは教育担当など自分の経験を後輩に還元したいです。」
・「エリアマネージャーといった、店舗を管理するような役職にも挑戦してみたいです。」等
具体的に記載すると良いでしょう。
- インタビュアー
- 逆に職歴が多すぎるとやはり不利なのでしょうか。
- Mさん
職歴が多い薬剤師よりも、少ない薬剤師の方が確実に選考は有利です。ただ、職歴が多いという事は様々な環境で働いてきたという魅力でもあります。
- Sさん
職歴が多い点を踏まえて、「どのように採用者にアピールするか」を考えていきましょう。
- インタビュアー
- 人より多く経験を積んできたことを魅力にするんですね。
- Mさん
そうです。「色々な職場で経験をしてきた」「様々な処方に触れてきた」等は、立派な経験値であり、その人にしかない武器でもあります。
- Yさん
職歴が多いと職務経歴書を書くのも大変ですが、下記の例を参考にしながら考えてみましょう。
様々な場所で薬剤師として調剤を経験してきました。1人体制の職場から10人規模の職場、病院門前から在宅メインの職場まで経験しております。
店舗によって異なる患者さまのニーズを汲み取るように努めてきたので、今後も様々なニーズに合わせて対応していきたいと思っております。
- インタビュアー
- 「経験を積んできた」というアピールをしていくことで、ポジティブな印象が伝わりますね!
- Sさん
それでも職歴が多い方は注意が必要です。
「各職歴の退職理由の整合性」「様々な環境でどんな経験を積んできたのか。入社したらどう生かせるのか」この2点を説明できることが非常に重要です。
- Sさん
職歴が多い点を踏まえて、「どう採用者にアピールするか」をしっかり考えていきましょう。採用者も職歴が多い人は「なぜ、それぞれの会社で辞めてしまったのか」「当社では長く勤められそうか」という観点で質問されます。
- インタビュアー
- 今までのキャリアについて納得いくような説明をすることが重要ですね。
- Yさん
職歴が多い方の場合、採用者は不安を感じますので、「腰を据えて働きたい」という気持ちを志望動機と自分のキャリアプランでアピールできると、より良いと思います。
- インタビュアー
- 「ポジティブに感じさせる退職理由の説明」って難しいですね。
- Yさん
面接の際に各職歴の「どうして入社を決めたのか・退職にいたった経緯」をしっかりお話しできれば大丈夫です。 「自己都合」なのか、「自己都合ではない」等ですね。
ネガティブな要素だけの答えにならず、筋が通っているかどうかが選考で重要になります。
- インタビュアー
- マイナスに受け取られやすい内容も、納得させるように伝えることがポイントですね。
- インタビュアー
新連載「本音のホンネ」シリーズはいかがでしたか?
まだまだこの後も、インタビューは続きますが、今回はここまで!
続きはvol.2でお話します。お楽しみに!
監修者:町田 あやか
2012年よりメディカルリソースに勤務。
薬剤師や登録販売者の転職サポートに従事。現在は転職に限らず、ファルマラボ編集部にも所属し、学びという切り口で『薬剤師の方が前向きに働く』為の無料サービスの企画・運営を担当。
2016年にキャリアコンサルタント(国家資格)、2018年に登録販売者を取得。
薬剤師業界の発展と薬剤師の方一人ひとりのエンプロイアビリティの向上に役立つような情報発信を目指しています。