- 公開日:2019.05.27
- 更新日:2024-08-14
上司と合わず辞めたい...「人間関係による転職」はアリ?【薬剤師の転職相談室】
調剤薬局・ドラッグストア・病院などの薬剤師業界では、職場の人間関係が悩みの原因になりがちです。特に職場で上司との相性は重要で、キャリアに影響を及ぼす可能性もあります。
「いっそのこと転職しよう」と考える方も多いです。とは言え、人間関係を理由にした転職は、ネガティブなイメージを抱かれてしまうこともあるため、いくつかのポイントを押さえると良いでしょう。この点は、次の「人間関係が理由で転職を考える際に気をつけるべきことは?」で解説します。
この記事では、若手薬剤師や転職経験が少ない方に向けて、「人間関係の悩みとする転職」について考えていきます。
薬剤師の職場別の人間関係(調剤薬局/ドラッグストア/病院)
一日中閉鎖的な空間で働く薬剤師は、人間関係のストレスが多いと言われています。
薬剤師が働くそれぞれの職場において、どのようなときに人間関係のストレスを感じるのかをご紹介していきます。
「調剤薬局」の人間関係
調剤薬局で働く場合、ドラッグストアや病院などと比べても、人間関係で苦労することが多いと言われています。
理由の一つとして、限られた空間で同じスタッフが働いていることが考えられるでしょう。苦手な人がいたとしても密にコミュニケーションをとらなくてはなりません。そうした状況が、知らないうちにストレスを生んでいる可能性があります。
また、上司となる管理薬剤師と相性が合わないと感じる場合は、仕事上のコミュニケーションに大変さを感じることがあるかもしれません。互いの立場の違いから、仕事の進め方について考え方が異なることもあるでしょう。日頃の仕事ぶりをどのように評価されているのか、不安を感じることもあるかもしれません。
「ドラッグストア」の人間関係
ドラッグストアも限られた空間の中で同じスタッフが働いていることに変わりはありません。しかし、人間関係をストレスに感じることは、実はそれほど多くないと言います。
理由としては、調剤薬局のように一つの処方せんを協力して調剤することがなく、仕事を通してスタッフ同士が関わる機会が少ないことが考えられるでしょう。
しかし、店舗の大きさによってはスタッフ数も多く、様々な年代、雇用形態のスタッフと働く環境になります。コミュニケーションをとる機会が増える場合もあるため、人によっては気を遣いすぎてしまい、疲れを感じる方もいるかもしれません。
「病院」の人間関係
病院では、薬剤師以外にも、様々な職種の医療従事者が働いています。それぞれが専門性を発揮し、協力して治療を行うことが、現在の患者さま中心の医療では求められているのです。
医師・看護師など、専門領域や立場が異なる職種の方と関わる機会が多い分、コミュニケーションの大変さや精神的な疲労を感じる場面も多いでしょう。
また、複数の店舗を展開している調剤薬局やドラッグストアと異なり、異動や転勤が難しいという特徴もあります。
【現役薬剤師に聞いた】病院薬剤師の転職。業種ごとのメリット・デメリットを解説
人間関係を理由に転職を考えるのはアリ?
キャリアアップや年収アップ、新しい仕事への挑戦など、薬剤師が転職を考える理由は様々です。結婚や出産などライフスタイルに合わせて転職することもあります。
では、人間関係を理由に転職することは問題はないのでしょうか。また、転職において不利になることはあるのでしょうか。
薬剤師が働く職場は閉鎖的な環境であることが多く、そうした中で上司や同僚との折り合いが悪いと、業務以外の部分でストレスを感じることもあるでしょう。
人間関係によるストレスが大きい場合には、転職や異動など、職場環境を変えるという選択肢もあります。
とは言え、人間関係を理由にした転職は、ネガティブなイメージを抱かれがちです。転職では不利になることもありますが、いくつかのポイントを押さえることで対策できるのでご安心ください。詳しくは、「転職を考える際に気をつけるべきこと」を参考にしてください。
人間関係が理由で転職を考える際に気をつけるべきことは?
薬剤師が人間関係を理由に転職する際に気をつけるべきことには、何があるのでしょうか。
【1】薬剤師としてやりたいことや目的を持つ
人間関係のストレスが多いという理由で、なんとなく転職してしまうと、転職後に「こんなはずではなかった...」と後悔したり、不満が出たりするかもしれません。転職を考えはじめたら、何のために転職するのか、自分の中で整理してみましょう。
薬剤師としてやりたいことを振り返り、転職する目的を明確にすることで、転職理由に一貫性が出て、前向きな気持ちを持って転職活動に臨むことができるでしょう。
【2】転職理由をポジティブに伝える
注意すべきは、転職理由をポジティブに伝えることです。「職場で合わない人がいる」という理由では、『新しい職場でも合わない人がいたら直ぐに辞めてしまうのでは?』と思われてしまいます。理由を隠せば、何のために転職するのかと疑問を持たれてしまうでしょう。
そこで、「前の職場は個人での業務が中心でした。次の職場では、チームで協力して働きたいと考えて転職活動をしている」などポジティブな言い回しで伝えてみましょう。
【3】転職先の人間関係で悩まないために
転職して環境を変えた先でも、人間関係に思い悩むことがないように、可能な限り事前に情報収集をおこなうようと良いでしょう。
転職先を訪れて雰囲気を確認したり、働いている薬剤師の話を聞いてみたりすることがオススメです。
【4】人材紹介会社の活用がオススメ
人間関係の良い職場を探すのは簡単ではありません。人間関係の良し悪しを外から見極めるのは困難で、実際に働いてみないと分からないことも多いでしょう。そんなときは、転職コンサルタントに職場の状況について聞いてみる方法もあります。
おわりに
今回は、薬剤師のよくある悩みである、人間関係について考えていきました。職場の人間関係は、心身ともに健康に働く上で重要なポイントです。
人間関係によるストレスが強い場合は、思い切って転職することも考えてみましょう。無理に働き続けずに、職場を変えて環境をリセットすることも選択肢の一つです。もし転職を考える場合は、薬剤師としてのキャリアプランや叶えたいことを見つめ直し、目的を持った転職活動を行うようにしましょう。
ファルマラボ編集部
「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。