- 公開日:2020.07.08
- 更新日:2025-04-03
新人薬剤師の心得。「一人前」と呼ばれるようになるには
新人薬剤師として社会人デビューを果たしたものの、薬剤師として、社会人として、慣れない環境に苦労している方も多いのではないでしょうか?先輩の姿を見て「いつ自分も一人前になれるのだろう...」と不安に思うこともあるかもしれません。
薬剤師は、新人時代を経て努力と経験を重ねることで「一人前」へと成長していきます。しかし、日々の心がけ次第で成長速度に差が出てしまうこともあるため、一人前になるためのポイントを理解しておくことが重要です。
この記事では、「一人前」と呼ばれるために意識したいことを紹介します。さらに、職場が合わずに新人薬剤師が転職を考えたときの注意点についても解説します。
- 新人薬剤師が「一人前」になるには?
- 新人薬剤師が日々の業務で意識したい点とは
- 新人薬剤師がはじめて選んだ職場で陥りがちな失敗
- 新人薬剤師の転職の判断基準とは?
- 新人薬剤師の転職活動は、転職コンサルタントの利用もポイント
- まとめ【ファルマスタッフからのメッセージ】
新人薬剤師が「一人前」になるには?
一般的に「一人前になるには、同じ職場で3年は働いた方が良い」と言われます。薬剤師においても3年は一定の評価の区切りになり、3年経つと職場の中心的な役割も担えるようになっていきます。
医薬品の知識や服薬指導のスキルなど、薬剤師に求められる能力は短期間での習得が難しく、日々あらゆる局面に向かい合い着実に経験を積むことが必要です。そのため、1年目で「一人前」になるのは現実的ではないでしょう。
少しでも早く「一人前」を目指すためには、漫然と働くのではなく、ポイントをおさえつつ日々の業務に取り組むことが大切です。
新人薬剤師が日々の業務で意識したい点とは
では、新人の薬剤師はどのような点を意識して業務に取り組むのがよいでしょうか。ここでは、新人薬剤師が意識したいことを紹介していきます。
わからないことをそのままにしない
入職してしばらくは次々と疑問が出てくるかもしれません。「忙しくて先輩に聞きづらい」などの理由で解決を後回しにしないようにしましょう。その場ではどうにかなったとしても、同じ問題に直面した際に、結果的に患者さまに迷惑をかけてしまう可能性もあります。人の命にも関わる仕事だからこそ、疑問点はすぐに解決することが重要です。
タイミングがつかめずに聞けない場合は、後でまとめて確認するためにメモしておきましょう。
情報のアップデートを欠かさない
定期的に新薬が発売されたり、新たな臨床データが発表されたりと、薬剤師の業務に必要な情報は日々変化します。とくに医薬品の安全性や回収に関する情報などは、タイムリーに把握しておく必要があります。古い知識のままでは、患者さまに間違った情報を伝えてしまう可能性もあります。
そのため、Webサイトや書籍、勉強会などで、こまめに情報をアップデートすることが大切です。
信頼できる先輩や上司から学ぶ
信頼できる先輩や上司がいれば、仕事の進め方や患者さま対応などを観察し、良い点を取り入れてみましょう。
また、先輩や上司には、困ったことを積極的に相談してみましょう。立派に活躍している先輩も、新人時代を経験していますので、実体験に基づいたアドバイスをもらえるでしょう。
「3年後の目標」を具体的に考える
具体的な目標があると、モチベーションを高めることができ、より早い成長につながります。
まずは3年後の目標を明確にしてみましょう。たとえば、「管理薬剤師になりたい」「資格を取得したい」「(職場の)先輩のようになりたい」など、できるだけ具体的に考えてみてください。
そして、どのようにすれば達成できるのかも考えましょう。目標を定めることで、今の自分が何をすべきなのか、何を学べばよいのかが明確になっていきます。
薬剤師にやりがいを感じられない...。現状を変えるためのキャリアデザインの重要性
新人薬剤師がはじめて選んだ職場で陥りがちな失敗
「一人前」を目指すために目標を明確にしても、職場環境が原因でその達成が難しい場合があります。
学生時代の就職活動では、「患者さまのために貢献したい」といった思いを抱きつつも、具体的なキャリアプランまでは描けていなかった人もいるかもしれません。日々の業務の進め方や人間関係、職場の雰囲気などは、入職してみないと分からない部分が多く、イメージとのギャップを感じてしまう方も少なくありません。
では、新人薬剤師が初めての職場選びで失敗してしまうのは、どのような理由が考えられるでしょうか?
入職後のイメージができないまま選んでしまった
学生時代の就職活動では、入職後の具体的なイメージがつかめないまま就職先を決めてしまった方もいるかもしれません。職場の雰囲気や、仕事のやり方、教育体制など、実際に働いてみないとわからないこともあるでしょう。結果として、「こんなはずじゃなかった...」と理想と現実のギャップを感じることがあります。
給与や待遇など求人票の内容だけで選んでしまった
給与や待遇など求人票の内容や会社の知名度によって、職場を選んだ方もいるかもしれません。
しかし、職場の雰囲気や働く人の人柄など、求人票からの把握が難しい情報もあるため、働き始めてからギャップを感じることもあるでしょう。
内定が出た会社にすぐに決めてしまった
希望する条件が満たされていなくても、「断るのがもったいない」「就職活動に疲れてしまった」などの理由から、内定が出た職場にすぐに決めてしまった方もいるでしょう。
その場合、働くうちに自分の希望と合わない部分が気になってしまうことがあるかもしれません。
自己分析が不十分だった
本当にやりたいことが見えないまま、就職活動を進めてしまった方も多いのではないでしょうか。学生生活を送りながら、薬剤師としての目標ややりたいことを明確にするのは難しいかもしれません。自己分析が不十分で、働いてみたら想像と違った部分があったという方もいるでしょう。
新人薬剤師の転職の判断基準とは?
前項で述べたような理由から、現在の職場にモヤモヤを抱えている方もいるでしょう。しかし、入職後すぐに退職してしまうと、転職を繰り返してしまう可能性があります。
まずは、「本当に今の職場を離れたほうがよいのか」をしっかり考えましょう。ここでは、「今の職場が合わない」と感じている新人薬剤師が実践したい行動について解説していきます。
「辞めたい理由」を分析してみる
まずは、『辞めたいと思う理由』を考えてみましょう。「仕事が嫌だから」などのネガティブな理由で転職すると、再度同じ悩みを抱えてしまう可能性があります。辞めたい理由を分析するときは、ネガティブな思いの裏に隠れているポジティブな気持ちを考えましょう。人間関係が理由であれば、「もっと風通しの良い職場で働きたい」「在籍人数が多くて教育体制も整った職場で働きたい」など、自分は何を変えたいのかを明確にするのがおすすめです。
上司や先輩に相談してみる
辞めたい理由が明確になれば、信頼できる上司や先輩に相談してみるとよいでしょう。たとえば、業務量や仕事内容についての問題なら、解決策を示してくれる可能性があります。そのほか人間関係の問題などであれば、シフト変更や他店舗への異動などで解決できる場合もあるでしょう。
理想の働き方や目標を考えてみる
自分の理想とする働き方や目標について、今一度考えてみましょう。それは今の職場では本当に実現できないことでしょうか?また、理想とする職場を考えるときは、ある程度の優先順位をつけることが重要です。仕事内容、ワークライフバランス、専門性の向上など、自分が職場に求めているものを考え抜いた結果として、今の職場では難しいという判断であれば転職を検討するのがよいでしょう。
辞める場合は慎重に
一つの職場で3年は働き続けた方がよいという意見もありますが、無理をして働き続けると、心身の調子を崩してしまう可能性もあります。時には、早めに状況を変える行動をとることも大切です。
さまざまな可能性を検討して慎重に考えた結果、転職を選ぶのであれば3年の実務経験を待たずともチャレンジしてみるのがよいでしょう。退職理由や目指したい薬剤師像が一貫していれば、転職できる可能性は十分にあります。
新人薬剤師の転職活動は、転職コンサルタントの利用もポイント
新卒一年目ではじめての転職を考える場合、転職する時期や転職活動の進め方など、迷う部分が多くあるかもしれません。
転職を考えている場合は、転職コンサルタントに相談するのもおすすめです。ここでは新人薬剤師が転職コンサルタントを活用するメリットを紹介します。
はじめての転職も丁寧にサポート
学生時代の就職活動とは異なり、転職活動は一緒に活動する同期の仲間がいない場合がほとんどです。転職コンサルタントは、自己分析や面接対策、条件交渉などをサポートし、疑問や悩みに寄り添ってくれます。
薬剤師の転職市場の動向や、希望する職場の情報、転職成功のためのアドバイスを提供してもらうこともできます。
多くの選択肢からピックアップできる
転職活動では情報収集が重要です。数万件にも及ぶ薬局や病院、企業の中から、希望の職場を一人で探すのは、大変な時間と労力を要します。転職コンサルタントに相談すれば、希望条件を踏まえた求人を紹介してもらえるため、効率的に職場探しを進めることができます。
聞きづらい情報もコンサルタントを活用
給与、残業時間、休日の取りやすさなど、採用担当者に直接聞きづらい情報も、場合によっては転職コンサルタントが代わりに確認、交渉します。
転職前に詳細な条件を確認しておくことで、入社後のギャップを減らすことができます。
履歴書・職務経歴書・面接のサポート
学生時代の就職活動とは異なり、履歴書だけではなく職務経歴書も作成することになります。はじめての場合、その書き方に戸惑う方は少なくありません。
転職コンサルタントは、履歴書・職務経歴書の書き方をアドバイスしたり、場合によっては面接に同伴したりすることもあります。ネガティブな転職理由をポジティブに言い換える方法や、面接時の想定質問についての回答作成など、転職を成功させるためのノウハウを教えてもらえるでしょう。
まとめ【ファルマスタッフからのメッセージ】
今回は、新人薬剤師が一人前になるための心得を解説しました。大切なのは、今の職場に一日でも早く慣れて、焦らずに日々着実に経験を積んでいくことです。
3年後のありたい姿を考えたときに、「今の職場では実現できない...」「3年後の自分が想像できない...」と感じているなら、転職コンサルタントに相談して、キャリアに関するアドバイスをもらうのもよいでしょう。
薬剤師向け転職支援サービス「ファルマスタッフ」について
ファルマスタッフは、薬剤師の皆さまに寄り添った丁寧な転職サポートの提供を心がけております。ファルマスタッフの強みを紹介します。
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●POINT1.対面やZoom、電話での面談を実施
面談で薬剤師の皆さま一人ひとりと丁寧に向き合い、お悩みやご希望などを伺います。
●POINT2.面接同席の実施基本的にはコンサルタントが面接同行・同席いたします。「初めての転職で不安...」という方も、同席するコンサルタントがフォローします。
※場合によっては同行・同席できない場合もあります。
●POINT3.現場のよりリアルな情報を提供全国12拠点で展開しており、各拠点のコンサルタントが求人情報では分からない情報もお伝えします。
転職をお考えの際は、ファルマスタッフの転職コンサルタントへお気軽にご相談ください。
ファルマラボ編集部
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