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  • 公開日:2020.09.09

【薬剤師2年目の転職】知っておきたい転職のリスクと成功のポイント

【薬剤師2年目の転職】知っておきたい転職のリスクと成功のポイント

薬剤師として経験の浅い1年目は、仕事を覚えることで精一杯なもの。しかし、2年目になると様々な事情から、転職したいと考える薬剤師も増えてきます。しかし、経験者の多くは「どんな職場でも3年は働こう」と、転職には否定的であることが一般的でしょう。

この記事では、転職を考えている社会人2年目の薬剤師に向けて、【転職の実情や知っておくべきポイント】について解説していきます。

2年目で転職を考える薬剤師はたくさんいる

最低でも3年間は同じ職場で働き続けることが一般的とされているなか、就職して2年目で転職を考える薬剤師は少なくありません。確かに、経験が浅いうちの転職にはデメリットもありますが、実際に転職を決意し、転職をしている薬剤師も多くみられます。

転職を考えるきっかけは、人によって様々です。なかでも、人間関係のストレスや通勤時間の長さ、職場の待遇の悪さなどのネガティブな理由で転職したいと考えるケースが多いでしょう。それ以外にも、現在の職場で働いているうちに、ほかにやりたいことが出てきたり、別の業種に興味が湧いてきたりするなどの前向きな理由から転職を考える方もいます。

薬剤師2年目でも転職できる?気になる転職市場は

3年間は同じ職場で働き続けることが理想とされるなかで、「2年目で転職できるの?」と悩んでいる方は多いはず。実際には、薬剤師には国家資格という武器があるため、2年目でも転職先は比較的容易に見つかります。人手不足に悩む薬局や病院は少なくなく、経験が浅くても採用されるケースが非常に多いのです。

しかし、薬剤師2年目では、これまでの経験をアピールすることは難しく、勤務期間の短さが転職において不利になる場面もあります。一般的に2年目の転職では、第二新卒という形での採用となるため、経験者を求めている職場への転職は難易度が高いでしょう。また、短期間での転職がネガティブに捉えられ、「責任感がない人」「我慢ができない人」と思われてしまう可能性もあります。

安易な転職を繰り返すことになれば、自分のキャリアにも傷をつけてしまいかねません。転職をする際は目的や理由をきちんと明確にして、どうしても必要な場合のみにしましょう

やりたいことに挑戦!2年目転職の強みとは

薬剤師のイメージ

2年目の転職では、ネガティブなイメージをもたれがち。しかし、2年目だからこその強みも多く、メリットとして捉えてもらえることもあるでしょう。ここでは、具体的な例を挙げてご説明します。

職場の選択肢が広い

2年目の薬剤師は、一度は社会に出た人材として評価されるため、転職で有利に働く場合もあります。1年目よりも知識や経験があるため、基本的な業務内容やマナーから教え込む必要もなく、即戦力として現場から歓迎されるでしょう。

まったく異なる業種に挑戦する場合でも、「やりたかった職種を諦められずに挑戦した」という動機を熱意として評価してもらえる場合もあります。2年目であれば、若手として今後の伸びしろも期待されるため、多種多様な職場で受け入れてもらえる可能性があります

経験が浅い分、新しい職場になじみやすい

薬剤師としての経験が長くなると、前職のルールや自分流のやり方など、仕事において「今までこうやってきた」という固定概念が生まれがちです。柔軟性が欠けてしまうことから、新しい職場に転職した場合、周りにうまくなじめずにほかのスタッフとトラブルになることも多くなります。

一方で、2年目の薬剤師は経験が少ないからこそ、新しい職場のやり方や社風になじむことが容易です。企業側からすると、柔軟に仕事に取り組んでもらえるメリットがあるのです。

第二新卒は受け入れてくれる企業が多い

2年目で転職するメリットのひとつに、「第二新卒」として転職できる点があります。第二新卒とは、一般的に「新卒で就職後、数年(1~3年程度)のうちに離職し、転職活動をする若手求職者」のことを表します。

第二新卒は1年以上の社会人経験を積んでいるため、基本的なビジネスマナーを習得していることが強みとなります。第二新卒だからこそ採用される職種や業種も多く、一度社会に出た経験を生かしながら転職活動を行うと、やる気や意欲を評価してもらえるでしょう。

印象ダウンにもつながる?2年目で転職するときの注意点

薬剤師のイメージ

2年目での転職には、リスクがあることもきちんと理解しておかなくてはなりません。具体的にみていきましょう。

基本的なビジネスマナー、スキルを持っていると思われている

2年目で転職する場合、少なくとも1年間は社会人として働いているため、基本的なビジネスマナーやスキルを期待されています。場合によっては転職活動時に、高いレベルのスキルを求められることもあるでしょう。

現在の職場で十分な研修が受けられていない場合は、とくに注意が必要です。面接時には曖昧な回答を避け、自分にできないことは素直に伝えるようにしましょう。

新卒向けの研修を受けられない

多くの企業や病院では、薬剤師として長期的なキャリア育成を目的に、新卒研修以外にも〇年目研修やフォローアップ研修など、様々な研修が用意されています。しかし、経験が浅くとも中途入社者はこれらの研修が受けられない可能性があります。

とくに業種転換をともなう転職の場合には、事実上未経験であることから、注意が必要です。中途研修のカリキュラムが豊富な企業や、第二新卒を受け入れている企業などを中心に検討するようにしましょう。

転職を繰り返せば、今後のキャリアプランに影響が出る場合も

2年目の転職そのものに大きな問題はありませんが、転職を繰り返すことになると、今後のキャリアプランに影響が出てしまう可能性もあります。過去の職歴がネックとなり、本当に働きたかった企業で働けなくなるリスクもあります。

それでも転職が必要であれば、同じ失敗をしてしまわないように、慎重に転職先を検討するようにしましょう。はじめての転職であればなお、薬剤師専門の転職コンサルタントなど転職事情に精通したスタッフに相談するのがおすすめです。

転職を成功させるためにおさえておきたいポイント

2年目の薬剤師が転職を成功させるためには、どのようなことをすればよいのでしょうか。おさえておきたいポイントについて、解説していきます。

退職理由を明確にする

2年目の転職では、採用担当者の多くは「採用してもまたすぐに辞めないか」を心配しています。採用面接の際に「なぜ2年目で転職をするのか」詳しく聞かれる場合もあります。その際、退職理由が曖昧では「また転職してしまうのでは......」と心配されてしまうため、転職をする際は退職理由を明確にしておきましょう。

転職先に求めるものをはっきりさせることや、薬剤師としてどのようなキャリアを歩んでいきたいか考えることも重要です。また、退職理由が人間関係などのネガティブな理由である場合には、退職理由を正直に伝えることは避け、ポジティブな退職理由を用意することがおすすめです。

転職先の条件に妥協しない

転職先の条件に妥協してしまうことは、絶対に避けなくてはなりません。とくに2年目の転職活動では、「経験が浅いから」と遠慮してしまい、通常よりも悪い条件で雇用契約を結んでしまうケースが多いと言われています。再度の転職が必要となってしまう恐れのないように、希望する条件をしっかりと定めたうえで、転職活動をしましょう。

転職時の条件だけでなく、今後の昇給率やキャリアプランなど、長期的に働くことを前提に条件を確認することが大切です。自分自身での交渉に自信がない場合には、人材会社を利用して交渉を代行してもらう方法もあります。

転職やキャリアについて相談できる相手を見つける

前述の通り、薬剤師2年目の転職は決して難しいことではありません。しかし、不必要な転職がキャリアプランに影響を及ぼす恐れもあるため、慎重に行動する必要があります。

経験が浅いうちは、自らのおかれている環境や雇用条件を客観的に判断することが難しいため、転職やキャリアについて相談できる相手を見つけましょう。その際、現在の職場の先輩や上司に相談してしまうと退職のうわさが広まってしまう可能性もあるため、転職コンサルタントの活用がおすすめです。

2年目の転職は、コンサルタントを上手に活用しよう

この記事では、転職を考えている2年目薬剤師に向けて、転職における実情や知っておくべきポイントについて解説してきました。薬剤師に限らず、経験が浅いうちに自己判断で転職活動を行うと、失敗してしまう可能性が高いといわれています。そんなときは、転職コンサルタントの活用を検討することがおすすめです。

薬剤師専門の転職コンサルタントなら、多くの転職希望者の悩みを解決してきているため、現職での悩みや転職に関するノウハウなども気軽に相談にのってくれます。ひとりでの情報収集には限界があるので、一度相談してみてはいかがでしょうか。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2020/09/09

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