- 公開日:2010.05.16
あなたの薬剤師倫理は大丈夫ですか?
薬剤師の皆さんこんにちは。
6年制の薬学教育では、すべての大学で『薬学教育モデル・コアカリキュラム』に準拠して
カリキュラムを組んでいます。
これは、教育水準を平準化させることを目的としていますが、
その中でも重要視されているのが、“倫理教育”です。
「生命にかかわる職業人」を育てるカリキュラムとなっています。
その冒頭には、「全学年を通して:ヒューマニズムについて学ぶ」と掲げており、
その一般目標として、
『生命に関わる職業人となることを自覚し、それにふさわしい行動・態度をとることが
できるようになるために、人との共感的態度を身につけ、信頼関係を醸成し、
さらに生涯にわたってそれらを向上させる習慣を身につける』
としています。
このことからも分かるように、薬剤師も医療人である以上、「倫理」とはとても重要なものです。
薬剤師法第19条でも定められているように、薬剤師は調剤という業務を独占しています。
(例外規定もありますが・・・)
薬を通して国民の健康に向きあう専門職種として、
薬剤師には高い専門的能力と質だけでなく、高い倫理性が求められています。
しかし、これまでの薬学教育がそうであったように、「倫理」についての重要度と理解度は
あまり高くはないのではないでしょうか。
近年の医療現場では、複雑な倫理問題に直面することが少なくないため、
医療人としての倫理性が非常に問われる時代になっています。
医療現場で起こる問題について、正解はひとつではないため、その時々の最も妥当な答えを
出さなくてはいけません。
マニュアル的な考えでは問題に直面した際に適切な答えを出すことが難しくなりますので、
倫理的な理由を考え抜くことが出来なければいけなくなっています。
薬剤師倫理規定の第4条で謳っているように、 「生涯研鑚」は非常に大切なところです。
しかし、これからの薬剤師像は、薬についての新しい情報を取り入れるだけでなく、
倫理問題についても感心を持つことが必要となりそうです。
上記カリキュラムにおいて、
「生命の尊さを認識し、人の誕生から死までの間に起こりうる様々な問題を通して
医療における倫理の重要性を学ぶ」と掲げているように、
患者さんにとっては一生の問題であるため、その意味について真に理解することが必要です。
『医療人としての倫理性の向上』もまた、薬剤師の職能向上に欠かせない問題ではないでしょうか。
ファルマラボ編集部
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