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  • 公開日:2016.06.21

在宅薬剤師の仕事内容となり方

在宅薬剤師は在宅医療において、薬事に関する知識を提供する薬剤師です。 患者さまとのコミュニケーションも含め、地域社会との連携を求められる仕事内容を紹介します。

在宅薬剤師とは在宅医療の薬物療法を支える新しい薬剤師のかたちです

在宅薬剤師とは専門的な知識と技能を用いて在宅療養支援を行う薬剤師のことです。 在宅薬剤師の仕事内容は超高齢化社会へと変容していく日本の社会医療のニーズに応えるべく、在宅(個人宅)や居住系施設において薬事のプロフェッショナルとして在宅療養をサポートしていくことです。 一般社団法人日本在宅薬学会では在宅療養支援認定薬剤師の認定と、必要な知識を様々な講習を通して教育していくプログラムを用いて、薬剤師の活躍の場をサポートしています。

薬剤師を志す方、既に管理薬剤師や医療機関での薬剤師として働いている方にとっても新たな刺激と薬事に関する深い知識を得られるため、広く注目を集めています。 地域医療を支え、人と人とのコミュニケーションを第一に活躍する薬剤師として今後の発展が期待されています。

在宅医療とは

在宅医療や介護は今や国を挙げて推進されている政策の一つとなっています。 できる限り住みなれた地域で、医療や介護サービスを受けながら、自分らしい生活を高齢になっても続ける事ができるように提唱されています。

日本においては充実した保険制度の下、女性の平均寿命が86歳、男性が79歳と世界的に見ても高水準の寿命を実現しています。 それだけ、医療や介護のバックアップが充実しているとも言えるでしょう。 その分、高齢者の人口比率が増加する傾向もあります。 そのため、ほとんどの人が自宅での療養を希望するものの、それらの人々を支援する側の薬剤師の不足が心配されています。 国内では今後、在宅薬剤師として医療に関わることのできる薬剤師の存在が、より一層求められてくるでしょう。

在宅薬剤師は、在宅医療を中心とした様々な薬事に関する知識を提供します。 それは地域の医療により深く関わる事ともなり、医療を必要とする人々にとってかかりつけのように身近な存在となります。 とりわけ高齢者にとっては、介護と生活支援、医療の三本の柱をしっかりと構築する事が望ましく、在宅薬剤師の仕事内容はそうしたニーズに応えることでもあるのです。

薬剤師は心のケアも兼ねる

薬剤師は単に薬事に関する知識を有し、必要な時に提供するだけの存在ではありません。 医療に従事する者としての経験、それまで接してきた患者さまたちとの触れ合いを通じ、励ましや慰めを必要とする患者さま一人ひとりのメンタルのケアも時には行うことになります。 在宅薬剤師のように在宅医療に深く関わる立場の場合、より身近に患者さまと接する機会も増えるかもしれません。

薬剤師としての仕事内容は、そうした患者さま一人に寄り添い、気持ちを受け止め、優しく気遣う事も含まれる事を忘れない心構えが大切です。 また、医療機関や介護機関との連携も非常に重要な要素となります。

いずれにしても、人とのコミュニケーションが求められる仕事となりますので、薬事の知識はもちろんコミュニケーションスキルも身につける必要があるでしょう。 薬剤師の中には、薬剤師になってから数年は調剤部門などで実務経験を積むケースも多く、その後のキャリアアップとして在宅薬剤師としての活躍も大いに注目されています。

薬剤師としてのキャリア

薬剤師と言ってもその専門とする分野は広く選ぶことができます。 管理薬剤師のように、薬局の薬事全般を管理する仕事内容もありますし、生薬認定薬剤師などの認定取得によって、より専門的な薬事の分野にまい進していくこともできます。 在宅薬剤師のように在宅医療に特化した経験や知識を深めることも、今後の社会ニーズにおいては非常に高いものとなるでしょう。

薬剤師は決して簡単な仕事ではありません。 薬事に関する以上、重い責任が伴います。 しかし、患者さまのそばに寄り添い、温かい人間関係を楽しみながら従事する数々の仕事を魅力的に感じている薬剤師の方は多く、その多岐にわたる専門性においても常に向上心を継続しやすい職種とも言えるでしょう。 在宅医療にとどまらず、美容や健康、食事にいたるまで、人々の生活を全面的にサポートする事のできる薬剤師の活躍は今後の日本においてもいっそう必要とされ、拡大されていくでしょう。

まとめ〜在宅薬剤師の仕事内容となり方

1.在宅薬剤師とは在宅医療の薬物療法を支える新しい薬剤師のかたちです
在宅薬剤師とは在宅医療の薬物療法を支える新しい薬剤師のかたちです。 在宅薬剤師は高齢化社会の中で人と人とのコミュニケーションを土台として在宅医療における薬物療法を支援します。 薬事に関する知識や経験を提供し、地域医療の発展に寄与しています。
2.在宅医療とは
よりニーズを増す在宅医療は、これからの日本でさらに発展する傾向を見せています。 高齢化社会を支える重要な存在として在宅薬剤師があります。 介護や生活支援と連携した医療は、今後の地域社会を構成する重要なポイントとして注目されています。
3.薬剤師は心のケアも兼ねる
薬剤師の仕事内容は単に薬事に関する知識の提供にとどまりません。 在宅薬剤師の場合は特に患者さまを中心とした地域社会の様々な側面と密接に連携し合うことが求められ、高いコミュニケーション能力が期待されます。
4.薬剤師としてのキャリア
薬剤師は多岐にわたる専門的な知識をより深めていく面白さがあります。 在宅薬剤師として経験を積むことも、管理薬剤師としてプロフェッショナルになることも、薬剤師としての人生の中で自由に決めていけるのです。

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記事掲載日: 2016/06/21

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