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  • 公開日:2016.09.18

薬剤師の仕事を活かせるボランティアとは

薬剤師資格を活かして参加できるボランティア活動を紹介します。合わせて、ボランティア活動を行うメリットや参加にあたっての心構えを見てみましょう。

国内外問わずたくさんの活動がある

国内での活動をあげると、災害地や被災地で行う調剤・医薬品の管理感染症対策などが考えられます。 災害時は物資が不足して健康被害が広がりやすいため、少しでも多くの薬剤師による迅速な対応が求められ、日本中においてボランティア募集がなされます。

日頃からできるボランティアの例としては、国境なき医師団青年海外協力隊に参加する方法があり、医療が不十分な国に出向いて現地の人々をケアします。 危険ドラッグ事故が増えている社会的な風潮を受けて、薬物依存に関する教育も重要な使命となります。 薬物乱用のおそろしさリスクを小学生や中学生に指導して、正しい理解を促します。

被災地の深刻な薬剤師不足に対応

国内災害ボランティアの例を一つ紹介すると、平成28年度に起こった熊本地震は記憶に新しいところです。 多数の負傷者に対して現地医療機関だけでは手に余る状況となり、被災地の医療機関をサポートするための薬剤師ボランティア募集がありました。

病院や避難所に出向く医療チームに所属して薬剤師業務を行い、被災者支援にあたります。 ボランティア参加にあたっての条件として、施設長の許可が得られることや原則1週間以上とまとまった期間の参加が課されました。食事や宿泊手段などは自分で確保することが求められるなどの条件がとりきめられており、参加した薬剤師さんの確固たる信念がうかがわれます。

生半可な気持ちで参加できる活動ではありませんが、ボランティアを通して得た経験が薬剤師としての成長を後押しし、命に関わる仕事を続けるモチベーションになるでしょう。 多忙な毎日に追われて働く目的を失いかけている薬剤師さんに、もう一度頑張ってみようと感じるきっかけを与えてくれるかもしれません。

薬剤師としてのスキルを柔軟に応用

海外ボランティアにしても国内ボランティアにしても、普段の業務ではなかなか経験しない過酷な環境の中で薬を扱い、ケアしていきます。 普段使っている機器が使えない可能性も高いため、室温保存や遮光不要、服用時に使用する水の量が少ないなどできるだけ保存や調剤の手間の少ないものを選ぶよう、準備する薬の剤形にも気を配ることが必要になってきます。

十分なお薬がない状況も多々あるため、医療用医薬品の代わりに一般用医薬品を活用せざるを得ない場合もあります。 医師に同行しつつ薬のプロフェッショナルとして適切な意見を求められることがあり、主体的にケアに参加し、対応していく力が要求されます。 あらゆるシチュエーションを想定して冷静な判断をこなしていく中で薬剤師としての応用力が養われ、不測の事態に動じない対応力がより強固なものになっていきます。

内容を把握して事前準備をする

やりがいがあり、大きな成果が期待できるボランティア活動ですが、活動内容参加期間を正しく把握しておかないと満足のいく活動ができません。 公衆衛生に関する経験をもとに海外勤務を希望するなら被災地支援、薬物治療に関するノウハウを蓄積して専門性の高い薬剤師として活躍したいなら薬物指導など、ボランティアを終えた後のキャリアも視野に入れながら検討しましょう。

ボランティア参加を決めたら周/辺分野の自主的な学習を進めて、即戦力として活躍できるように準備します。 きちんとしたマニュアルが用意されていることは稀で、手探りで支援にあたることになるため、自主的に基礎知識を補う配慮が必要でしょう。

ボランティアの場においては、特に自ら考え行動できる人材が求められます。 参加条件に一定のキャリアが指定されていることから、自ら考え行動できる人材を求める意図が読み取れます。 日本災害医療薬剤師会などに所属して日頃から広く情報収集のうえ、現場で活用できるスキルを補う気持ちを持ちましょう。

まとめ〜薬剤師の仕事を活かせるボランティアとは

1.国内外問わずたくさんの活動がある
国内では災害支援や薬物についての教育、海外では国境なき医師団や青年海外協力隊に参加しての被災地支援など、あらゆるボランティア活動が候補となります。 関心が深い分野にしぼって、参加を検討してみましょう。
2.被災地の深刻な薬剤師不足に対応
直近の薬剤師ボランティアの例として、熊本地震の活動があげられます。 深刻な薬剤師不足になっている被災地に出向き、医療チームの一員として負傷者のケアや投薬業務にあたります。
3. 薬剤師としてのスキルを柔軟に応用
ボランティアに参加することで臨機応変な対応力を培い、薬剤師としてのスキルアップも見込まれます。 調剤器具や薬の種類が不十分な状況で正しく対応できる力は貴重で、職業人としての成長を後押しする要素と言えます。
4.内容を把握して事前準備をする
非常にやりがいがあるボランティア活動ですが、きちんと内容を把握して事前準備を進めないと、即戦力として動けません。関連書籍に目を通す、セミナーに参加する、普段から自立的に、かつチームで動ける協調性・対応力を身につけるよう意識するなど、前向きに学習しましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/09/18

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