パーキンソン病の患者に脳内ドパミン量を減少させる恐れのある薬の投与は不適切です。ドンペリドンとメトクロプラミドの添付文書には、どちらにも重要な基本的注意に「錐体外路症状等があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること」と記載されています。 まず、ドンペリドンは中枢移行性が極めて低い薬なので、錐体外路症状が問題になることは稀です。実際、レボドパ製剤の吐き気予防として、ドンペリドンが併用されているケースを良く見かけます。 一方で、メトクロプラミドは中枢移行性が高い薬であり、パーキンソン病の患者に投与して動けなくなったという事例が報告されています。よって、パーキンソン病の患者にメトクロプラミドの投与は不適切です。 処方監査・服薬指導のPOINTパーキンソン病の患者に、吐き気止めとしてメトクロプラミドが処方された場合は、ドンペリドンへの変更を提案した方が良いでしょう。 参考として、レボドパ製剤の吐き気予防で処方されているドンペリドンは、消化管運動を促進する作用により、レボドパ製剤の吸収を高めるという働きも期待されています。 ドンペリドンが漫然と併用されていても、吐き気がないという理由だけで、安易に減薬提案をしない方が良いでしょう。 |
Q |
パーキンソン病の患者が、嘔吐が続くので、近所の内科を受診したところ、薬が処方された。次のうち、パーキンソン病の患者に不適切な薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2024/04/19
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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