- 公開日:2020.12.17
- 更新日:2023-12-19
国試に合格できなかったら... 進路についての不安を解消しよう
もうすぐ国家試験。薬剤師を目指すみなさんにとっては、今が一番大切な時期ですね。不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
もし、国家試験に合格できなかったらどうなるんだろう...。去年合格できなかった先輩たちは、どうしているんだろう...。もちろん気になりますよね。年々難化していく国家試験にストレート合格したい気持ちは誰でも同じ。しかし、試験に合格することだけが成功ではありません。目標に向かい進んでいく過程で学ぶことも多いはずです。
今回は、試験に合格できなかった先輩たちがどのような選択をしているのか、そして国試を前に漠然とした不安を強い気持ちに変える方法を詳しくご紹介いたします。
もし不合格だったらどうなるの?
試験合格を目指して毎日勉強に励んでいるけれど、もし合格できなかったらどうなるんだろう...。みなさんは、こんなことを考えたことはありませんか。 近年の国試の合格率をみてみると、第108回は合格率69.00%、第107回は68.02%、第106回は68.66%と合格率はおよそ7割。約3割の方が薬剤師の資格を得ることができないのが現状です。 6年の長い大学生活。やっと卒業が決まったのに、これからどうしよう...。 不合格になってしまったときは、こんな気持ちでいっぱいかもしれません。 では、実際に不合格になってしまったとき、どのような選択があるのでしょうか。
翌年の薬剤師国家試験合格を目指し浪人する
不合格となった方の多くは次回の国家試験に向けて再び勉強を始めます。その場合、専門の予備校に通うか、予備校には通わずに自宅で勉強するかを選択しなければいけません。
専門の予備校に通い次回の国試に臨む場合、予備校の授業で試験対策の方法を習得し、講師に質問ができるのが最大のメリットといえるでしょう。また、一緒に試験を目指す仲間とのつながりをみつけられるので、安心感が得られるのも大きな特徴です。しかし、予備校に通うには費用がかかり金銭的な負担が大きくなってしまいます。また、カリキュラムに追われ、アルバイトをする時間がほとんど取れないのが予備校通いの特徴ともいえます。
反対に、予備校に通わず自宅で勉強する場合は、自分の時間がある程度自由に使えるためアルバイトも可能。費用負担も軽減されます。また、自分に合った時間配分ができるので、納得のいく勉強の進め方ができるでしょう。しかし、自分の勉強方法が正しいのかわからないまま、一人で国家試験に立ち向かわなければなりません。相談する講師や仲間がいないということが大きな心の負担となってしまうのです。
働きながら翌年の国家試験を受験する
病院薬剤師や調剤薬局薬剤師など、薬剤師の資格が必要な場合、国家試験に落ちてしまうと内定が取り消されてしまうことがほとんどです。しかし、就職先によっては1年後の合格を条件に採用してもらえる場合もあり、なかには国家試験までの1年間、奨学金という形で予備校代を援助してくれる薬局などもあるようです。 また、ドラッグストアに就職が決まっている場合、登録販売者として働きながら次回の試験に備える方もいらっしゃいます。しかし働きながら国家試験の勉強をするというのは想像以上に大変なこと。仕事との両立は体力的にも負担が大きく、精神的に疲弊してしまうことも。働きながら試験合格を目指すには、「絶対に合格する」というモチベーションを維持していかなくてはならないのです。
薬剤師の資格を必要としない就職
MRやCRA、一部の公務員など、採用条件に薬剤師の資格が必須ではない場合もあります。この場合、国家試験の合格不合格にかかわらず採用になることもありますが、今後の業務を円滑に進めていくには、やはり薬剤師の資格を取得したほうが賢明です。 また、なかには薬剤師になることをあきらめて、一般企業へ就職するという方もいます。しかし、これはとても辛い選択。6年間積み重ねてきたことを手放すのは簡単なことではないのです。
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「第107回薬剤師国家試験」結果発表について
難化する国試の概要と対策-第106回薬剤師国家試験-
不安なときに試してみたい、心を落ち着ける方法
ここまで、合格できなかった場合の選択についてお伝えしてきましたが、決して不安をあおるためではありません。実際に多くの方が国試にチャレンジして成功できず、それでもなお夢に向かって懸命に努力しています。歩んでいく道は一人ひとり違っていても、薬剤師になりたいという強い気持ちは共通しているのです。 しかし、どんなに強い気持ちがあっても不安でくじけそうなときがあるはず。ここでは、そんなみなさんのために、心を落ち着かせ不安を和らげる方法をご紹介します。
なぜ不安なのか明確にしてみる
人間は未知のものに対して不安を抱く習性があります。それは、経験から学んで周りに適合していけるよう、可変性を身につけているからなのです。つまり、何に対して不安を感じているのかを明確にすることで、その対処法を探し不安を軽減していくことができるのです。
例えば、「勉強しているのに思ったように点数が伸びない」「試験に落ちたら...と不安になる」「試験本番で力を発揮できるのか不安」などの不安要素がある場合、それを紙に書き出しそれぞれの解決方法をリストアップしてみましょう。過剰に不安になっているときは、自分の脳が容量を超えているときです。紙に書きだすことによって具体的な解決方法がみつかると少しずつ不安が治まり前向きな気持ちになれるでしょう。
不安な気持ちを勉強へのエネルギーに変える
「これだけ勉強しているんだから大丈夫!」と自信をもって言えるくらい、ひたすら勉強するのも一つの方法です。地道に青本などの参考書の章末を繰り返し解く。何日か過ぎたころにもう一度解きなおす。一週間時間をあけて再度解いてみる。これを何度も繰り返し知識を定着させていきます。知識が定着するとそれが自信へとつながり、次第に不安は解消されていくでしょう。ただし、あまり無理をして体調を壊さないように。風邪などをひいて体調を崩してしまうと、そこから心のバランスも崩れてしまいます。どんなときでも適度な休息は必要ですね。
焦っているときは体を動かす
勉強が思うようにはかどらず、焦っているときや心に悩みを抱えているとき、少し体を動かすとウソのように焦りやストレスが消えることがあります。体を動かすことは休むことと同様に、脳にとっては「疲労回復」になるのです。体を動かすというとジョギングやウオーキングなどを想像して、時間がないからとあきらめてしまう方もいらっしゃいますが、難しく考える必要はありません。軽いストレッチや首を回す、冷蔵庫から飲み物を取り出すなど簡単なことで十分です。脳の緊張が解けることによって、考えがまとまり始め漠然とした不安から解放されるでしょう。どうしても時間がない方は、深呼吸するだけでもOK。深い呼吸をすることで副交感神経の働きが高まり、自律神経のバランスがとれるようになるので、ぜひ試してみてくださいね。
不安な気持ちを誰かに聞いてもらう
試験に対する不安に限ったことではありませんが、人に話すことで心がスッキリして不安が解消されることがあります。友達や家族、経験のある先輩など気軽に不安や悩みを相談できる人を見つけておくとよいでしょう。また、多くの大学に設けられている「学生相談室」。抱えている不安に対してアドバイスをもらえたり、乗り越える方法を一緒に考えてくれたりするので、ぜひ活用してみるとよいでしょう。
自分の時間をつくり、心をリラックスさせる
休憩も取らずただひたすら勉強していると、だんだん心が疲弊してきます。そんなときは少しだけ自分のお気に入りの時間を過ごしてみましょう。みなさんだったらどんなことをしますか?
本を読む、甘いものを食べる、音楽、動画、お気に入りのアプリ...。勉強と勉強の合間に少しだけそんな時間をつくることもいい気分転換になります。この章が終わったらおいしいコーヒーを入れよう。この問題が解けたらあの曲を聞こう。こうした気分転換は、がんばっている自分へのご褒美。心をリラックスさせることは不安を解消することにもつながります。ただし、こうした時間を長時間とってしまい学習時間が減ることのないように、時間のペース配分は必ずしてくださいね。
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まとめ
これからみなさんが挑む国家試験は、6年間ただ大学に通えば受かるような、簡単なものではありません。学んできた内容を理解したうえで、対応できる能力が求められています。ときには挫けそうになって逃げ出したくなったり、あきらめたくなったりすることがあるでしょう。それでも続けてきたことは必ず「力」になります。決してあきらめず少しずつでも前に向かって進んでいきましょう。
皆さんが目標にしている「薬剤師」になるまであと一歩。
就職に関する不安やお悩みがありましたら是非ご相談ください。ファルマスタッフはこれからも頑張るみなさんを応援しています。
ファルマラボ編集部
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