- 公開日:2024.05.17
今日から始められる!第110回薬剤師国家試験に向けた過去問の解き方とは!?【薬剤師がおが解説】
今回は第110回薬剤師国家試験の受験生に向けた記事の第2弾として、「過去問攻略」について解説します。
過去問を解くことは、薬剤師国家試験に合格するために非常に重要です。
第109回薬剤師国家試験で235点以上取れた薬学生113名にアンケートしたところ※、過去問を解いていなかった学生は1人もいませんでした。また個人差はありますが、先輩は平均して7年分の過去問を3周程度解いていたようです。
第109回薬剤師国家試験受験生113名から学ぶ国試勉強法! 第110回国試で失敗しないための「3原則」とは!?【薬剤師がおが解説】
本記事では、具体的な過去問攻略法(マインド編、実践編)、先輩や筆者の具体的な勉強法をお伝えします。ぜひ最後までご覧ください!!
なぜ過去問を解くことが重要なのか?
まずは前回記事のおさらいも兼ねて、過去問を解くことが重要な理由は以下の通りです。
理由1:傾向をつかむことができるため
理由2:アウトプット学習で効率よく勉強できるため
過去問攻略〜マインド編〜
過去問攻略のための具体的な勉強法は学生によって様々です。しかし、その中でも効率良く得点を伸ばせる学生に共通している考え方があります。その考え方を最初にマインド編としてお伝えします。
攻略マインド1:問題から何が得られたのかを意識する!!
まずはあなたの過去問の取り組み方を確認しましょう!
日々の過去問の取り組み方チェックリスト
上記のチェックリストの全てに当てはまったら、あなたの過去問の取り組み方は非常に優れているといえるでしょう。
点数が思うように上がらない学生の中には、問題の正誤のみを確認して、多くの問題を解くことを学習進捗の指標にしている人がいます。
一方で効率よく点数を伸ばせる学生は、問題の正誤や解いた問題の数だけではなく、その問題に取り組んだことで何が得られたのかを重視しています。目先の正誤にとらわれず、上記のチェックリストを意識して問題に取り組めば、このマインドは身についていくでしょう。
攻略マインド2:まとめノートの作成には注意が必要!!
国試対策のためにまとめノートを作成している方もいるかもしれません。しかし、まとめノートの作成には注意が必要です。
まとめノートの作成自体を目的としてしまっていないでしょうか。例えば、「今日は自律神経のまとめノートを作ろう!明日は循環器系のまとめノートを作ろう!......」といった、参考書のすべてのページをまとめたようなノートを作成するのはあまりおすすめしません。まとめノートの作成に多くの時間をかけたのにも関わらず、参考書のコピーを作ってしまっただけになってしまうこともあります。
まとめノートのメリットは、自分にとって必要な情報を手軽に見直せることです。この点を念頭に置いて、点数を伸ばすための目的があるまとめノートの作成を意識しましょう。
おすすめのまとめノート作成例
(目的:苦手を克服する)
(目的:公式の理解を深めて、応用問題を解けるようにする)
ちなみに、まとめノートを作成しないのも全く問題ないと思います。筆者もメモなどは全て参考書や過去問に書き込んでいました。あくまでまとめノートを作る方への注意点として記載していますので、まとめノートを作っていない方も安心してください。
攻略マインド3:参考書の浮気をしない
薬剤師国家試験で出題されるのは、作用機序の図、概念図、対応表などの図表を頭に入れた上で、体系的な知識から正解を導くような問題が多い傾向にあります。過去問を解く中で、何度も同じ図表の知識を問われるでしょう。参考書を変えると、参考書ごとの図表の微妙な違いに混乱し、知識が定着しづらくなることがあります。多くの参考書は合格するために必要な知識が網羅されています。国試の勉強を始める前に1年間の相棒となるような参考書を選んでみましょう。
過去問攻略〜実践編〜
基本的なマインドを押さえた後は、具体的な勉強法を決めていきます。重要なのは自分に合った勉強法を選択することです。過去の期末試験やCBT、受験勉強の際に取り組んだ勉強法のうち、成功したものやモチベーションが上がったものを実践してみましょう。
もし勉強法に迷う場合は、下記に示す先輩や筆者の攻略法も参考にしてください。
先輩の過去問攻略法
先輩Aさん
先輩Bさん
筆者の過去問攻略法
最後に、学生時代に模試で全国4位をとった経験もある筆者の過去問攻略法もお伝えします。私は「必須問題を毎日解く」「頻出問題を優先する」「正答率を意識する」の3つを意識して勉強していました。
●必須問題を毎日解く
「必須問題は1日10問解く」と決めていました。最初のころは「1日30分解く」としていたので、 時間で決めてもよいかもしれません。私の学生時代は必須問題を朝イチの勉強ルーティンとしてこなしていました。 必須問題に取り組むべき理由は前回記事でもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください!
●頻出問題を優先する
過去10年間で多く出た分野を優先的に勉強するという戦略です。国試の合格を目的とした場合、過去2年間しか出題されていない分野よりも、過去10年間で毎回出題されている分野を完璧にすることを優先したほうが効率的です。時間は有限です。より価値のある時間の使い方をしましょう。
ちなみに筆者が国試の受験生だった時には、参考書から頻出問題の一覧を自作していました。非常に大変だったのを覚えています。現在は、国試過去問アプリ内で頻出問題がまとめられていたり、参考書の中には頻出分野が一覧になっているものもあったりするようですので、工夫次第で頻出問題の整理は可能でしょう。
●正答率を意識する
国試は平均点を取れば合格できる可能性が高いです。では平均点を取るためにどうするか。まずは「他の受験生が取れる問題を自分も落とさないこと」が重要です。逆にいえば、他の受験生が取れる難易度の問題を取れないと平均点を目指すのは難しいでしょう。そのため、正答率を意識することが重要です。
私は、まず過去問を解く1周目では正答率50%以上の問題を解いて、2周目では1周目に解いた問題を含めた正答率30%以上の問題を、3周目では全ての問題を解くようにして、正答率によって解く回数を変えていました。また、各選択肢の選択率を確認することも重要です。他の受験生と同じ選択肢(選択率が高い)を選んで間違えた場合はよいのですが、他の受験生と異なる選択肢(選択率が低い)を選んで間違えた場合は注意が必要です。周りに比べて自分の知識が足りないところなので重点的に復習しましょう。
第109回薬剤師国家試験(2024年)の結果は?合格率や合格基準、難易度を解説
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は過去問の取り組み方について取り上げました。過去問に取り組むことは受験生が避けては通れない道です。本記事を参考に、自分に合った過去問攻略法を見つけ、実践してみてください!!
次回予告
次回は国試の科目を横断した勉強法をお伝えします。
膨大な量の知識を効率的に覚えるにはどうすればいいのか?関連性が高い科目はどれか?そんな疑問にお答えします!!
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※アンケート概要
集計日:2023年2月21日~2023年3月5日
調査方法:WEBでのアンケート調査
対象:第109回薬剤師国家試験を受験し、その自己採点が235点以上の男女113名
執筆者:がお さん
九州の大学を卒業。学生時の薬剤師国家試験の模試では全国4位の経験を持つ。卒業後は現場薬剤師、薬局の採用担当といった幅広い活動の傍ら、学生支援活動を広く行っている。X(旧Twitter)やYouTubeでは薬剤師国家試験の範囲からまとめ投稿や動画講義を行う。2023年11月に自身のチームで独自開発した薬剤師国家試験過去問演習ツール「Emery」をリリースし、リリース2ヶ月で約4000ダウンロードを達成。薬学生に信頼される薬剤師国試対策の発信者。
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ファルマラボ編集部
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