- 公開日:2019.09.06
薬剤師のホンネ
「薬剤師の働き方」についてのインタビュー企画。ご自身の悩みを解決するヒントが得られるかも!?様々なキャリアを持つ薬剤師さんの「ホンネ」をお届けします!
<薬剤師インタビュー>仕事も子育てもがんばりたい!パートから正社員へ復帰後、管理薬剤師として活躍するAさんのキャリア設計とは?
- 【Aさんプロフィール】
-
- 31歳 女性
- 管理薬剤師
- 正社員
- 病院門前の薬局に勤務
- お子さん 1人(1歳)
- 1歳のお子さんを育てながら、管理薬剤師として働くAさん
- 出産後は一時パート社員として働き、後に正社員に復帰
- 仕事を属人化させずに、みんなで共有できる体制に
- 将来は薬剤師さんの「教育」に携わっていきたい
- 仕事と子育てについて悩んでいる薬剤師さんへのアドバイス
1歳のお子さんを育てながら、管理薬剤師として働くAさん
子育てをしながら管理薬剤師をされているとお聞きしました。
私は1歳の子どもがいるのですが、小さい子どもがいて店舗責任者を務めている人は珍しいのではないかと思います。管理薬剤師は男性や独身の女性が就任するケースが多いですからね。
子育てをしていると、子どもが熱を出したら帰らなければなりませんし、子どものお世話があるので夜の会議にも出られません。この点に関しては、最初に会社へ相談しましたが、「周辺エリアの店舗でバックアップするので、店舗責任者になって欲しい」というお話をいただきました。『子育てをしながらでも店舗責任者ができるという事例になれたら』という気持ちもあり、頑張ってみることにしました。
ただ、自分一人で決められることではないので、エリアマネジャーや家族と何度も相談し、自己主張だけではなく周りの人の意見も聞きながら理解を求めていきました。密なコミュニケーションが一番大事だと思います。周囲のメンバーも子どもがいる状況を分かってくれていますし、周りの力を借りながら「お互い様」の精神で仕事を進められています。
出産後は一時パート社員として働き、後に正社員に復帰
これまでのキャリアについて教えてください。
新卒入社で今の薬局に入社し、そのまま転職をせずに同じ会社で働いています。大型病院の門前薬局で働くことが多く、様々な種類の処方箋を扱い、幅広い知見を得ることができました。
結婚・出産の後に産休に入り、現在の店舗に配属になりました。出産後は子どもとの時間を持ちたいと考え、時間をセーブしながら働く方法を考えた結果、一度パート社員になりました。
パート期間中は、周りの方の親身なサポートがありました。私自身も、仕事と子育てを両立できそうな実感がありましたし、また子どもが保育園に慣れてきたということもあり、子どもが1歳クラスになる4月のタイミングで正社員に復帰しました。
仕事を属人化させずに、みんなで共有できる体制に
現在の勤務時間を教えてください。
私が働いているのは土日休みの店舗なので、平日の8時から17時です。残業はせず、17時定時に帰っています。薬局は17:30に閉まりますので、それまでの30分間の報告は個別にもらうようにしています。あくまでも報告なのでタスクの依頼などはありませんし、時間外の仕事はほとんどありませんね。
そのような働き方を実現できている理由は何だと思われますか?
この薬局には常時3名のスタッフ(薬剤師2名/医療事務1名)が働いているのですが、仕事を属人化せずみんなで共有し、全員の仕事を可視化しているからだと思います。そのため、誰かがお休みになったときに、「じゃあ私がやりますね」という環境を作れています。もちろん職場にもよるかとは思いますが、共有化・可視化は大事なのではないかと思います。
仕事には調剤や服薬指導など様々な種類があると思うのですが、優先順位を立てる中で心掛けていることは何でしょうか?
期限があるものや他部署が絡むものなどは、先に終わらせるようにしています。また患者さま対応については、その日によって変わったりするので、終わらせられるものは先に対応するようにしています。
仕事と子育てを両立させるためのポイントについて教えてください。
子どもを平日はほとんど保育園に預けてしまうことになってしまうので、土日はなるべく子どもとの時間を作るようにしています。ですから、休日は一緒にお出かけするなどしています。
それを実現するために、平日は17時までに仕事を終わらせるように一日の中のスケジュールを組み、仕事をリスト化してスケジュール管理をしています。会社のPC上に、抱えているすべてのタスクを書き出すと仕事の全貌が見えてきますので、繰り上げて進めることができるものがあればそれに着手する、というような形です。
店舗責任者になってからは余暇の時間に仕事のことが頭をよぎることもあるのですが、家にいるときは「もうやらない」「明日やろう」みたいな感じですね。やるとしてもタスクをメモするぐらいです。このようなオン・オフのスイッチングは、独身の頃に比べてできるようになったのではないかと思いますね。
将来は薬剤師さんの「教育」に携わっていきたい
Aさんが思い描く、今後のキャリアについて教えてください。
私は「仕事100%」もしくは「子育て100%」でいるよりは、「仕事50%・子育て50%」くらいのほうが合っていると感じました。パート社員になって仕事量が減って楽にはなりましたが、もうちょっとやりたいなという気持ちがだんだん出てきたという経緯があります。今後も正社員として頑張っていきたいですね。
将来は今の会社で、薬剤師さんの教育に携わっていけるような仕事がしたいと考えています。現場で働いていると、後輩がメキメキ上達していくのを見てやりがいを感じますし、自分自身も指導することによる学びがありました。若手を含めて教育できる立場になれたらと思っています。
仕事と子育てについて悩んでいる薬剤師さんへのアドバイス
子育てと両立しながらのキャリアで悩まれている方も多いと思います。そのような薬剤師さんへのアドバイスがあればお願いします。
私自身、仕事と子育ての両立には悩みました。しかし、知り合いの薬剤師さんや退職された方、会社に相談してみたりすることで、「こんな風にキャリアを歩んでいきたい」ということが見えてきたように思います。
アドバイスするとすれば、「期限を決めてやってみる」というのがあると思います。例えば、出産後にパート社員で年度末まで働いてみて、やはり子どもと一緒に過ごしたいと思ったら会社を辞めてもいいですし、自宅近くの薬局などに転職してもいいと思います。もし仕事をしていて楽しい、キャリアを築いていきたいと思ったら正社員になるという手もあります。
一人で悩んでしまいがちですが、まずは「自分の考えを伝えること」が大事だと思います。職場に働きかけることで何かが変わることもありまし、わがままではなく、しっかりと改善策を提案することが必要だと思います。会社の制度内で実現できるのであれば、それを利用するに越したことはないですからね。
ファルマラボ編集部
「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。