- 公開日:2020.04.16
転職直後の薬剤師必見!職場の人間関係を良好に保つポイント
転職直後は何かと職場に気を遣いやすく、職場環境に悩んだりする時期。特に人間関係はストレスの原因にもなりやすく、転職直後に多い悩みの一つになります。新しい環境になり慣れない状況の中で人間関係の悩みを抱えてしまっては、再び仕事を辞めてしまうことにもなりかねません。
今回は、転職直後の方が新しい職場で、良好な人間関係をつくるためのポイントについてお伝えします。人間関係が原因で転職を繰り返してしまう方、必見です!
人間関係で悩む薬剤師。その理由は?
薬剤師には人間関係の悩みがつきものです。「どうして自分は人間関係が苦手なのだろう?」と落ち込む前に、なぜ人間関係に悩む人が多いのかを改めて考えてみましょう。それは、薬剤師という仕事そのものが原因かもしれません。
常に緊張感が求められる環境だから
薬剤師の仕事は、人命に関わる仕事です。少しのミスが重大な事故にもつながりかねないので、職場は緊張感に包まれています。薬局であれば、患者さんが目の前で調剤している様子を見ていたり、会話にも慎重な心配りが求められたり...。緊迫した雰囲気の中での仕事は精神的にピリピリしやすいため、職場内の対人関係に悪影響を及ぼしてしまいます。
閉鎖的な空間になることが多いから
薬局や病院の調剤室で一日の大半を過ごすことになる薬剤師の仕事は、閉鎖的な空間になりがち。設備構造や立地などのハード面が閉鎖されている場合もあれば、決まった少人数の人と毎日密接に関わるためソフト面で閉鎖的な雰囲気になりやすいのも問題です。それだけスタッフ間の嫌な部分が見えやすくなり、ストレスになる場合が多いといえます。
管理者・経営者の方針と合わないから
薬剤師同士は上手くいっていても、管理者や経営者、部長などと波長が合わない場合もあるでしょう。たとえば、管理者が厳しすぎてストレスになることもあれば、価値観の不一致でストレスを感じることもあります。管理者や経営者が頻繁に変わるような職場では、その都度会社の方針が変わってしまうため、スタッフ間に動揺が生まれて人間関係が悪化することも少なくありません。
業務過多により心に余裕がなくなるから
心に余裕があると他人に対しても寛容になれるものですが、多くの業務を抱えるようになるとその余裕もなくなります。不公平な仕事の割合、自分だけ残業が多いなど、許容範囲を超えた業務量を抱えていませんか?身体的に疲労が蓄積すれば、精神面にも影響が出てきます。スタッフ全員に余裕がなく仕事にストレスを抱えるようになると、ギスギスした関係になりやすいので注意が必要です。
<業種・雇用形態別>人間関係悪化の原因
人間関係の悪化は、薬剤師の業種や雇用形態によって原因が異なってきます。どのような原因が考えられるのか、自分の状況と重ねて考えてみましょう。
病院薬剤師の場合
病院の場合、医師や看護師、検査技師など様々なスタッフと関わる機会があります。それぞれ考え方や立場も違うので、対人関係に細かな気配りが必要になるでしょう。病院の場合は異動や配置換えにより、人間関係の問題が改善される期待が少ないこともプレッシャーになるでしょう。投薬業務においてベッドサイドで患者さまに対応することもあるため、日々の業務において精神的な負担が大きくなるのも一因です。
調剤薬局の場合
狭い調剤室の限られたスペースのなかで一日中過ごすことになるため、それだけ人間関係が密になります。気の合わない人が1人でもいると、影響力が大きいためストレスになります。構造設備的にも逃げ場が少ないことが原因で、同じ空間を全員で共有することになり、ストレスを抱えやすい環境であるといえるでしょう。
また、患者さまが急いでいることも多いので、そうしたプレッシャーの多い状況でミスなく調剤を行わなければならない環境もストレスになります。張り詰めた雰囲気が人間関係を窮屈にさせてしまうことも多いようです。
ドラッグストアの場合
ドラッグストアの場合、OTC医薬品をはじめ、化粧品や衛生用品、雑貨類など幅広い商品を扱うので接客の要素が強くなります。接客が苦手な人は、お客さまとのやり取りにストレスを感じてしまうことも。また、登録販売者やコスメ販売員、パート。アルバイトなど様々な立場の人と関わり、人間関係が複雑になってしまい苦労することもあるでしょう。
パート薬剤師や派遣薬剤師の場合
薬局で働くパート薬剤師、派遣薬剤師の場合は、正社員と比べて裁量権の少なさがストレスになることも。正社員と同等の知識・スキルがあっても意見が尊重されない、責任のある仕事を任せてもらえないということもあるでしょう。給与面・待遇面で差があるため、正社員と人間関係に壁を感じるケースもあります。
人間関係を良好に保つためにできること
どんなに恵まれた職場でも、人同士が関わる環境がある限り人間関係の悩みはなくなりません。人間関係に悩まないようにするには、まず自分の考えを切り換えることからはじめましょう。考え方を少し変えるだけで、人間関係の悩みがなくなる可能性もあります。
転職直後は職場に馴染むことを優先する
新しい職場では何かと違和感があったり、疑問に感じたりすることも多いでしょう。しかし、関係が出来上がっていない状態で意見をしてしまえば、不破が生じやすいので要注意。自分の意見を言うよりも、まずは、新しい職場に馴染むことが先決です。
苦手な人のいいところを探す
嫌な面が目につくと、すべてを否定したくなってしまうもの。でも、何かしら欠点があるのは当たり前。その人には良い部分も必ずあるはずです。たとえば、苦手だと思っていた人に助けられたことが今までにもあるかもしれません。苦手だと嫌厭するのではなく、相手の良いところを見つけるなどポジティブに考えてみましょう。
普段から雑談などの会話を心がける
業務的な話ばかりでは相手がどのような人かわからず、表面的な関わり方に留まります。相手が歩み寄ってくれるのを待つだけではなく、相手に興味を持つようにしましょう。日常的な雑談など、仕事以外の話を交えることで距離が縮まり関係も築きやすくなるはずです。
人は完璧ではないことを理解する
すべて完璧な人はいません。薬剤師としてミスは許されませんが、人は機械ではないのでどうしても失敗してしまうことがあります。誰かを否定するのは簡単ですが、自分に何か協力できることはないかを考えてみましょう。誰かのせいにするのではなく、積極的に職場環境の改善に取り組むことで、自分自身が働きやすい環境に変えられる可能性もあります。
身近に相談できる人をつくる
困った時や悩んだ時に、身近に相談できる人はいますか?同じ職場の人が話しづらければ家族や友達でもよいでしょう。話しを聞いてもらうだけで心がスッキリするだけでなく、意外な解決策が見つかるかもしれません。誰か心のよりどころとなる人を持つことが大切です。
人や会社の批判はしない
不満や嫌なことがあると、つい批判を口にしてしまいがちです。しかし、言葉の影響力は大きく、批判的な言葉は次第に心を歪ませ、モチベーションの低下にもつながるもの。同じような意見をもっている人がいれば同調が深まり、一層不満が膨れ上がってしまいます。人や会社の批判は口にせず、解決策を考えるというポジティブな姿勢でいることが大切です。
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▼参考記事はコチラ>薬剤師に求められるコミュニケーションスキルとは?- 職場スタッフ編 -
それでも人間関係に悩んでしまったときの対処法
自ら気をつけていても人間関係に悩んでしまったときは、どうすればよいのでしょうか?人間関係の問題がこじれてしまった場合は、次の対応を検討してみましょう。
上司や同僚に相談する
関係性などから相談しづらいこともあるかもしれませんが、同じ職場で働く人に相談すると状況を理解してもらいやすいです。特定の相手との問題であれば、当事者に対して直接話し合いの機会をもってくれる可能性もあります。根本的な解決を望むのであれば上司や職場の同僚など、信頼して相談できる人を見つけるとよいでしょう。
他店舗への異動または部署異動を相談する
店舗が複数ある薬局や分院のある病院などであれば、異動を志願してみるのも一つの方法です。誰か特定の同僚が苦手であったり、上司と合わなかったりする場合には、異動で解決できる可能性は大いにあります。部署変更により仕事内容が大きく変わってしまうかもしれませんが、人間関係のストレスは改善が期待できます。
転職コンサルタントに相談する
上司や同僚は、それぞれの人間関係や利害関係もあり、相談相手としては相応しくないこともあります。また、家族や友人には会社の悩みを言いたくない場合もあるでしょう。そんなときこそ、転職コンサルタントの活用をおすすめします。転職コンサルタントであれば、第三者の中立的な意見を聞けるだけでなく、自分の悩みを解決するための転職アドバイスも受けられます。お金もかからないので、積極的に活用してみるとよいでしょう。
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▼参考記事はコチラ>
薬剤師が抱える人間関係ストレスとは?その解消法を紹介
まとめ
人間関係に不安のある方は、今回ご紹介した解決策を取り入れて良好な人間関係が保てるように努めましょう。人間関係が理由で望んだ仕事を諦めることになってしまうのは、とても残念なこと。「合わない」「苦手」と断定するのは簡単ですが、それではよい人間関係を築くのは難しいものです。自分から一歩踏み込んで、相手の良い面を見る努力をしましょう。
こうした努力をしても悩んでしまったり、うまくいかなくて気持ちが沈んだりしてしまうこともあるかもしれません。そんなときは、誰かに相談する勇気をもつことも大切です。身のまわりの人に相談しにくい悩みは、ぜひ転職コンサルタントの力を借りてみてください。きっと解決の糸口が見つかるはずですよ。
ファルマラボ編集部
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