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  • 公開日:2022.12.08

『HIV感染症薬物療法認定薬剤師』とは?取得方法、メリットなど解説!【薬剤師の資格入門】

『HIV感染症薬物療法認定薬剤師』とは?取得方法、メリットなど解説!【薬剤師の資格入門】

薬剤師としてキャリアアップを目指すなら、自分の専門分野をもつことも一つの選択肢です。最近ではHIV感染症の新薬が出回るなど治療の選択肢が増えている一方、高度な知識を必要とすることからHIV領域における専門性をもつ薬剤師も必要とされています。

そこで今回は、『HIV感染症薬物療法認定薬剤師』について詳しく解説します。有資格者の担う役割や取得方法、薬剤師にとって取得するメリットなど、ぜひ参考にしてください。

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HIV感染症薬物療法認定薬剤師とは

HIV感染症薬物療法認定薬剤師とは

HIV感染症薬物療法認定薬剤師とは、HIV感染症について薬物治療の専門的な知識や技術等をもち、安全に有効な薬物治療を行えることを認定された薬剤師です。

類似資格に、HIV感染症専門薬剤師があります。こちらも同様にHIV感染症の薬物療法について専門的な知識・技術を備えたことを認められる資格です。ただし、HIV感染症専門薬剤師の資格を取得するには、HIV感染症薬物療法認定薬剤師の資格保有が条件となっています。つまり、こちらはHIV感染症薬物療法認定薬剤師の上位資格と言えるでしょう。

HIV感染症薬物療法認定薬剤師の役割

HIV感染症薬物療法認定薬剤師の役割

現状、HIV感染症を完治させられる薬剤はありません。そのため、長期的な服用によって症状をコントロールすることが必要です。また、HIV感染症の治療には複数の薬剤を用いた多剤併用療法が行われるため、適切な服薬を継続するうえでHIV感染症薬物療法認定薬剤師の存在は欠かせません。

具体的には服薬および保管方法、副作用等を説明したり、服薬以後も患者さまが服薬を継続できるよう情報提供などのサポートを実施したり、患者さま毎に個別の服薬設計が求められます。

また、チーム医療においてはHIV感染症に対して不安や心理的課題を抱える患者さまに専門性をもって関わり、他医療スタッフとの連携も欠かせません。さらに、例えば薬の副作用等に不安を抱えた患者さまからの相談を受けることもあるでしょう。

HIV感染症薬物療法認定薬剤師の取得方法は?

HIV感染症薬物療法認定薬剤師の取得方法は?

HIV感染症薬物療法認定薬剤師について、具体的な取得方法をご説明します。ここでは、認定機関である日本病院薬剤師会の公表している情報をもとに見ていきましょう。

取得条件(申請資格)

HIV感染症薬物療法認定薬剤師の申請は、以下が条件となっています。

  1. 1.日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

  2. 2.薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、日本薬剤師会、日本女性薬剤師会、日本保険薬局協会のいずれかの会員であればこれを満たし、日本保険薬局協会は会員である保険薬局に勤務する薬剤師であればこれを満たす。

  3. 3.日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本エイズ学会いずれかの会員であること。

  4. 4.日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。

  5. 5.申請時において、病院または診療所もしくは保険薬局に勤務し、HIV感染症患者に対する指導に3年以上、かつ、申請時に引き続いて1年以上従事していること(所属長の証明が必要)。

  6. 6.日本病院薬剤師会が認定する研修施設(以下「研修施設」という)において、日本病院薬剤師会が主催するHIV感染症薬物療法認定薬剤師養成研修(実地研修を16時間以上)を履修していること、または、研修施設において3年以上、HIV感染症患者に対する指導に従事していること(所属長の証明が必要)。

  7. 7.日本病院薬剤師会が認定するHIV感染症領域の講習会、及び日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本エイズ学会のいずれかが主催するHIV感染症領域の講習会などを所定の単位(10時間、5単位)以上履修していること。

  8. 8.HIV感染症患者に対する指導実績が10症例以上を満たしていること。

  9. 9.病院長あるいは施設長等の推薦があること。

  10. 10.日本病院薬剤師会が行うHIV感染症薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。

  11. 引用:HIV感染症薬物療法認定薬剤師認定申請資格

なお、(4)で条件となっている日病薬病院薬学認定薬剤師とは、日本病院薬剤師会による認定資格の一つ。薬物療法について幅広く高度な知識・技術を持ち、これを臨床現場で実践できる能力を持つ薬剤師として認定されるものです。

講習会

申請に当たり受講が求められるHIV感染領域の講習会は、以下機関及び団体が実施するものを示します。

  • 日本病院薬剤師会
  • 日本病院薬剤師会が実施するeラーニング
  • 各都道府県病院薬剤師会(ブロック開催も含む)
  • 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 エイズ治療・研究開発センター
  • HIV/AIDSブロック拠点病院
  • HIV感染症薬物療法認定薬剤師養成研修事業において日本病院薬剤師会が認定する研修施設

  • 引用:HIV感染症薬物療法認定薬剤師認定申請資格

    認定試験

    受験を希望する場合、指定の申込書に必要事項を記入のうえ、メールにて申請します。令和4年度の認定試験の出題基準と範囲は以下を参考にしてください。

    認定試験合格後の流れ

    申請条件を満たしたうえで日本病院薬剤師会に申請し、認定審査料を会員は11,000円(税込)、非会員は16,500円(税込)を支払います。認定審査に合格したら、認定料に22,000円(税込)を支払いHIV感染症薬物療法認定薬剤師として正式認定されます。

    更新申請

    HIV感染症薬物療法認定薬剤師は、5年毎の更新が必要です。なお、更新には以下条件を満たさなくてはいけません。更新には更新審査料11,000円(税別)および更新料22,000円(税別)が求められます。

    1. 1.認定期間中継続して、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、日本薬剤師会、日本女性薬剤師会、日本保険薬局協会いずれかの会員であればこれを満たす。

    2. 2.更新申請時において、日病薬病院薬剤師会の会員であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。

    3. 3.更新申請時において、日本薬学会、日本医療薬学会、日本臨床薬理学会のいずれかの会員であり、かつ、日本エイズ学会の会員であること。

    4. 4.認定期間中、施設内においてHIV感染症に関する専門的業務に従事していたことを証明できること。

    5. 5.更新申請までの5年間に、所定のHIV感染症に関する講習単位40単位以上(特段の理由がない限り、毎年最低3単位以上)を取得すること。ただし、40単位のうち日本病院薬剤師会のHIV感染症に関する講習会あるいは国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 エイズ治療・研究開発センター及び HIV/AIDSブロック拠点病院が実施する講習会で12単位以上を取得すること。

    6. 6.更新申請までの5年間に、HIV感染症患者に対する指導実績が5症例以上を満たしていること。

    7. 7.更新申請までの5年間に、関連する国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会においてHIV感染症に関する学会発表が1回以上(共同発表者でも可)、または複数査読制のある国際的あるいは全国的な学会誌・学術雑誌にHIV感染症に関する学術論文が1編以上(共同著者でも可)あること。

    引用:HIV感染症薬物療法認定薬剤師認定の更新条件

    HIV感染症薬物療法認定薬剤師を取得するメリット

    HIV感染症薬物療法認定薬剤師を取得するメリット

    HIV感染症薬物療法認定薬剤師の資格を取得すれば、HIV感染症の領域におけるスペシャリストとして認められます。取得後はHIV領域で活動の幅を広げたり、資格手当などがある職場では現職で昇給が期待できたり、転職時に有利に働くケースもあるでしょう。

    また、HIV感染症薬物療法認定薬剤師を取得することで、上位資格として位置づけられるHIV感染症専門薬剤師の取得が可能になります。HIV感染症の領域でさらなる活躍を目指すなら、ぜひ取得したい資格と言えるでしょう。

    HIV感染症の領域で活躍する薬剤師に

    今回は、HIV感染症薬物療法認定薬剤師について詳しく解説しました。資格を取得すれば、HIV感染症の薬物療法について専門的な知識・技術を持つ薬剤師として認められ、キャリアアップや転職時に有利に働くことも期待できるでしょう。

    HIV感染症の治療には、薬剤師の活躍が欠かせません。本記事の内容を参考に、取得を目指す方は早い段階から準備を進めておきましょう

    ファルマラボ編集部

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    記事掲載日: 2022/12/08

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