- 公開日:2019.06.19
「男性薬剤師」は肩身が狭いって本当?女性が多い職場のあるあるエピソードをご紹介!
薬剤師が働く職場は、女性が多く働いているイメージではないでしょうか?実際に、全国の届出薬剤師数は、2016年12月31日時点で総数301,323人のうち、男性薬剤師・116,826人(総数の38.8%)、女性薬剤師・184,497人(同61.2%)と報告されています。さらに、医療事務や調剤事務などの医療系事務も女性率が高く、調剤薬局などにおいてはスタッフの大半を女性が占めていることもあるのです。
この記事では、男性薬剤師の方にインタビューし、【女性が多い職場だからこそ起こるエピソードや気を付けるべきポイント】などを調査!男性の読者の方には勇気を、女性の読者の方には気づきを与えるはずです。
女性が多い職場って?その特徴をご紹介
まずは、業種や職種に関係なく、"女性が多い職場"について考えていきましょう。男女のバランスがいい職場、男性が多い職場に比べると、4つの特徴があります。
【人間関係のトラブル】が起きやすい!
女性が多い職場の問題として、一番に挙げられるのが人間関係のトラブルです。職場によっては、「無視される」「聞こえるように悪口を言う」「他の人に接するときと明らかに態度が異なる」などの嫌がらせが横行していることも。人間関係を理由にした転職も珍しくありません。
【活発なコミュニケーション】が必要!
男性が多い職場では黙々と仕事に打ち込むことが多いのですが、女性の多い職場では活発なコミュニケーションが求められる傾向があります。仕事中に意見を聞かれたり話を振られたりすることも多く、休み時間や業務の合間に雑談をすることだってあるでしょう。
【恋愛や結婚の話】が多いことも!
女性が多い職場は、恋愛・結婚・出産・育児などの話題がよく出ることが多いでしょう。既婚者が多ければ、配偶者やママ友の愚痴を耳にすることも。男性の方は耳馴染みのない話題のため、「聞いていて良いのだろうか...」と気まずい思いをするかもしれません。
【ダイエットや美容の話】に花が咲く!
男性同士で、ダイエットや美容の話をすることは殆どありません。しかし女性は、これらに興味を持つ方が多く、会話に花が咲くことは珍しくないでしょう。さらに、日の過ごし方なども男女で異なることが多いため、共通の話題を見つけるのに苦労するかもしれませんね。
【男性薬剤師にインタビュー】女性が多い職場での苦労は?
男性薬剤師は、女性の多い職場で働くが故に、大変だと感じることも多いと言います。この項目では、インタビューで見えてきた彼らの苦労をご紹介しましょう。
[1]人間関係のトラブルに巻き込まれて...
病院勤務Aさん
私が勤務している病院では、女性薬剤師の比率が高く、派閥のようなものが存在しています。一見、男性薬剤師は関係ないように思われますが、「聞いてくださいよ~!この間、○○さんがまたミスをしたんですよ~」など話を振られることもあります。あまり介入すると良くないので、『大変ですね』と上手くいなしたつもりだったのですが、「Aさんはあっちの派閥の味方だ!」と捉えられるようになってしまいました。業務に支障をきたすこともあるので、困っています...。
いじめや嫌がらせを直接受けなくても、人間関係のトラブルに巻き込まれることは珍しくありません。不用意な発言が原因で、思わぬ事態を招くこともあるでしょう。日頃の言動には十分に注意することをおすすめします。
[2]話題についていけず、話に入れない...
調剤薬局勤務Bさん
私が勤務している調剤薬局は、スタッフ同士の仲が良くて、休憩中にみんなで雑談をしています。ただ、化粧品の話や男性俳優の話になると、どうしても話についていけないので肩身が狭いですね。生理や出産などの話や旦那さんの愚痴(笑)など、私がいるとできない話もあるため、周りも気を遣っているようで心苦しいです...。
女性同士の会話に男性が入るのは難しいものです。仲の良い職場でも異性がいるだけで気を遣わせてしまうでしょう。「無理に話に入る必要はない」と考えを変える、適度な距離感を保つようにする、などの方法がおすすめです。
[3]産休や育休のしわ寄せによる負担が...
ドラッグストア勤務Cさん
製薬メーカーからドラッグストアに転職した際に、女性の多い職場に配属されました。女性スタッフは、産休・育休、時短勤務、生理休暇を取得する方が多いため、男性である私に大きな負担がかかっています。もちろん、当然の権利であると理解していますが、毎日深夜まで残業が続いてしまうと、このまま長く続けていけるか不安です...。
女性の社会進出に伴う社会的要請により産休や育休が拡充されつつあります。男性にも認められていますが、実際に利用するのは女性が殆どでしょう。女性の多い職場では、男性の負担が大きくなる場合もあるため注意が必要です。
男性薬剤師が気を付けるべき4つのポイント!
男性薬剤師が、病院や調剤薬局などで働いていくには、女性の中で上手く立ち振る舞うことが求められます。ここでは、気を付けるべきポイントをご紹介しましょう。
[ポイント1]ハラスメントに気をつける
ハラスメントとは、「悩ませること」「嫌がらせ」といった意味を表しています。最近の日本では、『セクハラ』『パワハラ』に続き、『モラハラ(モラルハラスメント)』も問題に取り上げられるようになりました。妊娠や出産の話など、女性同士では問題になりにくい内容でも、男性から話題にするとハラスメントになるケースもあるので注意が必要です。
[ポイント2]プライベートの話に注意する
前述したハラスメントの問題にも関わりますが、プライベートの話には注意が必要です。女性の中には、男性からプライベートの話を聞かれることに抵抗を感じる方が少なくありません。たとえ悪意がなかったとしても、された本人が嫌な行為はハラスメントとみなされるので、プライベートに踏み込みすぎることは控えましょう。
[ポイント3]特定のグループには属さない
職場で良好な人間関係を築くことは大切です。しかし、特定のスタッフやグループと仲良くし過ぎてしまうと、派閥争いに巻き込まれることがあります。また、人によって接し方を変えると、周りからよく思われないため、避けるようにしましょう。「親しき中にも礼儀あり」と言われるように、一定の距離感を保つことがおすすめです。
[ポイント4]清潔感を保つようにする
医療従事者ならば当たり前ではありますが、清潔感を保つことは非常に大切です。女性の多い職場であれば、髪型や服装などの身だしなみだけでなく、たばこの臭いや口臭などにも注意を払うと良いでしょう。仕事が出来る人やコミュニケーションも取れる人であっても、清潔感がないだけでマイナスの印象を与えてしまいます。
【男性薬剤師にインタビュー】男性だから活躍できたことは?
女性の多い職場では、肩身が狭く感じることもあるでしょう。しかし、そうした職場だからこそ、男性薬剤師が活躍できることがあります。インタビューで伺ったエピソードをご紹介します。
[1]職場内でトラブルをおさめた!
調剤薬局勤務Aさん
私が転職する前は、管理薬剤師も含め女性のみの職場であったため、人間関係のトラブルが起きた際に解決することが難しかったそうです。仲介役にエリアマネージャーが呼ばれたり、本部に連絡して助けを求めたりと、大変だったようですね...。男性である私が加わったことで、何かしらのトラブルが起きた時は、周りの意見を聞いた上で仲裁してほしいと頼られています。人間関係のトラブルが減ったと喜ばれることも多いです。
女性の多い職場では、人間関係のトラブルが起きやすいとお伝えしましたが、男性薬剤師が間に入ることによって解決に導いたというケースもあるようですね。女性間の派閥争いに巻き込まれにくいことや、女性とは異なる視点で問題に向き合うことができることから、男性薬剤師が仲裁役を担い感謝されることもあるでしょう。
[2]力仕事を率先して行い感謝された!
調剤薬局勤務Bさん
私が異動する前は、スタッフ全員が女性だったため、ウォーターサーバーのボトル交換をめぐってトラブルが起きたそうです。「若いスタッフがやるべき」とベテランが主張する一方で、「産休明けの人もいるから全員で交代制にするべき」と若手の方が主張する...と意見が分かれたのだとか。私が加わったことで、力仕事は男性が行ない、トイレなど水回りの掃除は女性たちが行うなど、良い分担ができるようになったと思います。
病院や調剤薬局などは、重たい医薬品の運搬、大量の軟膏の調製、在庫の整理など力仕事も少なくありません。女性のみの職場ではトラブルの原因となることもあるので、頭を悩ませるポイントでもあります。男性薬剤師が加わることによって、仕事の分担を見直すことができれば、職場環境の改善につながることもありますね。
楽しく働き続けるために
この記事では、【女性が多い職場だからこそ起こるエピソードや気を付けるべきポイント】などについて解説しました。
ひと昔前に比べると男性薬剤師の数は増えつつあります。しかし、病院や調剤薬局においては、まだまだ女性の割合が高い職場であると言えるでしょう。肩身が狭く感じることも少なくありませんが、男性だからこそ活躍できることも多く、やりがいを感じることも少なくありません。男性がいることで安心感が生まれることもあります。
周りのスタッフと上手く関わり、いい距離感を保つことが楽しく働き続けられるコツではないでしょうか?
ファルマラボ編集部
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