- 公開日:2016.06.15
患者さまとしっかりと向き合うための心構えとは?
患者さまには、いろいろなタイプの人がいます。 一人ひとりとしっかり向き合って前向きなセルフケアをサポートするための、薬剤師としての心構えを見てみましょう。
分かりやすい言葉で具体的に話をしよう
薬剤師として患者さまとしっかり向き合うためには、信頼関係を築く必要があります。 そのために大切にしたい心構えが「分かりやすい言葉」で「具体的に話す」ということです。 お薬の説明にしても症状の説明にしても、どんな言葉で話せば相手に伝わりやすいかを、今一度整理してみましょう。 自分のことをあまり話してくれない患者さまは、伝え方が分からないだけかもしれません。 専門用語ばかりを使って何を言っているか分からない相手に対して、心を開けないのは当然です。 信頼関係の大前提となるものこそ、分かりやすい情報提供です。 自分が変わると相手も変わると意識すると、苦手意識を持っていた患者さまが、心を開いてくれるかもしれません。
患者さまの具体的な情報を引き出す質問術
薬剤師の会話術をひとつ紹介します。 具体的な答えを返してもらう質問の仕方です。
ドラッグストアの店頭で、お薬を選んでいるシーンを想定してみます。
「薬のアレルギーはありますか?」と聞くと、「ありません」の一言で、話が終わってしまいます。
「薬を飲んだ後に喉がかゆくなったりだるさを感じたりしたことがありますか?」 「胃に負担が大きいお薬なのですが、ムカムカして気持ち悪いなど感じたことがありますか?」 などと詳細な内容を挙げてから聞くと、患者さまの状態についての具体的な情報を望めます。 詳しく質問されたことで、「ムカムカはしないけれどお腹が痛くなったりする」など、より詳細に患者さまのご状況をお話してくださる可能性もあります。
薬剤師にとっては当然の知識でも、一般的な知識ではないことがあります。 上記の例では、「アレルギー」と言われても該当する症状が分からず、ただ「ない」と答えてしまう方もいるかもしれません。 小学生でも分かるくらい簡単な言葉、丁寧な内容だと、患者さまに伝わりやすくなります。 患者さまと目線を合わせる心構えでいると、自ずと話し方も変わってくるでしょう。 お薬に関する大切な情報を話してもらうためにも、患者さまの情報をこちらから引き出す質問方法をマスターしましょう。
高齢の患者さまと接するときの心構えと注意点
訪問薬剤師をしていると、高齢の患者さまとの接し方に悩みます。 高齢の患者さまと接するときに気をつけたい心構えをまとめました。
- 親族の連絡先を控えて、必要に応じて相談する
- たとえ痴呆が疑われていてもプライバシーがあることを念頭に行動する
- 飲み忘れてはいけない薬は、家族に管理してもらう
ケアをはじめてから、痴呆が進んでしまうこともあります。 薬の飲み忘れ・間違いが増えてきたなど、気になる症状がある場合は、親族との連携が必要でしょう。
ただし、高齢者自身にもプライバシーがあることを意識しましょう。 いきなり家族に事情を説明したり、お薬の管理をお願いしたりすると、プライドを傷つけてしまうことがあります。 一度心が離れてしまうと、なかなか修復が難しくなります。
自分だけではどうにも対処できないと感じたら、医師や看護師に相談するのも一案です。 在宅ケアはチームで行うものと考えて、慎重に判断してください。
まとめ〜薬剤師として患者さまとしっかりと向き合うための心構えとは?
- 1.分かりやすい言葉で具体的に話をしよう
- 患者さまとしっかり向き合うためには、信頼関係を築く必要があります。 何よりも重要な心構えは「分かりやすい言葉で具体的に話す」ことです。 専門用語をなるべく使わず、具体例をふまえて話しましょう。
- 2. 患者さまの具体的な情報を引き出す質問術
- 小学生でも分かるくらい簡単な言葉で、具体的な例を列挙しながら質問すると、具体的な返答を望めます。 なかなか話をしてくれない患者さまと接するときに、ぜひ試してみて下さい。
- 3.高齢の患者さまと接するときの心構えと注意点
- 高齢の患者さまと接するにあたっては、家族と連携しながら必要なケアを行います。 安易にプライドを傷つけて、信頼関係を崩してしまうことがないように、気をつけましょう。
ファルマラボ編集部
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