- 公開日:2016.08.15
薬剤師に多いストレスとその対処法について
人間関係・業務過多など、薬剤師のストレスの原因と対処法を見てみます。合わせて、2015年12月から義務化されたストレスチェックの内容を紹介しましょう。
ストレスの主な原因は人間関係・業務量
薬剤師さんのストレスの原因としてよくあるのが、人間関係と業務量です。
閉鎖的な空間で仕事をすることになるので、人間関係でつまずくと、心身ともに疲弊する悪循環に陥ってしまいます。 職場の人と積極的にコミュニケーションをとる・苦手な人ともそつなく会話するコツを見つけるなどして対処しましょう。
業務量の問題は、職場の上司や人事部に相談しましょう。 どうしても状況が変わらないようなら、より安定して働ける企業へと転職するのも一案です。
いずれの原因であっても、ストレスを抱えたまま我慢しても問題は解決せず、どんどん体調面などに悪影響が出てきます。 適切な対処法で自分の健康状態を労わり、ストレスによる悪影響を抑えましょう。
人間関係が原因のストレス・対処法
薬剤師は、限られたスペースの中で同じ人たちと仕事をします。
狭い空間の中で人間関係が悪化すると仕事がしにくくなって、あらゆるシーンでストレスを感じます。 人事異動が少ない業種でもあるため、なかなか状況が改善しません。
病院薬剤師だと、医師や看護師との良好な関係作りも意識する必要があり、余計にストレスを感じます。 上手にコミュニケーションができないことを不安に感じて、ふさぎ込んでしまう方もいると言います。
製薬会社のMRやMSなどとして働く場合は、たくさんのお客さんと接して関係作りをしていきます。 苦手な医師や薬局の担当者がいた場合も意図的に避けることはできず、ストレスを溜め込んでしまうリスクがあります。
薬剤師としてどんな仕事に就いていたとしても、職場の人間関係に関する悩みはつきません。 考えが異なる相手と上手に付き合い、スムーズに仕事を行える環境を整えましょう。
業務量が多くて休みがとれないストレス
多くの職場で薬剤師不足が深刻で一人当たりの業務量が多くなる傾向にあり、ワークライフバランスがとれなくなるという弊害が出ます。
年中無休のドラッグストア増加・薬局のあり方の多様化なども薬剤師不足に拍車をかけ、業務過剰になっているケースが散見されます。
ただでさえ命に関わる仕事で気を張っているのに、残業や休日出勤が続くと、息抜きする暇がありません。 リラックスする時間がないと交感神経優位の状況が続き、仕事のミスや作業効率低下の原因となります。 思うように仕事ができない自分にいらだつと、ストレスが悪化する一方です。
対策として、上司や人事部に相談する・休日出勤が続いた後に代休をとる・休日は仕事を忘れてゆっくり過ごすなどが考えられます。 改善が難しいようなら、労働条件が良い職場へと転職するのも一つの手です。
ストレスから体調を崩すと、回復が難しくなります。 限界が来る前に行動して、前向きなキャリアを考えましょう。
ストレスチェックで心身状態を把握しよう
2015年12月から、労働者が50人以上いる中小以上の企業に対し、ストレスチェック実施義務が課されました。 簡単なアンケートを従業員に記入させ、集計結果から心身状態を測るものです。
具体的な実施手順は、以下のようになっています。
- 質問票の配布・ストレス状況を評価・医師指導の要否判定。
- ストレス状態が高い人に対しては、医師の面接指導を行います。
- 医師の面談の結果で就業上の措置が必要と判断されると、職場に事実関係の確認が入り対処法を検討します。
各工程の実施状況は労働基準監督署に提出する必要があり、ごまかしが利きません。 正しい対処法をとり職場環境を改善しないと、法律違反にも問われます。
ストレスチェックの実施は、労働者のストレスケア対策として一定の効果が見込まれます。 薬剤師としては、受け取ったフィードバックが、自分のストレス状態を見つめ直すチャンスです。
まとめ〜薬剤師に多いストレスとその対処法について
- 1.ストレスの主な原因は人間関係・業務量
- 薬剤師のストレスの原因として多いのが、人間関係と業務量に関するものです。 人間関係なら、コミュニケーションスキルでカバーします。 また、業務量の問題は、職場の上司や人事部に相談することが効果的です。 適切な対処法で自分の健康状態を労わり、ストレスによる悪影響を抑えましょう。
- 2.人間関係が原因のストレス・対処法
- 狭いスペースで同じ人たちと仕事をする薬剤師は、人間関係に悩みがちです。 苦手な人ともうまくやっていけるコミュニケーションスキルを養い、ストレス耐性を鍛えましょう。
- 3.業務量が多くて休みがとれないストレス
- 薬剤師不足・業界構造の変化などを受けて、一人ひとりにかかる負担が大きくなっている状況があります。 とは言え無理を続けるのはストレスの引き金になるため、周囲に相談する・転職を検討するなどの対策をとりましょう。
- 4.ストレスチェックで心身状態を把握しよう
- 労働者が50人以上いる企業に対しストレスチェックの実施が義務となりました。 労働者のストレスケア対策として一定の効果が見込まれます。 受け取ったフィードバックは、自分のストレス状態を見つめ直すチャンスです。
ファルマラボ編集部
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